Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

ダーラムに住むという事

2018-01-01 20:49:44 | 授業紹介

僕は限界を感じていた。

「このままではダメだ、いつまで経っても筋肥大が期待できない。何の為にゴールドジム(浦安店)に通っているんだ・・・。」

 

僕なりに問題の原因を分析した結果、以下理由が考えられた。

 1.   仕事に時間を取られてしまっている
 2.   筋トレ知識の欠如
 3.   良質且つ低価格なプロテインが不足

緻密なる調査と熟考を重ねた結果、以下が打ち手として固まりつつあった。

 

仕事に時間を取られてしまっている

⇒退職する

 

筋トレ知識の欠如

⇒MBA留学 (Muscle Building Association)

 

良質且つ低価格なプロテインが不足

⇒プロテインの本場アメリカに渡る

 

これら全てを勘案すると、米国でMBAを取得するという一つのゴールが見えてきた。

MBA (Muscle Building Association)で筋肉に関する知識を身につけ、ベンチプレスも更に高重量を挙げられるようになって帰国、その後日本でジムを運営し・・・等と妄想しているうちに気付くとGoogleで「MBA」と検索し、そのまますぐに願書を提出している自分がいた。

 

エッセイに筋肉に関する質問が全くないので若干不安だったが、なんとかDuke Fuquaに合格する事が出来た (面接のWhat’s your weaknessという質問に「上腕三頭筋」と正直に答えたのが評価されたとのだと思う)。

 

期待と不安を胸(大胸筋)に渡米し、すぐにAmazonでプロテインを購入して学校初日に向けて準備を整えた。

 

学校初日、颯爽と投稿し、オリエンテーションで一つおかしい事に気づいた。

 

 

Duke Fuquaまではいい、ただその下にSchool of Businessと書いてある。

 

School of Muscleじゃないのか?どうなってるんだ?君が最近集中的に鍛えている部位はどこなんだ?と周りに聞くも、ここはどうやらMBAでもMuscle Building Associationではなく、Master of Business Administration、即ち経営学修士を取得するコースだったようだ。

 

なんてことだ・・・家族が数か月後に渡米してくる今となっては勘違いだった、なんて絶対言えない。

不安を打ち消すように、大学のジムに行きマッチョに囲まれながらひたすらベンチプレスを挙げる事しか出来なかった・・・・。

 

  

このブログ読者の皆様が斯様な間違いを犯さぬよう、上記を共有させて頂く。

(続かない)

 

――――――

 

冗談はさておき、学校選びで非常に重要視したのが家族の生活環境でした(妻と子供1人)。

治安がいい、寒すぎない(降雪地域じゃない)、自然が多い、の観点でFuquaが在るDurhamは最高な場所だという結論に至りました。

 

最近授業の話等が多いので、「家族」という観点で学校を探されている方向けにその辺のお話をさせて戴きます。

 

①   Preschool

娘をPreschoolに通わせています。以下写真のクラスルームに10人くらいと朝8時から夕方4~5時頃まで共同生活を送っています。

当初は言葉が通じないから大変じゃないか、先ずは週3日x半日のほうがいいのでは、等と懸念していましたが、帰ってくるなり「もっと行きたい!」と娘に言われ、娘も非常に楽しんでいます。

英語も徐々にではありますが単語が少し分かるようになってきているようで、良いPreschoolが他地域と比べて安く済ませられるのは非常に助かります。

 

(クラスルーム)

 

(Thanksgivingのお食事会)

 

②   休日の過ごし方

近くにMuseum of Life and Scienceという博物館/公園があり、お金を払って入場する必要がありますが、色々な施設を使う事が出来ます(年パスが安く買えるのでお得)。

 

同じくFuquaに在籍しているご家族を誘い、子供たちが仲良くアスレチック公園でひたすら身体を動かし、科学博物館エリアで頭を動かし、お腹が空いたら持ってきたお弁当を一緒に食べる。

ああ、Fuquaにしてよかったなと思う時間でもあります。

 

(アスレチック公園)

 

(科学館)

 

 (ランチタイム)

 

公園以外にも様々なイベントが定期的に開催されるので、それらを活用すれば退屈する事もありません。

この間Disney on Iceが開催されたので観に行ってきました。娘以上に妻が興奮し、大満足でした。

 

 

(イベント後)

 

このように家族の住みやすい環境が整っている最高の場所がDurhamにはあります。

また都会と違って誘惑も少ないので、自分のやりたい事に打ち込む事が出来ます(学業、筋トレ・・etc)。

 

よかったらDukeへの出願を検討してみてください!

 

by 一年生のMO


私にとってのFuqua, MBAの価値

2017-12-18 08:14:03 | Life

こんにちは、2年生のYTです。Fall 2も終わりに近付き、MBA生活も残り5カ月となりました。最近、「MBA生活、アメリカ生活もあとわずかか…」と感慨に浸ることが多くなってきましたが、それと同時に「MBAは自分にとって価値があったか?Fuquaに来てよかったか?」と考えることも多くなりました。本来MBAの価値についてブログで語るのはMBA卒業間近にすべきことなのかもしれませんが、卒業が近付くと想い出が美化される可能性もありますので(笑)、卒業を5カ月後に控えた今というのがいいタイミングなのかなと思いますし、このブログを残りのMBA生活をよりintentionalに過ごす契機にしたいと思います。

 

なお、私は日系金融機関からの社費派遣です。従いまして、「転職して給料がアップするので、授業料や2年間の機会費用(給料が貰えない)を考えても数年間でpayする」といったROI系の話ではなく、純粋に“学び”という視点で私にとってのMBAの価値を考えてみたいと思います。

 

1 MBA志望動機について

・Essayで書いたかどうかは別にして、私の本音ベースのMBA志望動機は以下の通りです。

 

①銀行での事業再生の経験を通じて、自身のスキル不足を痛感。経営全般にかかる知識を体系的に習得し、自身のスキルアップを図りたい。

②受験英語は苦手ではないが、純ドメであり英語でのコミュニケーション力は著しく不足。勤務先は日本有数の機関投資家として海外に広く投資しており、今後を見据えて英語をビジネスレベルまで引き上げたい。

③元来保守的で自分の殻に閉じこもりがちなので、厳しい環境に身を置くことで人として、ビジネスマンとして成長したい。

④大学時代部活に明け暮れて一切勉強しなかったことを後悔(笑)仕事に役立つことを社会人という立場で目一杯勉強したい。

 

・日系企業においてはMBAが昇進等において評価されないことが多いと思いますが、私の尊敬する優秀な先輩も「MBA取得を考えたけど、社内で評価されないから」という理由でMBAを取得しないという選択をされました。私自身、MBA取得自体が評価されるものではないという点については百も承知でしたが、「他人に評価されるかされないかという部分に軸を置くのではなく、自分自身が成長できるかできないかという部分に軸を置きたい」と考え、MBAに行くのと行かないのとでどちらがより成長出来るか、という点を考え、MBA取得という選択をしました(なお、どちらがより成長出来るか、というのは個人の価値観によりますので、MBAを取得しないという選択をされた方を否定するものではありません)。

・なお、Fuquaについては、general management全般に強いことに加え、チームワークを重視する校風で名高いことから、経営全般にかかる知識習得、英語力・ソフトスキルの向上という面で自身のMBA志望動機と合致していたことから、進学を決めました。

 

2 実際にMBA生活を送ってみて感じたこと

・上で書いたMBA志望理由を、①ビジネス知識習得、②英語力向上、③ソフトスキル(リーダーシップ、思考力 etc)向上、④勉強欲(笑)、と簡記させて頂くと、この全てを満たしてくれたというのが正直に思う所です。特に④については、受験生時代を含めて嫌というほど満たしてくれました(笑)②の英語力については、自分の英語は本当に下手くそで2年間では全然足りない、生涯学習が必要、と気付いた点が一番の学びだった気もします。

・一方で、①、②、④はMBAの本質的価値ではないのではないか、という気もしています。

 

①ビジネス知識習得:strategy, marketing, finance, accounting, operation, economics, statistics…と沢山の知識を学び、とてもためになったのですが、MBAの本質的な価値なのか、と問われると違う気がしています(自分のMBA留学の主目的は、①だったのですが)。MBAに来た方が効率的に学べる、という点は否定しませんが、これだけ専門書やオンラインコース等が出回っていますので、本当にやる気があればMBA留学をしなくとも日本で仕事をしながら学べるのではないかと思います。従って、MBAで学んだ知識をその後の仕事でapply出来る場面があったかどうかをもって「MBAは役に立たない、価値がない」「MBAは役に立つ、価値がある」というのは、個人的に少し違和感があります。

 

②英語力向上:MBA留学をした方が英語力を伸ばしやすいとは思いますが、英語力を伸ばすということだけであれば、海外赴任であったり、その他の留学であったり、日本で死ぬほど会話の練習をしたりすれば代替出来ないことはないのかなと思います(自分が出来る自信は全くありませんが…)。

 

④勉強欲:論ずるまでもありません(笑)

 

・というわけで、私は③ソフトスキル向上、が私にとってのMBA留学の本質的価値なのではないかと思っていますので、項を改めて記載します。

 

3 MBAの本質的価値について

・私が思う仕事が出来る人というのは、i)人間的に素晴らしい方、ⅱ)協調性がある方、ⅲ)決断力があって頭のキレる方、なのですが、FuquaでのMBA生活はどの点についても自分に大きな学びを与えてくれました(自分が現時点でi), ⅱ), ⅲ)を満たしているとは口が裂けても言えませんが…)。

 

i)人間性:正直に申し上げて、私の人間性は特段優れてはいません。日本での大学時代は、外国人留学生には見向きもしませんでしたし、会社に入って同じ課で仕事をしている後輩がいても「何でこんなこと出来ないんだろ?自分でやってしまった方が速いな」と思っていたりしました。但し、留学をしてminorityの立場に置かれ、言葉の壁があっても自分の意見を言わないと生きていけないMBAという環境に置かれて初めて、“やろうと思っていても出来ない”ということがどういうことか分かりました。そして、今までの自分がどんなに小さく、一人よがりな奴だったかということを痛感しました。それと共に、そうした私のことを気に掛けてくれるチームメートに接し、「自分が逆の立場だったらここまで出来るだろうか?」「自分もこういう人間、リーダーでありたい」と思うようになりました。これは私の場合ですが、海外赴任をしてもそこでのmajorityは日本人であるためこうした学びは得られなかったのではないかと思いますし、海外で多くの外国人との本気のinteractionが求められるMBA留学だからこそ気付くことの出来た学びなのではないかと思っています。

