モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

マスターシリンダーの清掃2

2010-01-11 12:21:49 | Weblog
今日は世間は振り替え休日らしいです。
思えば、昔に比べて休日が増えましたねえ。
しかし、私は学生時代以降、祝日には一切無縁の生活です・・・。(-_-)

続きです。

マスターシリンダーのピストンは、大抵ブレーキレバーが当たる部分に飛び出し防止のサークリップが付いています。
これを外すと、ピストンが内部のスプリングに押し出されて飛び出してきます。
固着の状況にもよりますが、飛び出さなくてもラジオペンチなどで挟んで引き抜ける物です。

しかし、今回のそれは「外車の物」というだけあって少し違いました。
それは肝心のサークリップが無かったからです。ということは、それで飛び出さない構造なのでラジオペンチ位では
引き抜けません。機械的なもので圧入されているのか、分解防止措置なのか・・・?
何にせよ通常のやり方では、清掃行う目的のピストンが外れません。
内部構造が分らないのでこうなると「お手上げ?」です。

しかし、バイク屋である以上そんなわけにも行きません。
ここで、固着の状況をもう一度おさらいします。

ブレーキフルードは
1、「オイル汚れなどを取るパーツクリーナーと分離」しました
2、長い間使わなかったら固着しました
3、ある程度の熱には耐えるが、沸騰して気泡が出る性質です

ということで、まずパーツクリーナーは効きません。
バイクパーツの汚れ落としの定番である(洗油(灯油)漬け)も効きません。
上の物が効かない理由は成分の違いもありますが、最も大きい点は「温度」です。
二つとも「冷えている物」だからです。
パーツクリーナーは缶に入っている時や吹きつけた際は液状です。
そして、その後汚れと混合されるか気化するかです。
イメージとして「液化ガス」みたいなもののようです。
洗油はそれより冷えていませんが、それでも10℃もありません。つまりは、平均的な外気温よりも「低い」のです。
これら2つは試しに行ってみましたが、やはり効果はありませんでした。

それで、肝心のミソの部分である「温度」というところに要点を起きます。
で、何をしたのかというと・・・「茹で」ました。

そうすると、一撃とはいいませんが抜けました。
ピストンを見ると、一般的なそれと同じ形状ですが、漏れ防止のシール代わりであるゴムが「やや大きい」のです。
ということは、そのゴムは漏れ防止以外に「ストッパー」の役割をしていたということです。
これは他の物でもそうですが、こちらはさらに強力な物であるようでした。
設計思想の違いですな。(-_-)

画像は今回のマスターシリンダーです。
Grimecaというピアジオなどのヨーロッパ車の純正部品を製造しているメーカーの物です。
ヨーロッパでは部品の価格は日本に比べて多少は安いです。
ですから、壊れると部品単位で交換なのか、修理できる物なのかが判断しずらいころです。
とはいえ、部品を丸ごと交換すると金額もかかるので「修理できるところは修理する」という日本車と同じスタンスで良いでしょう。(^^)b