モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

突然の・・・

2009-07-23 12:25:47 | Weblog
梅雨明けはしているらしい(?)ですがここ、二、三日はその名残のような天候です。
夏らしく「カラっ」と晴れてもらいたいですね(^^;)

前に金属疲労の話をちょこっと書きました。
本日は第二段的なものです。

私の乗っている「GILERA RUNNER」は元は不動車で「部品取り扱い」の物でした。
ですから、走行距離も怪しくメーター通りかどうかは分かりません。

そんなバイクでも、整備して故障しているところを直せば普通に走ります。
まあ、このバイクは「それだけの価値」があります。(-_-)b

さて先日これで走っていたら、突然「おかしな音」と共にスローダウンしました。
走行中に止まるというのは、どういった状況にせよ「非常に焦る」ものです。(°°;))。。
そういった状況の経験を積んでいれば「そうでもない」かもしれません。
でも、そんな経験は積まないに越したことはありませんが・・・

早速バイクを道路の端に寄せて点検します。
そうすると・・・
1、エンジンは懸かるが進まない
2、バタバタと異音がする(クランクケースの方から)
3、ブレーキはロックしていない
4、ガソリン、オイル、水温は正常

の点から、一番多い症状である「駆動ベルトが切れた」と考えました。
さすがに交換用のベルトはバイクに載せてません。

とはいえ、止まった場所は店からも遠く、近くに電車の駅もなければ、バスもありません。(あるけど一時間に一本で数分前に出たところ)
しかも、「買出しの途中」だったので、仕方なくタクシーを呼んで店まで帰り、すぐに車で引き上げに行きました。

こういう時に限って「強いにわか雨」が突然振ったり(バイクが止まった周辺だけ)、お昼ご飯に食べようとしていた
ハンバーガーなどが(止まる前に数分前に買った)店に帰る頃には「すっかり湿った」りと踏んだり蹴ったりでした。(T_T)
漫画のように「何で・・・俺・・・何か悪い事とした?」などとすら思いもしました。

何とかバイクを引き上げて店に帰り、早速クランクカバーを外しました。
そうしたら・・・

画像は今回の原因です。右が新品です。

「キックラチェットギア」という部品です。エンジンをキックで懸ける際にキックペダルのギアが「引っかかる」部分です。
最初に「金属疲労」と書いたのは、この部品は「ドライブフェイス」と呼ばれるギアと「一緒にボルト止めされる部品」です。
ですから、「ウェイトローラーのセッティング」をはじめとする駆動系のカスタムや調整を頻繁に行うと、その都度付けたり外したりします。
こういった金属破壊は表面上「一撃」と思われがちですか、内部では結構疲労しています。
見た目的に錆びたり、亀裂が入ったりしないので「X線」でも当てない限りは分かりません。

原因として考えられるのは
1、その蓄積による金属疲労
2、気が付かないうちに締め付けが「オーバートルクに成っている可能性」
3、本来ワッシャーやシムが付いているのに、付けるのを忘れていた
などです。

おそらくは1の原因と思われます。2はこの辺りの部品締め付けは「トルクレンチ」使用の範囲なので、オーバートルクはありえないのです。
この部分の適正締め付けトルクは75~80Nmです。
ただ、このバイクがはじめて私の元に来た際、各部の締め付けがやたらときつかったのであるいは・・・。
3は・・・ないですね。毎回サービスマニュアルで「部品構成」を再チェックしますので。自動車製造ライン時代の癖といいますか。(≧∇≦)b 取り付けヨシ!
実際、外した際には欠品している部品はありませんでした。

ちなみに、スローダウン時にあった「バタバタという異音」とは「駆動ベルトがケース内の側壁を打つ音」です。
駆動ベルトが切れても同様の音がします。
エンジンを焼いたときの音とは「明らかに違う」ので、すぐに判断できます。