 

ⅱ)協調性:留学前は、“自分自身の能力を高めること、自分の主張を通すこと”に傾注しがちでした。チームで仕事をするということはあまりなく、銀行特有の稟議というものが上司、その上司に上がって行って最終的に決済が下りる、という“縦の仕組み”に慣れきっていました。自分の提出したA案に対し上司がB案を提示してきたら、A案が何故B案より優れているのかを説明することに躍起になっていましたし、最終的にB案がチョイスされた場合には、最初からB案を提示できなかった自分の理屈不足を嘆いていました。しかし、留学を経て考え方が変わりました。Fuquaでは、全ての授業においてチームワークが徹底され、”Diversity”こそがチーム・組織を強くする“ということを理論・実践をもって学びます。前までは自分と他者を比較し、どうにかして他者を上回ることを考えていましたが、他者は自分がどう背伸びしても適わない強みを持っていること、そうした強みを持つ他者と自分が協力すればさらに素晴らしいものが出来ること、を学びました。自分がA案を提出し、上司がB案を提示してきたなら、互いの案に固執することなく補完し合うことでよりよいC案に辿り着くことが出来るのではないか、と思うようになりました。既にチームワークが徹底している上にinternationalな環境にいらっしゃる方にとっては本質的価値にはならないのかもしれませんが、私自身はチームワークを重視するFuquaのMBAプログラムに来て本当に良かったと思っていますし、チームワークについて身をもって学べたことは私にとってFuqua, MBAの大きな価値の一つです。

 

ⅲ)決断力・思考力:私は、大量に記憶したものをペーパーテストで正確にアウトプットする、という日本式教育に慣れきっており、“答えのない問いに対して自分なりの理屈を立てて他者に対して論理的に説明する”ということが苦手だと感じています。ⅱ)で自分なりの理屈を立てて…、と書きましたが、それは前例踏襲の部分が大きかったり、限られた論点だけ見て理屈を立てればよい、というような類のものでした。しかし、今後会社の中でポジションが上がり、マネージャーとして種々の判断をしていく上では、より大きな視点を持って考え決断する能力が求められると思いますので、こうした思考力・判断力を磨きたいと考えていました。この点において、MBAのケース分析は、“自分が経営者ならどうするか”という大きな視点で自分なりの判断を下し、それを理屈立って説明することが求められますので、思考力・判断力養成のトレーニングとして大きな意味をもっていると思います。ケース分析は時間が掛かる、takeawaysが分かりにくい、実際のビジネスと異なる、等の批判はありますが、限られた情報の中で判断を下すトレーニングとしてはとても優れていると感じます。さらにFuquaでは、どの授業でもチームアサイメントが課されるため、授業外の場面でも“自分ならどうするか”という意見を持つことが常に求められます。仕事でも頭を使いますし毎日何らかの判断は下しますが、“経営者の視点、大きな視点で自分なりの判断を下す”というトレーニングを毎日大量に積めるのはMBAの大きな価値の一つだと思っています(因みにFuquaはケースメソッドで有名という訳ではありませんが、多くのケースメソッドの授業を提供しています)。こうした思考力・判断力養成のトレーニングは、ⅱ)で述べた協調性と相俟ってさらに力を発揮するのだと思います。

 

4 最後に

・大変長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。MBAのその他の価値としてネットワークもあると思いますが、留学前の動機としてあまり重視していなかったことに加え、私にとってはソフトスキルの面が大きかったので割愛させていただきました。但し、C-Leadのチームメンバーを含め、自分の強み・弱みを含めて全てを理解している色んな国の友達を持てたことは、自分にとってMBAの大きな財産です。

・社費派遣の私にとってMBAに来た意味があったかどうかを考えるということは、“MBAに来て得たもの”と“MBAに来ずに働いていたら得たであろうもの”を比較することに他なりません。働いていたら得たであろうものを想像することは難しく、この比較は非常に困難なのですが、単純に短期的に一つの仕事(企業融資 等)を極めることだけを考えればMBAに来ずに働いていた方がよい気もします。また、MBAに来て、自分がアメリカ人と勝負出来るのはfinance, accountingの知識やチームの議論の流れをまとめる部分であると思いましたが、そうした知識・能力は実務によって培われたものであり、MBAに来ることによって逆に実務の重要性を痛感したりもしました。但し、そうしたことを踏まえても、やはり自分はMBAに来て、Fuquaに来てよかったと心から思っています。FuquaのMBAは、言葉では表しづらいのですが、今後仕事をしていく上で、人を率いていく上で重要なことを教えてくれたと思いますし、そうしたものは今後ビジネスマンとして働いていく自分を長期的に支えてくれるのだと確信しています。

・MBAに何を求めるかは人それぞれ違いますし、MBAを目指すも目指さないも、MBAに価値を感じるも感じないも人それぞれだと思いますが、是非一人でも多くの方にFuqua Communityの一員になって頂ければ幸いです!私は、残り5カ月間の留学生活を全力で過ごしてさらに学びを大きくしたいと思いますし、卒業後に留学での学びを活かせるよう、全力で働きたいと思います!!


Duke大学MBA インフォセッション(Webinar) 12/17(日)開催

2017-12-01 12:43:37 | MBA受験

Duke University's Fuqua School of Business の在校生によるインフォセッション(非公式)を開催いたします。

当日は、簡単なパネルディスカッションに加えて、皆さまからのご質問にお答えいたします。

登録用の事前フォームをご用意いたしましたので、授業、生活環境、試験対策、キャリアプラン等、どんな質問でも構いませんのでお気軽にご質問いただければと思います。

2ndラウンド直前でお忙しいことと思いますが、Dukeに出願される方、これから受験校を検討する方、幅広い皆さまにご参加いただければ幸いです。

 

日時: 12月17日(日)10:00 - 11:00 am *日本時間

 

ご質問&緊急連絡先のご登録:

事前に在校生に聞いてみたい質問を募集いたします。下記のフォームよりご登録いただければ幸いです。

当日の緊急連絡先もご登録いただきますと、我々から何か不具合等発生した際にご連絡いたします(任意)。

 

Surveyへのリンク: こちら

 

アクセス方法:

WebEXを用いて開催いたします。

当日は下記Linkにアクセスいただき、パスワード(下記参照)を入力してください。

 

WebExへのリンク:こちら

Password: fuqua

 

*Link先でWebExアプリのインストールを求められる場合があります。

 

もし上記に関してご質問等ございましたら下記までご連絡ください。

 

fuqua-japan@googlegroups.com


Healthcare Conferenceについて

2017-12-01 11:57:48 | Health Sector Management

FYのJです。Fuquaでは、11月から翌年2月にかけて、Professional ClubやDiversity Club主催のConferenceが多く開催されます。今回は、その中でDuke Healthcare Clubが 主催したHealthcare Conferenceについてご紹介します。

Duke MBA Healthcare Conference は15周年を迎える伝統ある行事です。今年はDaVita Medical Group のCOO をはじめAmgenや UnitedHealthcare Groupといったヘルスケア関連企業からのゲスト、Health Analytics Platformの起業家、Life science にフォーカスしたベンチャーキャピタルの共同経営者ら十数人をパネリストに迎え、Finding a Niche – The Rise of New Entrants in Health Care and the Incumbent Response –というテーマでディスカッションが行われました。

 

各種Conferenceに参加する大きな意義として、関連する業界の第一人者から最もホットなトピックについて話を伺うことができ、多様な観点からの見方を併せて聞くことでトピックについて横断的な理解が得られるという利点があります。この日のConferenceでも、技術革新と米国の医療制度改革の波間で生まれている多くの事業機会について、ベンチャーのアプローチや既存企業のアプローチ、患者にとっての付加価値の視点、医療従事者の視点など、多様な文脈から充実した議論が交わされました。

例えば、高齢化の進む米国では、社会保障コストや医療費負担の増大を背景に、治療のコストよりも患者にとっての治療上の価値を基礎として診療報酬を決定する枠組みへの移行が模索されています。近年の医療制度改革と同様、このような枠組みの転換は新技術や新薬の収益性に大きく影響を与えますので、企業の側も変化を見越した対応を迫られることになります。ヘルスケア領域のベンチャーにおいては技術革新の機動性(Nimbleness of innovation)や柔軟性がより一層重視されるようになりました。また製薬業界等の既存企業にあっては、研究開発の加速とリスク分散の観点から、意思決定を委譲する分散型の企業構造が多く志向されているという変化があります。

Conferenceの後には参加企業と学生の交流会が行われました。Conferenceの企画には関連する専攻Health Sector Managementの教授陣も加わるものの、基本的には学生が主体となって運営されています。カリキュラム外で専攻や業種を超えて知見とネットワークを広げる機会が数多くあるのは、Fuquaのコミュニティの特徴です。MBA入学後のプランを練られている皆さんには、ぜひConferenceというユニークな学びの機会を活用されることをお勧めします。

 

参考: https://www.fuquahealthcareconference.com/

 


ISBとGI ~2つのPre-program~

2017-10-01 17:01:07 | 授業紹介

はじめまして、FYのYNです。

7月のプログラム開始後3カ月が経とうとしており、Fall 1の授業に加えて、人それぞれの課外活動(リクルーティング、クラブ活動、イベント、ケースコンペティションなど)の負担も増えつつあり、スピード感が増すばかりの毎日を送っています。

振り返れば、Fuquaのプログラムは7月のInternational Student Bootcamp (これまでLanguage Instituteと呼ばれていたもの)と8月のGlobal Instituteで始まりました。この記事では、これら2つのユニークなプログラムについてご紹介したいと思います。

