発見が常識を覆す、覆った常識が時代を変える、変わった時代が人間と政治を変える

政治は知恵を出せ
政治家よ常識を変える発見をしろ
政治家よ時代と人間を変えろ
政治は誰にでも出来る物ではない

第23 話 弟・難斗米(なしめ)の回想

2007年11月01日 | Weblog
 船は追い風を受けて快調に九州へ!
船の揺れが心地よい、難升米は睡魔に襲われた。
深い深い夢の世界に落ちていった。

「ね~さ~んまってよ~」
幼い姉と弟が丘を駆け上っている。
丘の上をやわらかい風が吹いて、足元の野花を揺らしている。
頂に登りついて、登って来た方を振り返った。
「わ~~!すごい!」
「海だ~~」
声をそろえて、叫んだ”
周防灘が一望していた。

そして、姉の結婚式、父と母の懐かしい顔が見えた。
うれしそうな姉の顔と対照的に涙を見せる父。
そして、姉の娘、可愛かった。
さらに、義理の兄と娘の死。
姉の憔悴しきった顔。
その後、追い自殺。
しかし、不思議なことだった。
入水後みんなで必死で姉を探した。
やっと、川下で姉を発見した。
しかし、この時には姉の心臓はすでに止まっていた。
川辺で確かに死んでいた。
俺も姉の死を確認して泣いた。
泣きながら、姉の遺体を一人で担いで家まで帰ってきた。
通夜を一人で、涙とともに過ごしていた。
その時に、息を吹き返した。
奇跡としか言いようが無い。
死んだ人間が生き返った。
いやいや、死んでは無かったのだ。
 今度は女房の顔が浮かんできた。
「あんた!私と姉さんとどっちを愛してるの!
姉さんの傍にべったりと、いつもいつも”」
女房のやきもちで喧嘩になった。
「馬鹿な事を言うな!、姉と女房との愛を一緒にするな!
姉はな、少女のような心なんだ
神から頂いた才能を維持するために、面倒を見てるんだ。
もし、姉に好きな男が出来たら、この不思議な力失うだろうし
この女は俺のものだと言われたら、仕方が無いではないか
そうなれば、明日から俺達の生活はどうする。
おまえ、考えてるのか?」
そういえば、不思議だ!!
姉の性格が、あの日を境に正反対になっている。
勝気で、強い心が、実にもろくなっている。
不思議だ・不思議だ・不思議だ・・・・・・
深~い眠りに落ちた




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