モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

病は早めに治す

2009-07-16 12:11:43 | Weblog
すっかり夏です(^_^ A

昨日の休みに、例によって海岸通を走っていましたら、やたらと体に何か当たるのです。
何かというと・・・海風に飛ばされた、砂浜の砂?っぽいです。( ̄  ̄!)半袖だったので少し痛かった・・・

日ごろから「最近のスクーターは早々壊れない!」と明言しています。
「では、壊れる原因って何なの?」
と思う人も多いでしょう。

故障の最も多い原因は「放置」です。「野ざらし」という意味ではありません。
「調子が悪いと気付いてながら修理しない。その結果悪化して他まで壊れる。」というパターンです。

人間や動物と違い、機械は「自然治癒」などはしません。
風邪を引いたら人によっては「気合で治す」人もいます。でも、機械は気合で直りません。

ですから、快適な自動車やバイクライフを行いたいのであれば「日ごろのメンテナンスは当然の行為」です。(-_-)b
ツーリング最中に壊れた、通勤途中に壊れたという事になった日には「人生最悪の日」と思うぐらい碌な事ではないでしょう(>_<)。

次に多い原因は「部品の付け間違え」「締め忘れ」「付け忘れ」です。
メーカーは車両の設計を終えると、走行試験、耐久試験などを行います。製造を終え出荷の前にも走行試験や防水試験を行います。
怪しい企業でなければ、よほどの設計ミス(構造的な)はあんまりありませが、それでもリコールになるものもあります。
ですが、それにしても製造上の問題であることが多いです。
「取り付け部品の締め付けが足りなかった」とか「部品耐久の想定範囲を超えた使い方をした結果壊れた」とかですね。

さて、この原因は工場出荷の後にもありえる話です。
例えば「修理を頼んだメカニックが未熟だった」とか「自分で整備したが自分が未熟だった」です。(_ _,)/~~

で、今回久々にこの手の修理を行いました。

症状としては「エンジンを懸けると駆動輪が回りっ放し」でした。
この症状だけでも要因は何パターンかあります。
ですから、基本的なところからチェックしていきます。そうしたら・・・

画像は原因のそれです。

原因はなんと・・・「クラッチシューを止めるスプリング(通常は3個付いていてある)がない」でした。(-_-;)
このスプリングは、ありていに言えば「クラッチが開くの抑えている」物です。
スプリングの強さを変化させることによって「エンジンの回転が駆動輪に伝わるタイミング」を調整します。
ですから、「加速を変化させる簡単なカスタム」を行う部品でもあります。
クランクケース内部に「破片もなく」、「三つ共にない」という状況であることから、
単純に「付け忘れ」という事が解かります。「なぜ付け忘れたのか?」は解かりませんけど・・・

スプリングがないと当然「クラッチは開きっ放し」、つまりは「駆動輪と繋がりっ放し」なので停止してもブレーキを放すと進みだすのです。
問題なのは、例えば交差点の信号などで停止してもエンジンは懸かっています。それをブレーキで「回ろうとしている」のを無理やり止めて
いるわけですから、エンジン自体に余計な負荷が懸かりまったく良くありません。

クラッチのシューは見事に削り取られ、ベルの接地面も同様に削り取られています。
こうなるとベルも交換しないといけません。

これが、「部品のつけ忘れ」と「調子が悪いと気付いてながら修理しない。その結果悪化して他まで壊れる。」という典型的なパターンです。
修理費用も早期であれば「スプリング代」だけでしたが、クラッチシュー代(車両によってはクラッチASSY丸々交換)とベル代も必要となり、
金額も「非常に高く、痛い額面」になるのです(T_T)。

そいうわけで「おやっ!?」っと思ったら早めに検査や修理を行う方が良いでしょう。(^^)ノ