International Student Bootcamp

この授業には、英語が母国語でない、または高等教育を英語で受けていない学生が50名(注:Fuquaの1学年全体は450名弱)ほど集められました。他校でも語学プログラムの位置づけで秋学期授業の開始前に短いプログラムを設けることがあると聞きますが、Fuquaではこのプログラムが慎重にデザインされており、単なる語学力向上効果を超えたユニークさがあったと思います。私は特に次の2点について感心しました。

①                 同級生・ファカルティ間の交流の促進

例えばプログラムの一つとして、「他学生全員の前で同級生1人を紹介する」というものがありました。これだけでは当たり障りのないように聞こえるプログラムですが、最大限の効果が出るよう巧みに運営されています。一義的には同級生全員の人となりを細かく確認でき同級生の交流を促進する良い機会ですが、私が「巧みに」感じたのは、こうしたプログラムでも常にファカルティ(Fall 1の必修科目「Leadership Communication 1」のファカルティを含みます。)が学生を細かに観察・指導している点です。例えば私が同級生を紹介する様子は、3-4人のESL(English as Second Language)やコミュニケーションの専門家から観察され、発音やコンテンツの適切性、デリバリー方法などについて細かなフィードバック(手の動かし方や発言の「閉め方」等)を得ることができました。また、この「他己紹介」を指導くださったのと同じ方がFall 1の「Leadership Communication 1」も指導してくださっているので、自分の成長を継続的に見ていただけている安心感・信頼感があります。加えてESLの専門家については、Fall 1の今現在も個別指導を受けており、今後卒業まで継続して指導を受けられることになっています。ESLの専門家は、このISB期間中のコミュニケーションを通じて私の癖や授業での振る舞い等を熟知しており、今受けている個別指導の効果を大きく高めてくれています。

Fuquaは海外学生比率を高い水準で維持するなどしてDiversityを標榜していますが、これは数字だけの表向きのものではなく、細かなサポート体制で裏打ちしている点はユニークで素晴らしいものと感じました。

②                Fuquaの掲げる「Team Fuqua」の価値観への理解の深化

Fuquaはビジネススクールの中でも特に協調性を重視しており、そうした価値観を「Team Fuqua」と呼んでブランディングしています。このISBでは、「Team Fuqua」を機能させるために必要なフレームワーク、特にチーム員へのフィードバックについて教え込まれました。例えばプログラムの一つとして、20ページほどのケース(架空の事例を元に問題点や解決策を分析する学習方法)を題材とし、チーム(3-4名)で問題点と解決策につきプレゼンをするものがありました。これ自体はどの学校にも共通する一般的なものと思いますが、Fuquaでは一つ工夫を凝らし、山場であったプレゼン終了の翌日に3時間ほどかけてチーム員同士で互いの振る舞いについてフィードバックの練習をしました。セットとなる授業では、フィードバックにおける伝え方、フィードバックを受ける側の姿勢、フィードバックを考えるにあたっての評価項目が教えられます。特に私を含めたアジア人は、フィードバックを与えることを苦手としがちと思いますが、こうしたフレームワークの説明を受けて実践することで習熟が可能だということを学びました。なお、同様のフレームワークは、ネイティブスピーカーが合流した後も再び教示・練習されるなど、その重要性が繰り返し強調されます。「協調性の重視」を掲げる学校は多いですが、Fuquaではそれが決して表面的なものではなく、どの文化圏からの学生であっても共有できる価値観として存在させるべく、プログラムを巧みに構築していると感じました。

Global Institute

7月とは打って変わって、8月にはいよいよアメリカ人や英語を母国語並みに使える国際学生が合流し、一学年約450人が揃いました。オリエンテーションでは、今後苦楽を共にするセクション別に約70人ずつ6つに分かれ、また一年間必修科目で共にチーム課題に取り組むことになる6-7人のチームが発表されました。

Fuquaは、アメリカのトップビジネススクールの中でも特に国際学生の比率を高く維持しています。私のチームは、アメリカ人4人にベトナム人1人、日本人1名の構成です。皆優しくかつ熱心で、とても居心地よく感じています。

また、Global Instituteに先立つオリエンテーションにおけるDeanのスピーチは、熱が込められており鳥肌が立ちました。この分断の時代において、Fuquaは多様性のもたらす創造性の力を信じており、世界中から集まっている君たち学生にはこの価値観を重視する義務があるとおっしゃっており、国際学生の一人として改めて奮起させられました。

オリエンテーションが終わると、GIが始まりました。秋学期開始前とはいえ、GIでは単位の付与される授業が実施されます。名前が少々ややこしいのですが、Global Institute and Environment(「GIE」)、Leadership, Ethics and Organization(「LEO」)およびConsequential Leadership 1(「C-Lead 1」)の3つのコースが並行して行われました。

①                Global Institute and Environment

ビジネススクールの導入的授業にしては珍しいのではないかと思いますが、この科目では、政治と経済の制度(Institute)がどのように経済成長に影響を与えるかが取り扱われました。書籍”Why Nations Fail”(邦題:『国家はなぜ衰退するのか』)を基調とし、個別のトピック(例:インドのSEZ、アフリカにおける製薬会社の役割、中国の経済改革、地球温暖化対策、メキシコの収奪的制度等)についてはケーススタディで掘り下げていく方法がとられました。この科目がなぜ導入的授業に取り入れられているかについては想像するほかありませんが、やはりFuquaの価値観に関連しているのではないかと思います。Fuquaでは、多様性やスチュワードシップを重視しており、ビジネスパーソンこそ社会の一員として国際的な公共意識を持たせることを狙っているのだと理解しました。私は資源開発会社の出身ですが、まさに資源国の政治と経済の制度に無関心ではいられないと考えており、この科目を興味深く学べました。

②                Leadership, Ethics and Organization

タイトルのとおり、リーダーシップ、倫理および組織について、学術的な理論やケーススタディ、チームでの演習を組み合わせて学ぶコースでした(主眼はあくまでリーダーシップにあり、倫理と組織についてはリーダーとして知っておくべきことという切り口からまとめられている印象でした。)。リーダーシップ論は各校の色が出やすい分野だと思います。Fuquaでは、(この場では詳細を割愛しますが)独自のリーダーシップ論(Six Domains Leadership Model)を開発しています。

③                Consequential Leadership 1

Consequential Leadershipとは、Fuquaが重視するLeadershipの在り方です。周囲の人々や社会・環境に対してスチュワードシップを発揮し良い結果をもたらすことを目標にしています。この価値観を定着させるよう、C-Lead 1では様々な活動が用意されています。屋外でのアクティビティを始め、外部の分析会社を使った性格・志向性の診断結果の共有や、チーム・チャーター(今後のチーム課題の遂行方法や、チームとしてのゴール、プライベートの時間の確保方法等に関する決まり事)の作成などを実施しました。また、万が一チーム内で問題が生じた場合には2年生の助けを仰ぐこともシステム化されています。

こうした活動にはとても助けられました。上述のGIEおよびLEOで4つのチーム課題をこなしましたが、このC-Lead 1を通じてチーム内でのコミュニケーションが促進されており、チームの連帯感やモチベーション、生産性が向上しているのを実感しています。

また、チームメンバーとは建設的なフィードバックを定期的に実施できるように、月に二度ほど”Coffee Chat”をすることを合意しました。私もこの機会を利用して、私の振舞いの良かった点や悪かった点を聞き出しています。また、相手に対してフィードバックを与えることは予想以上に不慣れで難しいため、この練習という観点でも有益な機会だと感じています。

 

Fuquaでのこれまでの経験は、入学前の想像を超えていました。プログラムのどの部分を切り取っても、多様性のもたらす創造性の力を信じる理念、という一本の筋が通っています。これからの活動を通じて、自分がどのように変わっていくのか、非常に楽しみにしています。

(写真は国際学生の友人たちとのPotluck Partyでの一枚です。お好み焼きとカリフォルニアロールを持ち込みましたが大人気でした!)

 


Duke大学MBA 公式説明会のお知らせ

2017-06-26 21:23:46 | MBA受験

このたび、Duke University's Fuqua School of Businessが主催する公式学校説明会が東京にて開催されます。日本を担当する入学審査官が来日し学校紹介、アドミッションプロセスの説明を行うほか、Alumniや在校生とのQ&Aセッションなどを予定しています。Fuquaに少しでも興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください!

 

日時:2017年7月19日(水), 19:00 – 21:00

 

場所:品川シーズンテラス カンファレンス RoomC

http://sst-sr.jp/access/

 

ご登録:登録はこちらのURLよりお願いいたします。

http://www.fuqua.duke.edu/public/event.load/19365

 

<Duke 大学MBAについて>

Duke University's Fuqua School of Businessは、ヘルスケア、テクノロジー、ファイナンス、マーケティングなど幅広い分野で高い水準の教育を提供するビジネススクールで、特にTeam Fuquaと呼ばれるCollaborativeな校風に特色があり、リーダーシップ教育に非常に力を入れています。世界でも常にTOP10の地位を占め、ビジネスウィーク誌からはNo.1の評価を受けました。

Fuqua についてより詳しく知りたい方は下記もご参照ください。

Fuqua日本人サイト:

http://fuquajapan.com/


Japan Trekについて

2017-06-04 02:39:31 | 課外活動

はじめまして、1年生のYTです。怒涛のようにFuquaでの1年が過ぎて行きましたが、中身の濃い1年の中でも最も楽しく印象に残っているのがJapan Trekです。今回は2017年のJapan Trekについてお話ししたいと思います。

 

1 Japan Trekとは

Fuquaでは、学校が提供する正式な研修旅行(?)であるGATEがSpring BreakおよびSpring 2後に開催されます(参加は任意)。一方、その他にも学生が自主的に企画するTrekというものが存在し、人気のものですとIsrael Trek, Morocco Trek等があります。Japan Trekは、去年数年振りに復活し、今年が実質2回目でした。

Fuqua Japan Trek 2017の概要

○日程:3/6 (月)~ 3/14(火) (Spring Break中に開催)

○参加人数:日本人organizers5名、participants76名(2016年は合計30名弱)

