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(部員メモ)オバマ大統領来日の夜に、“逆輸入・国際政治学者” は何を想うのか

2014-04-23 | プロフィール

gacco事務局のある東京都港区界隈は、物々しい検問所が多数設けられています。


今夜から、オバマ大統領が来日するからですね。

 

各種報道によりますと、オバマ大統領は、日本には2泊3日の短期滞在をし、その後は訪韓ということで、日米関係、そして日中関係、日韓関係と絡み合ったバランスに何らかの変化をもたらそうとするもののようです。

シリアやウクライナ問題も抱えた中、ここでアジア外交を成功させないと、米国内での威信にも影響を及ぼしかねない・・・という思惑もあるようです。



いつになく堅いイントロでスタートしましたが、放送部(仮)の青木です。


前回のエントリーでは、「夫婦喧嘩解消に(も)役立つ講座」としてご紹介しました、早稲田大学 栗崎周平先生の講座ですが、本論、主題は、夫婦喧嘩ではなく、まさに国際安全保障のメカニズムを探る講座です。

 

今回のような、外交が、なぜ、何を意図して行われるのかを、また、一国とではなく、複数国間をまたがるパワーバランスが、どういったメカニズムで成り立っているものなのか、または崩れる可能性を秘めているのか、これらのパズル(謎)を、ゲーム理論や過去の事例検証をもとに読み解いていこうという講座です。


私は、役得で撮影立会いを通じて一足先に受講させていただいたわけなんですが、受講以前だと、要人の来日があったとしても、「2泊3日の来日で何の交渉・意思決定ができるんだろうか。。都内の交通が乱れるな。。」ぐらいに思っていたのですが、今はちょっと進んだ考察が、まぁ、考察まで言うと少々おおげさですけども、関心をもって、その利害各国の利害関係者の思惑を感じ取ろうという姿勢が備わりました。


ところで、栗崎周平先生。 

国際政治学者、大学教員としては、ちょっと異色のご経歴です。


日本の大学を卒業後、渡米されUCLA等を経て、テキサスA&M大学政治学部助教授を経て昨年(2013年4月)に早稲田大学に着任されました。


勝手に、「プロレスラーのようなタイトル」(例: “燃える闘魂 アントニオ猪木” )を付けさせていただくと、、、

“逆輸入・国際政治学者 栗崎周平”です。


栗崎先生の授業を受けていると、何度か不思議な気持ちになりました。


「あれ、俺は今、どの国で、ナニ人の先生の授業を受けているんだろう?」というような。


多彩なボディアクションを交えた情熱的なお話しぶり、ネイティブレベルな英語の発音、圧倒的スピード感もありますが、おそらく長い海外経験で感じた生活者としての肌感覚も含め、そもそも、研究・講義で究めたいもの、伝えたいものの視座が違うんだろう、と思います。


よくテレビ番組で「政治学コメンテーターさん」がおっしゃるような、「私たちの日本は~」、「我々のいるアジアでは~」、「現在の日本国憲法では~」、「日本はこのままでは~」という、「ニッポン ・ 一人称」が無いんです。

きわめてグローバル観点、客観的、論理的。


「その手の政治学コメンテーターさんの話しっぷり、論調はそもそも苦手」、という方(私!)でも、この栗崎先生の講座は、スッと入ってきますよ。

 

栗崎周平先生の頭の中では、今回のようなオバマ大統領来日の機会に、いろんな理論が、仮説が飛び交っていらっしゃるんだろうなと思います。

 

こんな感じで、

「ガリレオ」の湯川学准教授(テレビドラマ)みたいな感じで。

(画像は「国際安全保障論」のプロモーションビデオより)

 


さて、今日は、その“逆輸入・国際政治学者” 栗崎周平先生に、MOOCへの期待をインタビューさせていただいたので、こちらをご紹介させていただきます。
(オバマ大統領の来日への見解ではなく、6月に開講する講座の企画意図や狙いをうかがったものです)

 

* * * * *

 

--先日は長時間の撮影、お疲れ様でした。今回の「国際安全保障論」ですが、どのような人を対象に企画されましたか?

 

(栗崎周平先生)
特に具体的に期待する受講生の姿を想定しているわけではなく、高校生からリタイアされた方まで、広い層の方に受講していただきたいと思っています。

 

 

--この4月からは大学の授業でも取り上げられる講義内容と伺いましたが、大学の講義と比べて、どのような点に注意して作成されていますか?


