診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

ごちゃごちゃになってますね!

2020年11月18日 | 新型コロナウィルス

気温が下がり冬の到来が間もない今日この頃、コロナ感染症が息を吹き返したかの勢いで感染拡大を引き起こしている。急激な増え方はやはり気の緩んだ食事関係の場所での感染が大きな原因であると考えられる。何度も繰り返すようだが、感染するのは感染者がマスクを外している時である。要するに、食事をして15分以上 会話をしているときである(大きな声ならその時間は短縮される)。特に狭い食事処や居酒屋、カラオケ店がこの原因の殆どと考えられる。ここで感染した者が、自宅で家族にうつし、職場で同僚にうつし拡大しているのである。いくら店がアルコールを置こうが、仕切りを置こうが無駄な努力と思われる。申し訳ないが、これらの店が閉じない限りコロナの収束はないと考える。飲食店以外であれば皆マスクをしていることが多く、大きな声で長々と話しをすることもないので、そこが3密であっても感染する確率は非常に低い。最近、部屋の換気が大事だ、空気清浄機や除湿器が効果的だと言って、家庭用の空気清浄機、除湿器がすごい勢いで売れているといった誤った社会現象が起こっている。クリニックをはじめ、大勢の人が集まる空間ではその対策は間違いでないが、なにも個人の家で頻繁に窓を開けて換気するとか、空気清浄機を買ってきてコロナ対策をするなど何を考えているのか、もはやコロナ対応に対して、考えがごちゃごちゃになってしまっている。コロナは空を飛んできませんよ。家族がコロナに(無症状)感染して自宅に帰ってきたら、もうその時点で残念だがアウトですよ。換気しても、空気清浄機を使っても、家の中でもマスクを装着し続けない限りは、テーブルに向って会話し、食事し、洗面所、トイレなど共同生活をする限り、全く意味のないことである。一般的に、感染して2日間は無症状。3日目より微熱や咳や咽頭痛など何らかの症状が出だすが、もうこの時は既にコロナウィルスをまき散らしている。Go to トラベルはさほど問題ないが、Go to イートは店の規模、内容によっては最悪である。どこで感染してきたかなんて最初の2日間は無症状なので誰もわからない。兎に角、マスクを外した者との接触は避けるしかなく、家族を含むマスクなしの人間と接触する場合は、ある程度感染の覚悟をしておくべきである。クリニックでは毎日 7080 人の患者さんの診察を至近距離で聴診器を当て、マンシェットを巻いて血圧測定を行っているが、皆さんがマスクをしてくれているので全く感染の心配などしていない。但し、咽が痛いといった患者さんの診察は本来口を開けてもらってペンライトで咽喉頭部を覗いて診察をするのだが、これはできない。問診だけの診察になる。時々、マスクを忘れて来院される方にはマスクを受付で購入して頂いている。高齢の方は礼儀と思い、診察室に入るや否やマスクを外す方がおられる。慌てて、装着して頂くよう指導させてもらっている。マスク装着下でのソーシャルディスタンスなんて意味がない。もう、皆ごちゃごちゃになってますね。コロナウィルスは金属やプラスチックに付着した場合、約3日間は生存しているが、人の皮膚に付着した場合は約 9 時間で不活化してしまう。但し、アルコールに 15 秒浸されると完全不活されるという報告がある。学校で感染者が出たと慌てて下駄箱から教室、ありとあらゆる場所を防御着を着て消毒を行っている光景をテレビ越しに見たことがあるが、どうせ休校にするわけで、45 日何もせず放っておけば、勝手にウィルスは不活化して感染できなくなる。なのに、感染能力のある時に防御着を付けているとはいえ、火の中に飛び込むようなバカなことを何故しているのか頭をかしげたくなる。考えがごちゃごちゃである。