○行程:東京⇒箱根⇒名古屋or奈良or京都⇒京都⇒広島⇒大阪

 

2 Japan Trekに参加した目的・理由

International Student Bootcampが始まった頃、FY5人で話し合いをしたのですが、その時に「今年もJapan Trekをやろう」ということになりました。私は社費なので、私費の同級生に比べれば時間もあるということで参加の意思表明はしたものの、正直に言うと内心乗り気ではありませんでした。理由は、①純ドメなので、留学に来たからには少しでもアメリカなり外国にいる時間を長くして、cultural sensitivityを高めたい、②Japan Trekで回るであろう各都市には嫌というほど行っており、改めて行きたくないと感じた、の2点です。もともと熱しにくく冷めにくい性格というのもあるのですが…

そんな私を変えたのは10月後半に開催したJapan Trek Information Sessionでした。Japan Trekに興味を持ってくれている学生に対して、日本人organizersがTrek概要にかかるプレゼンを行ったのですが、学生達が日本に大興奮している様子を見て、また“We are so excited about Japan!” “We are looking forward to visiting Japan with you guys!”と言っているのを聞いて、体のそこから何かが沸き上がってくるのを感じました。日本人として、外国人が日本という国に興奮しているのを見るのは心底嬉しく、business schoolに入ってから初めて(というよりも人生で初めて)日本人であることを誇りに感じました。こうなったら皆に日本を心底楽しんで欲しい、日本の大ファンになって欲しいと思い、そこからはJapan Trekの準備に魂を注入するようになりました。Trekから自分が何を得られるかよりも、みんながTrekから何を得られるかを考えるようになったという点で、Information Sessionは自分にとって大きな転機になったと思います。

 

3 準備期間について

3月の本番まで半年ほどかけて準備をしましたが、organizersでの話し合い、旅程の作り込み、スライド作り、participants・旅行会社とのやりとり…等、今から考えると結構大変だったなと思います。但し、準備それ自体は大変ながらも楽しく、backgroundの異なる日本人と仕事(?)をする機会というのも滅多にないので、各人の考え方の違いやそれをどうまとめ上げていくかというプロセスも、大変勉強になりました。

上記の通り各人の考え方が異なる部分はありましたが、全体を通してのFuqua Japan Trekのコンセプトは”hospitality”, ”customization”であったと思います。76人のparticipantsをマネージするのは大変ではありますが、私達は可能な限り「団体バスに詰め込むだけの旅行」は避け、自分達で予約するところは予約をし、時にはバスガイドのようになり、オプションも出来るだけ増やして、いかにparticipantsが最高の経験を出来るか、という点を最大限重視して準備に臨みました。

 

4 Japan Trek本番について

大変な長さになってしまいますので各日程についての詳細記述は控えますが、以下に行程概要を記載します。

 

○3/6(月):welcome party@東京

○3/7(火):浅草観光 ⇒  option1:寿司作り体験+渋谷・原宿観光 or option2:書道体験+秋葉原観光 ⇒ ディナー

○3/8(水):free time@東京 (option1: 歌舞伎 or option2:ラーメン博物館 or option 3:皇居ラン) ⇒ ディナー

○3/9(木):芦ノ湖 ⇒ 大涌谷 ⇒ 箱根彫刻の森美術館 ⇒ 箱根旅館宴会

○3/10(金):option1名古屋:TOYOTA工場見学 ⇒ リニア・鉄道館見学 ⇒ ディナー ⇒ 京都

         option2奈良:奈良公園 ⇒ 興福寺 ⇒ 東大寺 ⇒ 京都 ⇒ ディナー

         option3京都:嵐山cycling ⇒ お茶体験 ⇒ ディナー

○3/11(土):金閣寺 ⇒ 伏見稲荷大社 ⇒ 着物体験+清水寺 ⇒ 祇園 ⇒ ディナー

○3/12(日):原爆ドーム・平和記念公園 ⇒ 宮島 ⇒ 広島旅館宴会

○3/13(月):大阪難波 ⇒ 大相撲観戦 ⇒ ディナー ⇒ farewell party

○3/14(火):解散

かなりの弾丸スケジュールでしたし、途中様々なトラブルもありましたが、何とかスケジュール通り各地を回ることが出来ました。とにかくみんな日本酒が大好きで、居酒屋の日本酒が底をついたこともありました…(笑)時差ボケが解消仕切らず、打ち合わせなり作業なりもあり毎日3時間くらいしか寝れませんでしたが、心から楽しい旅行でした!参加者の皆が言う通り、once-in-a-life-time tripになったと思います!

 

5 所感

楽しかったばかりではなく、Japan Trekでは非常に大きな学びがありました。

1)自信を持つことの大切さ

アメリカで学校生活を送っていると、外国ということで無意識に引っ込み思案になってしまったり、何より英語面でのハンデにより積極的に発言をすることが出来ない部分がありました。しかし、Japan Trekでは、participantsは全く日本語が分からないため、否が応でも頼られる存在、leadershipを発揮しなければいけない立場になります。そんな環境に1週間もいると、80人の前で英語を即興で話すこと、外国人を引率して歩くことが普通になってきます。自分では感じていなかったのですが、Japan Trekに参加していたC LEADのメンバー達から、「日本でのYTは、スゴく自信に満ちていていいねって、皆言っているよ!」と言われました。外国で生活していることを言い訳にして消極的になっていた自分が恥ずかしいと思いましたし、一番の原因は外部ではなく自分自身にあるのだと痛感しました。

2)熱意を持つことの大切さ

Business schoolに通う自分はもともとhard skillを重視しがちな部分があり、それはそれで大切なのですが、今回のJapan Trekではsoft skillの中でも特に熱意を持つことの大切さを学びました。恐らく同じ行程を組んでいたとしても、私達organizersがただ単に作業のような形でJapan Trekをこなしてしまっては、participantsはここまで喜んでくれなかっただろうと思います。私達organizers全員が、participantsが楽しんでくれることを第一に考えて、陰で事務作業に徹したり、時にはアホみたいな芸をしたり(笑)、飲みまくったりしていましたが、それにparticipants達が上手く呼応してくれて、全体として最高に盛り上がり、皆にとってonce-in-a-life-time tripになったのだと思います。熱意は国境を超える、ではないですが、そうした熱意や影での働きを見てくれていて、皆とても感謝をしてくれました。Japan Trek後に、participantsがプレゼントしてくれた皆のサイン入りbasketballは、一生の宝物です!

3)日本という国の素晴らしさ

アメリカで日常生活を送っていると、「あ~、日本のコンビニは便利だな」「納豆美味しいな」「日本の配送はしっかりしてるな」等の(ある意味小さなスケールでの)日本の良さを感じることはありますが、それとともに日本で生活していた時には意識していなかった日本の上下関係・人間関係の窮屈さ、変に他人の目を気にする窮屈感等のネガティブな面を感じてもいました。しかし、日本という国を大勢の外国人と旅行するという貴重な経験を通じて、日本という国を新たな視点から捉えることが出来ましたし、日本の素晴らしさを学ぶことが出来ました。私が一番印象に残っているのは、広島の宮島で、中国人の女性参加者と話した時のことです。「この広島が、Japan Trekの中で一番感動した。平和記念公園は素晴らしかったし、この宮島は信じられない位に美しい。私は日本という国にjealousyを感じている。私の国と違って負の歴史を隠そうとせず(注:筆者はその点についてはわかりませんが)、自分達が悪い所は悪いと認めた上で、原爆投下という悲しい出来事を堂々と世界に発信し、その歴史が2度と繰り返されないように尽力している。日本人、日本という国のこうした姿勢を私達は学ぶべきだと思うし、日本は本当に素晴らしい国だと思う」と彼女は泣きそうになりながら話していました。私は心底感動し、日本人に生まれて良かったと思いましたし、帰国後どんな些細なレベルであっても良いので日本に役に立つような仕事がしたいなと思いました。

 

改めて、Japan TrekはFuqua1年目の中で最高の経験でした!!!


MANAGEMENT 747 -- Leadership

2017-05-30 02:06:45 | Leadership

こんにちは,Class of 2017のKoheiです.今回は,私が二年生の最後に履修し,最も印象に残った授業のひとつである"Leadership"というクラスを紹介したいと思います.この授業は,非常に予習・宿題が多いと評判の授業で,ほとんどの学生が重いワークロードを敬遠するため,定員が75名のクラスに40人程度しか履修していません.逆に,履修する学生はとても熱意に満ち溢れた人たちばかりなので,非常に活発な議論を体験することができました.全12回の授業を通して,5人組のチームで毎授業前に,与えられた題材に関するリーダーシップについて議論したり,プレゼンの準備をしたりします.私のチームメートは4人のアメリカ人で,MBA Association/ClubのPresidentやFuqua Action News Anchor,など,個性が際立ち,学校内で目立ったリーダーシップを発揮しているメンバーに恵まれました.共通の知り合いからは『The Dream Team』と呼ばれるほどの熱血ぶりで,毎回,非常に充実した議論が繰り広げられました.以下,授業を受けて良かったと感じた点です.

 

①   授業中の議論

日本人にとっては,非常にタフです.例えば,映画のワンシーンを5分ほど見せられた後で,『さぁ,このリーダーシップについて議論しよう』と討論が始まります.通常の授業では事前に与えられたビジネスケースの内容を議論するため,予習をすることで英語力不足を補うことができますが,この授業では事前準備が利きません.私はMBA以前に英語での学習・仕事・生活経験がなく,語学の習得に最も苦労した学生の一人でしたが,字幕なしで映画を見ても全てを聞き取ることができない,アメリカ人の早い英語についていけない,映画の背景にある文化的な知識がない,など非常に苦労しました.二年生の最終学期で,最も英語力が高まった時期だからこそ何とか議論についていくことができましたが,一年生時の英語力では討論に参加することが難しかったと思います.また,議論内容も,Moral, Change management, Philosophy, Crisis, Diversity, Gender issue, など幅広く議論され,深刻に自身の経験を語るクラスメートの姿が印象的でした.例えば,Gender Discrimination の議論では非常に心が揺さぶられました.私は日本人男性が大多数を占める均質な職場しか経験したことがありませんでしたが,女性のクラスメートが涙を流しながら経験を語ったり,チームメートが非常に小さく思える論点に執拗に食い下がってきたり,誰かが世の中に対する半ばあきらめの観点での意見を述べたり,多様性に関わる問題を学ぶ良い機会でした.