(栗崎先生)
いろいろありますが、一つ挙げるとするとMOOCでは各回の講義を「一話完結型」になるように工夫してみました。大学の講義では、カリキュラムの中における「積み重ね」を前提とし、各講義でも各回の授業で積み重ねをしていくことを前提としています。
しかし、今回のgaccoで提供する講座は4週分の授業しかありませんので、4週の中で積み上げ型でありながら、各講義がそれぞれ、一話完結するようにしています。

 

 

--なるほど、たしかに撮影時に1コマ(10~15分)単位で理解が進み、Weekごとに知識が体系的に整理される、そして次のWeekでは、前のWeekで展開したものが発展する、集約されていく、そんな印象を受けました。
今回、gaccoのようなインターネットでオープンになる授業で、受講者に特に伝えたい内容は何ですか?大学の対面講義と異なり、特別に伝えたい事などはありましたか。


(栗崎先生)
2点あります。

1点目は、日本の安全保障環境や政策変更に関することです。昨今の集団的自衛権などに関する議論では、憲法や国内法に関する整合性などといった「内輪」の議論が支配的です。

このような大きな安全保障政策の大きな枠組みが、東アジアの安全保障環境に与える影響や、国家安全保障に実際に資するのか、そうでない場合もあるならばそれはどのような条件でなぜ資するのか、というより根本的な議論がなされていないと感じます。

そこで、この講義が、そのような議論への分析の枠組みを提供できるならば、日本の教育界・学習環境への影響というMOOC全体の大枠の目標だけではなく、MOOCで「安全保障」に関する講義を提供する意義があると思います。

このように各講義の受講者が、その受講・修了することで、実際に社会に影響を与えるという「実益」があることが、MOOCという「システム」が成功する鍵の一つになるだろうと考えます。

その意味で、やはり「多様な人々」に受講してもらいたいという1つ目のご質問への回答にもつながっています。

 

2つ目は、日本の国際政治研究や、国際政治学に関する大学教育は、質が必ずしも良くない、という印象を(海外から)持たれているようです。

現在の国際政治研究の最新の研究成果に基づいた講義を提供しているので、時代遅れの国際政治学の授業をしている大学の先生やそういう授業を受けている日本中の大学生、そういう授業を受けて卒業してきた社会人の方々に、私の講義で提供するような分析的アプローチができることを知ってもらいたいという「野心」はあります。

 

 

--早稲田大学様も独自でインターネット授業配信をなさっていますが、こちらとの差別化はありますか?

 

(栗崎先生)
講義内容の「提供」という意味では、特にはありません。ただ、大学の講義では、閉ざされた環境で、割と画一的な学生を対象に講義をする一方で、MOOCでは受講者のバックグラウンドにより大きな多様性があります。

これが翻って、大学教育や学問のあり方にも、間接ながらもよい影響が出てくるかもしれない、という点で講義の「提供」ということでは特に差別化はしていないが、異なった「効果」が生まれるかもしれないという意味での差別化はあるかもしれません。

 

 

--なるほど。「発信されるもの、インターネットという媒体は同じ」でも、「受容されるものは受け手で異なる」と。そうすると、「受容者にもたらす効果」も違えば、「発信元である教員や大学にもたらす効果」も異なる、と。たしかに、先行で4月から開講している、東京大学 本郷先生の講座のディスカッションボードでの盛り上がりを見ているとそれを感じます。高校生、社会人、リタイアされた方、というクラスタでも違いますし、その主題に何を求めてやってきたかというスタンスでも受け取り方が実に様々です。
それでは、大学での講義に、具体的にはどのような影響があると思われますか?

 

(栗崎先生)
先ほどお答えした以外に、「MOOCというシステムが求める、講義のあり方」があると思います。つまり、「相互採点」(*1)や「反転授業」(*2)です。

「反転授業」では、従前の大学講義が一方的な「知識の伝達」であったわけですが、MOOCが広く浸透すると、大学講義の「知識の伝達」という役割は薄れ、「知識の創出」という、大学がそもそも「学者集団」であるという側面が、その存在意義として役割が増すようになるかも知れません。

アメリカの大学に比べて日本の大学、特に文系では、学生の研究への参画が非常に弱いと感じます。座学での知識の吸収をMOOCで行えれば、知識の創出などにより多くの資源を割くことができます。

もう一つの、「相互採点」では、学生がお互いに学びあうという点がクローズアップされるようになると思います。米国との比較で申し訳ないのですが、批判を相互にするという文化が弱いと思います。これがないと、議論が下手になってしまいます。まず他の学生の評価を受けることで、批判に対する耐性、そこから多様な意見を学ぶ力、優秀な人の仕事を真似る作業、また自らの理解の深化を図ることができると思います。

相互採点は、「教える」プロセスの一部でもありますが、何かを学ぶための最も効率的な方法の一つが教えることです。

また、日本の大学はマスプロ(*3)が多いので、教員の負担を増やさないために、学生から勉強する機会を奪っているとも言えそうです。要するに課題が少なすぎるのです。これを相互採点というシステムを入れると、ウィン・ウィンの効果があるため、大学の講義でも導入すべきだと考えています。

 

*1「相互採点」 講師が採点するのではなく、一定の評価基準に基づき、受講者同士で採点すること。大人数が受講する中で、運営効率が高まるだけではなく、受講者他の受講者のレポートを採点することで、自分とは異なる考え方に接したり、新たな気付きを得たりすることができる。

*2「反転授業」 講義動画の視聴や宿題で基本的な内容を学んだ後、対面授業において講師の指導の元、発展的な指導を受けたり、他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業のこと。

*3「マスプロ」 =マスプロダクション(大量生産)。大教室での講義が多いこと。

 

ぜひお楽しみにご受講ください。

 

 

■『国際安全保障論』(6月16日開講)無料受講受付中!
https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga003/2014_06/about


■好奇心の扉は、1分で完了する会員登録から開きます。
https://lms.gacco.org/register

 

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