はじめに

詩とは心に感じたことを一定のリズムと形式にあてはめ、言葉で表したもの。絵画は、基本的には、線や色彩を用いて、物の形や姿を平面上に描き出したもの。とあります。
『一枚の絵画と詩』という題をつけましたが、毎回、私自身が気になった一枚の絵を紹介するという形です。読者はその一枚の絵を見て、それぞれの思いや感想が浮んでくると思います。十人十色ですので、私の添え書きは、そんな思いもあるのかと受けとっていだければと。『一枚の絵画と詩』ですが、一枚の絵には、言葉はついていませんが、その一枚の絵は、私にとっては詩的だなと思ったという意味で、詩という言葉を使わせていただきました。
それでは、『一枚の絵画と詩』の紹介です。
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『横たわる詩人』 1915年
マルク・シャガール(1887~1985)

ポーンド国境に近いロシアの町ヴィテブスク。シャガールの作品にはたびたびこの故郷ですごした幼いころの生活の記憶が織りこまれているといいます。
横たわる詩人の向こうには、馬とブタがいて、どこかの森のなかの一情景のようです。腕を胸に組み横たわる詩人は、安らかな自然に包まれ幸せな夢を見ているのでしょうか。
緑の牧草地に、横たわる詩人。自分も、ときどきそんな気分になって、現実の何気ない生活のなかで、素敵な絵画との出会いを紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
< 一枚の絵画と詩>