 

②   ゲストスピーカー

2回に1回のペースでゲストスピーカーが訪問し,講義をしたり,自身のリーダーシップ経験を語ってくれたりします.印象に残ったゲストスピーカーの一人は,マットレス会社の工場長をしていた時の危機管理マネジメントについて話をしてくれました.ある日,工場が大爆発を起こして3日間燃え続ける中で,いかに従業員を守りつつ損失を最小化するか,という内容です.全米ニュースになる大事故の中で,限られた時間と情報中で,何を根拠に判断をくだし,その結果どうなったか,をリアルに語ってくれました.また,事故後,レイオフの判断を下した後,従業員が自殺してしまい一生悔いることになった経験から,トップマネジメントの判断の重さを伝えてくれました.

もう一人の印象的なゲストスピーカーは,女性初の陸軍士官学校出身で将官になったイラク駐在経験の長い軍人です.授業前に彼女の生涯キャリアについて書かれた十数ページのリーダーシップケースを読み,チームメートと議論し,彼女のリーダーシップを理解した後で生のスピーチを聞きます.物語を読んで感銘を受けていた中で,本人が登場して生の経験談を聞き,質問ができることは,非常に印象的な経験です.例えば,彼女が若いころに,女性であるがゆえにわざと厳しい訓練を受けさせられた話(内容はサバイバル訓練で生の鶏の内臓を食べるなど,非常に過激なものでした。。。),若いころに直面した組織の硬直性に対して,後に自身がトップに立った時にどのように考え決断したかについての話,イラクで絶対不可能と思われる指令を与えられた際,極限に追いつめられる中で自身が元来楽観主義であることに気が付き救われた話,犠牲になった部下を心に刻み,どのように未来を向いて生きていくか,など非常に深い内容でした.

これらは他では聞くことのできない実際の体験談であり,将来,自分が組織のトップに立ったときに,どのように判断を下すべきか,その判断がどれほど大きな影響を及ぼすのか,を考える良い参考になりました.

 

③   フィードバック

受講する学生は,Six Domains of Leadership という理論を基に,各自のリーダーシップについて分析します.これは,リーダーシップは6つの要素(Personal, Relational, Contextual, Inspirational, Supportive, Responsible)に分解され,ピラミッド型になってお互いが依存しあって成立する,という考え方で,開発されたツールを元にプロフェッショナルやパーソナルな出来事を振り返り,各領域のリーダーシップについて自己評価を行います.また,職場の同僚や学校の友人から,自身のリーダーシップ像を客観的に評価してもらうこともできます.私は二年生の最後に履修したため,二年間を共に過ごしたFuquaの友人のうち,私を多面的に評価できそうな6名に評価をもらいました.Fuquaでは,ほとんどの学校行事がStudent-ledで運営されており,リーダーシップを発揮する機会が多くあります.その中で,自分自身がどのようにリーダーとして見られているのか,普段は絶対に得られない非常に貴重な機会です.チームあってのリーダーシップであり,一人では絶対に完結しません.他者からどのように見られ,どういうリーダー像を描かれているかを知ることは,自身のリーダーシップの成長にとって非常に重要であり,また,私にとってはMBA二年間の総括にもなりました.例えば,以下のようなフィードバックをもらいました.

Positive

- He is incredibly caring and thoughtful. He makes the effort to get to know those around him on a personal level and remembers the small things that a person has shared about themselves. This automatically fosters trust in the relationship.

- He led the large group incredibly well. He was organized and made sure everyone was staying in line, while also having fun and staying incredibly well liked.

- Extremely authentic individual who makes others look up to him.

Constructive

- Reluctance to ask for help. He tends to put too much on his own shoulders.

- Would like to see him defend his ideas more, explaining where his logic comes from.

- He should be a bit more assertive. He tends to accept others' statement without fully sharing his own thoughts.

評価をくれた6人の中でも,フィードバックの深さにばらつきはありますが,親しい友人で,かつ共に苦境を乗り越えた仲間ほど,私のことをよく理解してくれ,一段深い洞察をくれました.これらを元に,よりいっそう自身を深く分析することで,さらにリーダーシップを磨くことが可能になります.

The Dream Team(自称)


Global Institute ~各国の歴史から学ぶリーダーシップ教育~

2017-05-17 01:43:07 | Leadership

こんにちは,Class of 2017のKoheiです.The Fuqua School of Businessは,世界が求めるリーダーシップを持った人材を輩出することを目的としています.二年間のFuqua生活を経験した中で,私が印象を受けたリーダーシップ教育プログラム『Global Institute』についてお話ししたいと思います.

Global Institute(以下 GI)は,本授業前の8月に4週間かけて一年生全員が集中的に参加するプログラムで,『Global Institutions and Environments』, 『Leadership, Ethics, and Organizations』, 『Consequential Leadership』の3つのコースで構成されています.Global Institutions and Environments(以下 GIE)は,各国の政治・経済制度(global institutions)と経済成長の因果関係を,歴史を辿ることによって理解しようというものです.複雑な世界の政治・経済環境を理解することで,グローバル化,国際法,社会規範,国際金融,コーポレートガバナンス,などリーダーとして備えるべき諸々の課題に対する基礎理解を固めます.Leadership, Ethics, and Organizations(以下 LEO)は,組織のリーダーが直接的に対峙する課題について議論します.例えば,組織制度とインセンティブ(=systems), 交渉と意思決定(=leadership skills), 倫理感と多様性(=challenges),などをテーマとして議論し,学生がお互いの経験を共有しながら,組織を率いるために身に着けるべき知識やスキルについて理解を深めます.Consequential Leadership(以下 C-LEAD)は,より実践的なプログラムで,5-6人のチームによる様々な活動や議論を通じて自身の強み・弱みを改めて理解し,リーダーシップの意味について考えます.具体的な活動内容として,過去経験の共有,地域ボランティア活動,Improv, PDP, などがあります.Fuquaのホームページで見ることのできる「壁を登る」写真は,C-LEADの中のTeam Challenge Dayと呼ばれる課外活動になります.実際に自分で経験してみるまでは,いったいなぜ壁登り写真が前面に押し出されているのだろう。。。と不思議に思っていました.

これらの中で,私が好きなGIEについて,もう少し詳しく紹介したいと思います.GIEを通じて学ぶ内容は,現在の複雑なグローバルビジネス環境を,各国の政治・経済制度の観点から多面的・包括的に理解することであり,ファイナンスや統計学のように,直接的にビジネスに役立つものではありません.しかし,世界経済の大局を読むことは今後のキャリアを通じて習得すべきリーダーの素養であり,組織トップにとってむしろ重要な項目と私は考えます.以下3点,私がGIEを通じて感じた点をまとめます.

 

 ①Institutionsと経済成長

GIEでは,ボツワナ,中国,メキシコなどを題材に,政治制度が経済成長に与えてきた影響の歴史を学びます.初期より民主政治を採用した米国や英国は,起業家や発明家の台頭を後押しして経済成長を遂げる一方,専制政治を主とした前述の国家は,技術革新が起こらず経済が停滞した例として挙げられています.グローバル企業のマネジメントに携わる場合,国によって異なる規制,金融制度,社会規範などのビジネス環境を理解した上で意思決定しなければならないため,その国の成り立ちや政策歴史の大枠がビジネスに与える影響を学ぶことは重要です.また一方で,国家レベルの歴史の教訓は企業経営にも当てはまると私は考えました.例えば,民主主義政策では個人の財産権を認めることで起業家や発明家にインセンティブを与え,技術革新による経済成長を遂げてきましたが,これは,企業が従業員個人の特許権,成功報酬や昇進を保証することで,技術革新による企業成長が促進されることと同じ現象であると思います.上層部が組織での既得権を守ろうとした場合,技術革新や優秀な人材の登用は行われず,企業としての成長は妨げられることになります.よって企業では,一部の人間が従業員搾取によって独占的利益を享受しないよう,組織・制度設計によって暴走に制限をかける必要があります.リーダー個人の力には限界があり,いくらリーダーが素晴らしい倫理観を持っていたとしても,個人の意思が組織に負けてしまうことがあります.企業を正しい方向に導くためには,組織制度のあるべき姿を理解し,設計することがリーダーの役割であると考えます.

 

 ②Institutionsの初期設計と偶発的発展

現在の各国の政治・経済制度は,地域ごとの歴史上の出来事に影響を受け,分岐しながら発展してきました.つまり,長い歴史の積み重ねと,各国の社会構造や社会規範と複雑に絡みながら成り立っているので,リーダーの意思で直ちに変更したり,簡単に他国を模倣できるものではありません.各国のトップは,自国の政治・経済制度の歴史と構造を鑑みつつ,その時代の周辺環境に合わせて戦略を練り,政策意思決定を行います.これも企業の経営判断の類推であり,リーダーが学ぶべき示唆があると私は考えました.例えば,トヨタはトヨタ,日産は日産,ホンダはホンダの歴史に基づく企業文化や組織構造があるため,トップは簡単にビジネス形態を変更することは簡単ではありません.他社が簡単に『トヨタ生産方式』を真似できないので,日産やホンダは独自の生産方式を持つことで競争力を維持していることと同じように思います.この企業文化と組織構造は,一人のリーダーが簡単に変えられるものではなく,初期の制度設計と後世の環境変化によって偶発的に変化していくものであり,リーダー個人が容易に扱えるものではないように思います.起業家であれば,後世の環境変化による影響を考慮しつつ初期制度設計を行うことが,企業の生死の境を分けることを理解せねばなりません.大企業のトップであれば,出来上がった現在の組織構造と,地域・時代ごとの環境を理解しつつ,現在の組織の範疇で変えられる方向を模索するしかない.要するに,リーダーには出来ることと出来ないことがあるため,各国の歴史から教訓を学び,素養を身に着けることが必要であるという,リーダーである者の心構えを学んだ機会でした.

