丘の上の方に向かって人家がある。丘の上に聳える樹が楓香樹(唐楓)。楓香樹は、苗族の神樹であり生命の樹であり、苗族の精神的支柱と言われる。
村に行くには、谷川に架かった風雨橋を渡らなくてはならない。この橋の造りは、少なくともハリウッド映画の「マディソン郡の橋」よりは豪華で立派だ。
村の入り口。「南花苗寨」と記されてある。村全体が自衛のための砦にもなっていたから「寨」という字がついているのだろう。
歓迎の酒を振舞う若い女が待ち受けている。
早速、酒を無理やり勧められている人。
歓迎の女性群。中年のおばさんが多い。
歓迎の男子群。
銅鼓。中心に太陽。銅鼓と言えば、ベトナムのドンソンの銅鼓が有名だが、銅鼓のつなぐ社会は東南アジアからカスピ海まで広がっていたそうだ。紀元前から権力の象徴とされていたとのこと。
木太鼓。
蘆笙を吹く村人。銅鼓、木鼓、蘆笙は、苗族の代表と」される楽器で、銅鼓舞、蘆笙舞、木鼓舞が演じられた。
広場の真ん中に蘆笙柱が立っている。本来、蘆笙柱は楓香樹で作られていたのだろうが、この村では新しい石作りとなっている。柱の頂上に太陽、牛の角が乗り、牛の角には太陽、飛龍、飛雲が彫られている。柱には鳳凰が彫ってある。
苗族は、移動の際にまず蘆笙柱をたてそこを中心に村が広がっていった。この場所は苗族でヘソを意味するタウトウと呼ばれ、混沌とした宇宙を秩序づける最初の柱とされる。(萩原秀三郎著「稲と太陽の道」)
楓香樹。日本では唐楓と呼ばれる。我が家の近くの世田谷公園にも30メートルを越える唐楓の樹が何本も枝を張っている。
酒を勧める歌舞。
豊作の喜びを祝う蘆笙舞。
「楽しい苗寨」全員総出で踊る。
苗寨からの眺め。
大勢の人が建築中の家の中に車座になっている。おの中、酒の座になるのだろう。
楽しく過ごした苗族の村ともお別れ。