 

 ③世界が直面する課題

経済成長を遂げる中で,各国のリーダーは不安定な環境の中で,難しい問題に直面してきました.例えば,AIDS特効薬を開発する製薬会社の利益,進展国の経済発展,病気に苦しむ貧困層の患者を救うこと,これらはどれを優先すべきか正しい答えはありません.排出取引は地球規模で温暖化ガスを削減するために設計された制度でありながら,規制の穴をくぐって金儲けをする者がいたり,本当に環境に良いのか疑問のある取引が促進されています.倫理的問題(どちらを選択しても社会に負の影響を与えてしまう問題)に対しては,経営者は正解のない問題に向き合い,組織の立場から戦略を明確にした上で意思決定する覚悟が必要です.ルールが頻繁に変更される排出取引のような問題に対しても,不透明な環境の中,自社のポジションを明確にしたうえで長期戦略を立て,実行を推し進めなければなりません.

 

GIEで学ぶ内容自体は,国際政治や経済学を専攻していた人にとっては,決して深いものではないかもしれません.しかし,専門外の人間が集まって歴史を学び,大局的な観点から考察・議論することで,お互いに新たな発見をし,リーダーとしての素養を身に着けることができるのではないでしょうか.例えば,私自身もメーカーの製品開発担当として,環境保護を正義としてビジネスを推進することの正当性に疑問を持った経験がありますが,この経験を世界中の様々なバックグラウンドを持ったクラスメートと共有し,自分たちが経営者として企業利益と社会正義の間で板挟みになった場合,どのように意思決定しなければならないのか,深く議論することは非常に有用であると思いました.また,一見合理的でない経営判断のように思えても,組織構造,企業文化,環境変化などに基づいた意思決定だったのであろうと,自分の社会人経験を振り返る良い機会にもなりました.8月にGIEで学んだことは,Finance, Accounting, Marketing, Strategyなどの一般的なビジネススクールの授業を受ける上での重要な下地になったように思います.Fuquaは設立1969年と歴史が新しいためか,リーダーを育てるための多くの新しい試みを実施しています.そういった意味で,Global InstituteはFuquaがリーダーシップ教育において他MBA校と差別化されるための傑出したプログラムであると考えます.

Section 1 卒業バーベキューにて。Global Instituteで知り合うことになるセクションメートは二年経っても仲良し


Biotech & Healthcare Case Competition 2017@Kelloggに参加してきました

2017-02-04 18:28:34 | 課外活動

Class of 2017のYです。以前のポスト(http://blog.goo.ne.jp/fuqua2007/e/66d336046fdad21cd21fdc070ff50435)でご紹介したビジネスコンペについてですが、運良く書類選考を通過することができ、去る1月20日、21日にノースウェスタン大学のケロッグビジネススクールで開催された表題のコンペに参加してきましたので、その模様と感想を今日は簡単にお伝えしたいと思います。

(コンペの概要)

            今年で14回目の開催となる同コンペティションはヘルスケア関係のビジネスコンテストとしては比較的歴史が長く大規模なもののようです(Poets&Quants等でも紹介されています)。主催者によれば今年は約60のチームから応募があり、そこから11のチームを選考したとのこと。他の参加校はKelloggから2校、Wharton, Chicago, MIT, Berkeley, Tuckなどのいわゆるアメリカの有名校とイギリスからCambridge、フランスからHECのチームが参加していました。私の勝手な推察ですが、恐らく書類選考の鍵になったのはチームにヘルスケア関係のバックグラウンドがあるかどうか(参加者全員のレジュメが配布されたのですが、ほぼ全員何らかのヘルスケアのバックグラウンドがあるようでした)ということかなと思います。そういう意味で私のチームは私が政府系、もう一人がコンサルティングのヘルスケアプラクティス出身(昨夏は医療機器メーカーでインターン)、残りの二人が製薬会社出身というチームでした。またアプリケーションの際、上記のバックグラウンドに加えて人種・性別の多様性を強調したのも良かったかもしれません。

            コンペのフォーマットはコンペ当日1週間前にケースが配られ、そのケースの中に書かれている質問について回答をパワポで準備し、その内容を審査員にプレゼンするというもの。今年のお題はいわゆる「グローバルヘルス」関連のもので、具体的には、ナイジェリアでは医療機関の数が不足していることなどを背景に、特に田舎では自宅出産が多く、出産時・出産後の衛生状況が良くないことから出生後間もない子供のへその緒の切り口からウィルスが入ることが原因となって、子供が生後4週間以内に亡くなる確率(Neonatal mortality rate、日本は0.1%、ナイジェリアは4%弱)が押し上げられています。このウィルスの感染を防ぎ、へその緒を清潔に保つためのトリートメント(塗り薬)を与えられた予算の中でどうやって普及させるかということが今回の課題でした。

(コンペの結果と提案内容の概要)

            結果は非常に残念ながら入賞ならず。。。とても悔しかったです。我々が提案した内容を大まかに説明すると、ナイジェリアの都心部は田舎に比べると所得が総じて高く、比較的医療機関にアクセスしやすいことから、

こうした都心部で原価より高い値段で上記の塗り薬を販売し、そこで得られた収益を活用して所得の低い田舎部では無料で塗り薬を提供するというもの。コンペ後の審査員5人からのフィードバックでは、全員からアイデアは画期的だというコメントがありましたが、実行性の面からややクエスチョンマークがついたようです。フィードバックと併せて、優勝したチームと2位のチームのスライドも配布されましたが(コンペ当日は審査員だけがプレゼンを見ることが出来るようになっていました)、我々のものより地に足がついた実現性の高い提案になっていたと思います。例えば2位のチームとは田舎で無料で塗り薬を提供するというストラテジー自体は我々のものと同じだったのですが、無料にする際にどういうチャネルを使ってクーポンを配って、といったimplementationの部分で我々の提案よりも具体性が高かったと感じました。

(コンペ後のフィードバックと所感)

            コンペ後チームメイトの1人と打ち上げに行きました(他の二人は疲労困憊でバタンキュー)。ここでFuqua伝統のフィードバックタイム。一週間ほぼ缶詰になって一緒に作業する中で、彼女が気付いた私の強みと弱みについて指摘してもらいました。強みは分析(特に数字関連)だそうで、確かにプレゼンで使用した数字はその計算方法の説明や仮定の妥当性を含めて私が考えたものが多かったと思うので、なるほどなと思いました。他方で弱みは議論をドライブする力(決める力?)が弱い、という指摘をもらいました。これは本当にその通りで、ディスカッションをする中で議論が行き詰まった際・簡単に結論が出ずに困っている際に黙り込んでしまうシーンが多くありました。自分のこれまでの職務上の経験を踏まえてもこれは本当に当てはまっていて、やや敷衍して、例えば選択肢が二つあった際に、自分では決められずに上司の判断を仰ぐことが多かった気がします。実際のビジネスの場でも、どれだけ綺麗に論理的に説明しきれるコンテンツを用意しても、結局最後の最後はわからない部分が残るわけで、そこは自分で決めて(仮に決め切れる自信がないのであれば限られた時間の中で決められるだけの努力をして)それを押し通すくらいの力強さ・リーダーシップが自分にはまだまだ足りていないんだろうなと思うに至りました。

            結果自体には満足はいきませんでしたが、ヘルスケアにパッションを持つ他校のビジネススクール生とのネットワークが出来たこと、非常にダイバーシティの高いチームで悔しいと思えるほど一生懸命準備が出来たこと、その中で自分の強み・弱みを再認識できたことは今後の自分の財産になると思います。最後になりますが、コンペの開催にあたりご尽力頂いたKelloggの関係者の方々や後援の企業の皆様に改めて御礼申し上げます!

(コンペ後のチームでの写真、筆者は左から2番目)

 


Fuquaでファイナンスを学ぶ意義

2016-12-21 22:10:57 | 授業紹介

みなさんこんにちは。2年生のJです。今回はFuquaで学ぶファイナンスについて紹介したいと思います。ファイナンスといえばニューヨークのウォールストリートを思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、ノースカロライナのような森に囲まれた田舎でもファイナンスについて学ぶことは出来ます(笑)。私はMBA前の8年間ずっと投資の仕事をしていましたが、Fuquaのファイナンス教育にとても満足しています。

世界中の企業のCFOへのインタビューにより実世界でのリアリティーを紐解く「CFO Survey」をリードするJohn Graham教授、リスクマネジメント/アセットアロケーションの大家でありながら近年はフィンテック/ブロックチェーンに特化した授業を開講しているCampbell Harvey教授、インパクトインベストメントの研究教育センターであるCASE i3を立ち上げたCathy Clark教授など、これらは一例に過ぎませんが、たくさんの有名教授がいます。

その中でFall 2に履修したFixed Incomeについて少し書きたいと思います。教授のDouglas Breeden氏は数々の理論を提唱した学術者でありながら、資産運用会社を30年以上経営してきた実務家でもあります。Fixed Incomeにかかる理論や、各種アセットクラスの特徴、金利等を用いた経済予測、ヘッジ戦略などももちろん教えてくれるのですが、同授業の1/4位をかけて教えてくれた行動経済学が秀逸でした。LTCMの失敗から始まり、リーマンショック、Breeden教授自身の投資の成功と失敗の事例などを題材に、Duke大学の心理学の教授との共作による教材を用い、いかに人は間違いやすい生き物か、どのように人は間違った意思決定をしてしまうのかを体系的に教えてくれました。こうした教えはファイナンスというよりもマネジメントの本質そのものであり、長く実務をしてきた人からその教えを聞くことのできる機会は極めて貴重でした。

授業では行動経済学について15のまとめが教えられたのですが、そのうちの1つが「人は情報を得れば得るほど確信を増すが、必ずしも成功する確率は上がらない」というものでした。たくさん情報を得れば正しい答えを導くことが出来ると普通は思うかもしれませんが、人は元来Overconfidence(自信過剰)であることから、情報を得て自信が増すほど、自分の“間違った”考えに固執し、自分の考えを正当化するエビデンスだけに目を向けがちになり、結果として正しい答えに近づけないというものでした。

技術の発達によりこれまで以上に多くの情報を得ることが出来るようになりました。答えに近づこうと多くの情報を必死に追いかけているうちに、膨大な短期的情報の渦に飲み込まれて本質を見失いがちになっているかもしれません。良い意味で些末な情報(雑音)が入ってこないノースカロライナという田舎でこそ、ファイナンスや投資の本質に近づけるのかもしれないと感じました(ウォールストリートから遠く離れたオマハで圧倒的なパフォーマンスを誇ってきたウォーレンバフェットのように)。


Biotech and pharmaceutical strategyについて

2016-11-29 15:56:31 | 授業紹介

 みなさんこんにちは。2年生のYです。早くも年内の授業は残すところあと2週となり、学期末のレポートの作成など少々慌ただしい日々が続いています。 このブログをご覧になっている受験生の皆さんの多くは2nd Roundに向けての追い込みでお忙しい事と思いますが、留学で得られる世界の広がりは、今の頑張りを補って余りあるものになる事間違いありませんので、あと少し頑張って頂ければと思います。

さて、今日はヘルスケアに強みを持つFuquaの授業の1つ、Biotech and pharmaceutical strategyについてご紹介致します。この授業は製薬企業に関するケースをひたすら読み続けるというかなり業界Specificな授業です。 一言にヘルスケアと申しましても、当然のことながら製薬会社だけでなく医療機器メーカー、保険者、医療従事者、規制当局、そして患者さんを含めた様々なプレイヤーが存在します。私は留学以前、官庁で医療分野を中心とした社会保障関係予算の策定に携わっていました。その中で感じていた事の1つは、これだけ多くのステークホルダーが存在し、価値観も多様化してきている中で、陳腐な言い方になってしまうかもしれませんが、より良い政策作りのためにはそうした異なるステークホルダーが抱える価値や考え方に想像力をどれだけ働かせて実のある対話をし、合意形成をしていけるかが重要だなという事でした。官庁で働き続けるだけではきっと物事の見方が偏ってしまうのではないか。そうした意味で、私が留学生活、特にFuquaに期待していた事の1つは、特に医療という文脈でより幅広い見方を身につける事でした。そして、まさにこの授業を受講する中でFuquaがamazing place to beだなとしみじみ感じています。

FuquaはHSM(Health Sector Management、注1)というヘルスケアに特化した専攻で有名なのですが、そのコースに登録する学生は、年によってバラツキがありますが、現在1学年のうち30%以上(ちなみに一学年のクラスサイズは400人強です)にものぼっています。この授業は冒頭に述べた通り、製薬会社の戦略に特化するという一般的には相当マニアックと思われる授業なのですが、にもかかわらず授業の登録を希望した学生の数は定員をオーバーするほどの人気です。授業の中では毎回ケースを基に製薬企業の意思決定に関するイシュー(価格差別などを含めたプライシング、特許戦略、保険償還、開発戦略、広告等)について扱います。クラスでは、製薬会社で勤めていた人は当然のことながら、医療機関で勤務していた学生、医師や看護師などの医療従事者、医療保険会社、投資銀行やコンサルティング会社のヘルスケアプラクティスのチームで勤務・インターンしていた学生、グローバルヘルスに関するNGOで勤務していた学生、米国の上院で医療政策の立案に携わっていた学生など多種多様な学生が凄い勢いでディスカッションを行っていて、正直彼らの議論を聞いているだけでもとてもeye-openingな経験です。担当教官はDavid Ridleyという先生で、彼は米国の製薬企業や規制に熟知しています。彼の研究を基にFDA(薬や医療機器の承認を行うアメリカの規制当局)にPriority Review Voucher(注2)という制度が出来ました。また授業にはロシュの元CEOのGeroge Abercrombieが常駐し、Davidや学生の発言に実務的な観点からフィードバックを行うという理論と実践のバランスが取れた素晴らしいクラスになっています。

先進国における高齢化による医療ニーズの増大や医療技術の高度化等によりヘルスケア市場が増加の一途を辿る中、ヘルスケアに特化した専攻を設けている学校も近年増えてきている印象がありますが、この授業を取る中で改めて感じたFuquaの良さは、ヘルスケア関係のバックグランドを持つ学生の多様性と厚みがあることだなと感じています。こうしたヘルスケア分野の中での多様性が担保されている環境は、Fuquaが持つHSMの伝統と、前述の通りその名の下に集まる一定規模以上の学生の数によって成り立っているものであり、ヘルスケアを売りにしている学校の全てが必ずしもこうした学習環境を提供できるものではないと考えています。

先日の授業では、保険収載時の薬価が諸外国の薬価を参照して行われることが多いことに着目して、(1)どの国からどういう順番で、(2)いくらで、新薬を上市していくのが製薬企業によって最適かという上市戦略について、コンサルティング会社が授業に来て講演をしてくれました。折しも日本ではこれまで2年に1回だった薬価の改定を毎年行うべき、諸外国における薬価の参照を速やかに行うべき、と言った薬価制度に関する抜本的な制度改正に関する議論が経済財政諮問会議(注3)などで行われているところで、こうした制度変更は製薬会社の意思決定にも大きな影響を与えそうです。

また、今日のケースでは子宮頸がんワクチンの価格戦略について扱いました。日本ではその副反応の可能性等が指摘されたことで、一般的にはネガティブに捉えられている印象のある子宮頸がんワクチンですが、クラスメイトと話す中でアメリカでは同ワクチンを接種することがある程度一般的になってきているなど、同ワクチンに対する見方が日本とアメリカでかなり異なることなどが分かり、日本とアメリカを含めた諸外国での医療のあり方の違いなどについても気付きがありました。

・・・といった感じで毎回の授業で新しいTakeawayがあり、授業が楽し過ぎて授業の前日の日曜と水曜は毎回夜明けが待ち遠しいといった心境です。言い過ぎかもしれませんが。

ちなみにこのクラスで知り合ったクラスメイト達と来年1月に開催されるヘルスケアビジネスコンテストに出場するべく現在準備を進めています。書類などによる選考が今後行われることになっていますが、見事本選に参加できることになった暁には、その模様をこのブログでお伝えできればと思います。長くなりましたが、ご一読頂きありがとうございます。

(注1)HSMについてはこちらを御覧下さい。https://centers.fuqua.duke.edu/hsm/home/about/

(注2)同制度の詳細についてはこちらを御覧下さい。http://priorityreviewvoucher.org/

(注3)11月25日に開催された同会議に提出された薬価制度の抜本改革案等についてはこちらを御覧下さい。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1125/shiryo_04-1.pdf


Energy Club によるヒューストンの旅

2016-10-26 21:58:52 | 課外活動

はじめまして、一年生のCSです。7月末からデューク大学に通い、早3ヶ月が過ぎようとしています。

私は私費留学生としてFuquaに来ていますが、入学早々すでに就職活動が始まっています。通常日本人留学生の場合は、就労ビザを援助してくれるアメリカ企業を探す、または日本企業/日本に支店を置く外資系企業をターゲットに活動を行いますが、私は日米の二重国籍で米国での就労に問題がないため、卒業後もアメリカに残るも日本に帰るも選択肢としてあるので非常にラッキーです。

今回はアメリカでの就職活動の一環であるWeek-in-Cities についてお話ししたいと思います。

■Week-in-Cities とは

Week-in-Cities(WIC)は学校の休みを利用して1週間程度他都市に行って就活を行う旅行のことを言います。8月にデューク大学に入学して、全員必修である夏のGlobal Instituteから始まり、Fall 1でコア授業を受け、同時進行でリクルーティング活動をするという休みなき戦いが10月中旬のテストを境に一瞬だけ落ち着きます。約10日間の秋休みが始まるのですが、学生はこの休みを利用してデューク大学ビジネススクールの各クラブが主催するWICに参加します。これは学生がアメリカ各地に企業訪問をしに飛び立つもので、企業とのネットワーキングを主とした旅行です。例えば、テック志望の学生はサンフランシスコとシアトルに行き、グーグル、アップル、アマゾン等などを訪問します。コンサル志望の場合は、ダラス、アトランタ、シカゴ、ワシントンDC等、デュークが強いとされる地域を訪問しているようです。その他にも投資銀行やマーケティング、ソーシャルインパクト関連、ヘルスケア等々、自分の興味にあったところに登録をして行っているようです。また、WICの時期もずれていたりするので、最大で2種類のWICに参加できます。例えば、前半テックに行きそのあとシカゴでコンサル用のWICに参加する、など。

■Energy Club によるヒューストンの旅

さて今回は、私が参加したEnergy Clubによるヒューストンの旅をご紹介したいと思います。エネルギーに携わる方ならご存知かと思いますが、エネルギーの業界にとってヒューストンはメッカであり、テックにとってのシリコンバレーのようなところです。All roads lead to Houston.(全ての道はヒューストンに通ず)という言葉があるぐらい、海外のエネルギー企業も本社以上に巨大なオフィスをヒューストンに構えています。ちなみにヒューストンは全米で4番目に大きな都市なのですが、家賃がダーラムやチャペルヒルよりも安いという非常に魅力溢れる都市です。元々テクノロジー出身の私ですが、デューク大学が非常にエネルギーに強いということや、エネルギー業界のスケールの大きさに惹かれEnergy ClubのCabinet Memberになり今回のヒューストンWICを計画してリードする機会を手に入れました 。うまくいったかどうかは参加したメンバーに聞かないとわかりませんが、Organizerとしての視点からいくつかお話ししたいと思います。

■WICの規模

まず、どのくらいの規模感かというところですが、ヒューストンWICに参加したのは私を含め12人です。テックやコンサル等で大所になると50人とかになるようです。このように10人程度の小規模であれば企業訪問の際にかなり自分を売り込めるチャンスになり、実際に今回のヒューストンWICも非常に有効な就活の場となりました。数が多いとほぼただの旅行化するようですが、それはそれで非常に楽しいようです。つまり、小規模のWICは役には経ちますが毎回の企業訪問で気が抜けないので楽しむというより毎日非常に疲れます。

ヒューストンWICに参加したメンバーのほとんどがOil&Gasのバックグランドを持った人たちで、中にはチリでエネルギー業界のInvestment Bankerをやっていた人間から、メキシコのアクセンチュアで働いていて国からの支援でデュークに来た官僚、炭鉱エンジニア、化学エンジニア、等々業種は様々です。エネルギーのバックグランドがないのは私くらいでした。そんな私にこんな重要な就活旅行の指揮をとらせてくれるのですから、アメリカの寛大さに感銘を受けます。

■訪問した企業

そして、今回訪問した企業の種類ですが、事前に参加候補者にアンケートをとって訪問したい企業をリストアップしました。スーパーメジャーと呼ばれるExxonMobil、Chevron、Shellはもちろん、テック寄りのGE(Oil & Gasの本部がヒューストンにあります)、クリーンテック関連のNextEra、あとはコンサルや投資銀行もヒューストンオフィスはほぼエネルギーなので、マッキンゼー、ベイン、モルガン・スタンレーといった感じで、3日間、1日3社ペースで訪問をしました。我々とは別にエネルギー関連の投資銀行にしか興味がないという生徒もいて、そういった人達はニューヨークのWICには参加せず独自にスケジュールを組んで個別にヒューストンにある投資銀行へコンタクトしてました。その人たちは既にこの段階で面接を受けていたようです。また、今回企業にコンタクトしていて一番印象深かったのが一社も断られることが無かった、いう点です。過去の先輩方の実績もあるのでしょうが、デュークMBAの力を痛感した瞬間でもありました。 

■WICのスケジュール

今回のWICのスケジュールとしては、Fall 1の期末試験が終わり、その次の朝にヒューストンに向けて出発。2時間程度でヒューストンに到着し、メンバーの友人にヒュースト観光ツアーをしてもらい、午後にホテルにチェックイン。ヒューストンに家を持つデューク大学の仲間宅でBBQパーティ。そして、その次の日の朝から訪問開始。午前はマッキンゼー、午後はモルガン・スタンレー、エクソンモービルといった感じで回ります。ほとんどの会社が30分〜1時間をかけて会社の説明や夏のインターンシップの説明を細かく話してくれます。その後1時間くらいのQ&Aの時間を設けてくれます。Energy Clubの連中だけあって、会社のことよりも、現在の石油の価格や、IoTと天然ガスの関連性についてなどの質問が多く、質問自体も止むことはまずありませんでした。

その後は会社内のツアーがあったりなかったりですが、エクソンモービルに関しては、会社説明の後、天然ガスの探鉱に使われる3Dテクノロジーの体験や、息をのむほど巨大で美しいキャンパスのツアーをして頂きました。

■まとめ

このようなWICは、純粋に参加することだけでも非常に意味があり楽しいものですが 、Energy Club のCabinet MemberとしてWICを計画する立場は、就活には非常に有利だと感じました。というのも、直接企業のリクルーターやマネージャー陣と事前からやり取りができるので、非常に濃いネットワーキングができるからです。ただ、学校の期間中に勉強、リクルーティング、ソーシャルライフに加えWICのために時間を費やす必要があり、特に期末試験のタイミングに重なることから、なかなか精神的かつ体力的には鍛えられました。それでも計画する側としても参加する側としてもやった価値は十分にあったかと思います。ただの旅行としても、リクルーティングイベントとしても非常に楽しく、かなり充実できた期間となりました。


Campout初体験!

2016-10-01 22:13:56 | 課外活動

はじめまして、1年生のYです。6月末にDurhamに引越し、あっという間に3か月が過ぎました。9月からはいよいよFall1が始まり、統計、ミクロ経済、会計、リーダーシップ、という4つの必修授業の予習と課題に毎日追われている状態です。8月のGlobal Instituteという3週間のプログラムでは「組織のあり方」「世界の貧富の差の原因」といった壮大なテーマを扱っていただけに、今月からは打って変わっていよいよMBA必修のプログラムを勉強している、という実感が強く湧いております。世界中から集まった同級生達に刺激を受けながら、毎日を全力で乗り切っております。

さて今回のテーマはDuke大学院生の秋の伝統イベント、Campoutです。Duke大学はバスケットボールの強豪校として有名なのですが、その年間チケットを約$300で購入できる権利をかけて学校の駐車場で36時間キャンプをする、というのがCampoutです。さらに、その36時間の中で、20回以上の“チェックイン”の時間がランダムに設けられており、参加者は合図の笛が鳴る度にキャンプサイトに隣接する窓口に全員集合し、リストバンドのバーコードを読み取ってもらわなければなりません。チェックインを逃すごとに最終的な当選確率が下がってゆき、8割以上チェックインできた人のみに当選参加資格が与えられます。文字だけですと非常に意味が分かりにくいイベントですので、ここからは写真と私の実体験でお伝えしたいと思います。

9月16日(金)夜21:00、いよいよCampoutが始まりました。私はセクション(クラス)のメンバー25人程度で参加していたので、授業が17:00過ぎに終わり、参加者用のリストバンドをゲットし、クラスメイトと協力しながらテントを3つほど組み立て、一旦帰宅してシャワーを浴び、再び会場に戻って開始を迎えました。写真のように、初日夜は皆有り余るエネルギーで飲んで話して踊って・・キャンピングカーや軽トラックを借りているグループの周辺は大変盛り上がっていました。もちろん1時間に1回ほど笛が鳴る度にコップを置いてチェックインのために窓口まで走るのは忘れません。結局初日はAM3:00まで笛の呼び出しは続きました。

9月17日(土)、朝6:30に初回の笛が鳴り、寝ていてドロップアウトした人も沢山いたようです。こちらはテントサイトの様子です。所狭しとテントが立ち並んでいます。

日中はテントで寝る人、座って話す人、課題に取り組む人、飲む人(!)等、皆思い思いの過ごし方をしながら笛を待ちます。近くで子供向けのイベントも開催されており、参加者の家族も合流して楽しんでいました。

日中もチェックインは続きます。前方に窓口が見えます。

日本人チームは1,2年生共同で焼きそばを作り、近くの参加者に振舞いました。私のセクションでは、アメリカ人がSmokerという巨大な調理マシンで豚肉の塊を16時間燻してくれたため、皆で特製ハンバーガーを堪能しました。もちろんこの日もAM3:00までは皆眠れませんでした。日中寝ていた私もAM1:00頃にはまた眠気の限界がきており、椅子に座ってうとうとしながら笛を待っていました。驚かされたのはラテン系の人達のエネルギーで、初日も2日目も夜遅くまで大音量の音楽に乗って踊り歌い続けていました。

そして、9月18日(日)朝。後片付けの後はいよいよ結果発表です。最後まで参加できても、抽選に当たらないと年間チケット購入の権利は手に入りません。全てのチェックインに駆けつけ、当選確率が最高の6倍まで高まっていた私は・・・落選してしまいました。。。結局日本人は4人中2人、セクションでも参加者全体の半数程度がチケットを獲得していました。

「なぜ当たるかも分からないバスケのチケットのためにそこまでするのか」、入学前にはそのような思いも少しはありました。でも、実際にCampoutに参加して、眠さや疲れを共有しながらクラスメイトと色々なことを話したり、狭いテントで一緒に寝起きしたり、協力してテントを建てたり料理を作ったりする中で、学生同士の絆が自然に強まっていくのを実感しました。実際にクラスで気軽に話ができる友人も増え、一層学校生活が楽しく充実したものになったのを感じています。学業にも課外活動にも一生懸命なFuquaの文化に惹かれて入学し、早速その一面を味わうことができた2泊3日でした。(翌週は皆Campoutのダメージが残っていたようでひーひー言っておりました^^;)


Fuqua JAPAN BBQ Party!

2016-09-10 19:09:11 | Life

 

はじめまして。1年生のSIです。Fuquaに来て早2か月、ISB、GIという2つのカリキュラムを終え、振り返る間もなくどんどん前に進んできた、という感じですが、日々自身の成長を実感しております。どんな学び、成長があったんだ、と気になる方もおられるでしょうが、自分自身もう少し振り返る時間が必要ということで今回はご容赦いただいて、もう少し柔らかい話として、先日行ったFuqua BBQ Partyについてポストします。

 Fuqua1年生のカリキュラムはおおざっぱに7月にISB、8月にGI、があり、9月からFall1が始まる、という流れになっています。各Termの間には1週間の休みがあり、GIとFall1の間にちょうど2年生が夏休みやインターンを終え、Fall1に向け帰ってきますので、そのタイミングでFuqua在校生全体とその家族でBBQをしました。

 こちらでのBBQがどんなものかイメージいただくため、まず住環境について簡単に説明します。基本的に学生はComplexと呼ばれる集合住宅の一部屋を借りて住み、学校までは車あるいはバイク、自転車で通うという形が一般的です。Complexには共用設備が充実しており、ほとんどの場合素敵なプールやジム、ちょっとした公園、ドッグランなどがついています。Complexの入り口にはゲート等もあり、安全面もまったく問題ありません。部屋の広さと充実の共用設備は、こちらに来て私がもっとも感動したことの1つです(日本のわが家を思うと、、、あぁ。。。)。

 BBQピットも共用設備の一部で、どのComplexにも必ずついています。BBQパーティはこちらではとても一般的で、Fuqua内でも数多く企画され、そこでいろいろな人たちと知り合うことができます。今回は日本人だけということで、日本人が多く住むGarret WestというComplexにそれぞれがスーパー等で食材を持ち寄り、思う存分焼く、という形で進めました。ちなみに、スーパーもWalmartからWholefoodsまで様々な価格帯のスーパーが車で5-10分以内にあり、日本食材もアジア系スーパーで簡単に手に入ります。思ったより田舎じゃない、というのが良い意味で驚きでした。

 当日は1年生が5人、2年生が4人、交換留学生が1人、さらに各学生の家族が参加し、全体で約20名が集まる大規模なパーティになりました。子供もたくさんいて、非常になごやかなムードですごすことができました。他校から来られた交換留学生の方曰く、「Fuquaは縦のつながりも横のつながりも深く、代々培われてきたノウハウがきちんと受け継がれているのがすごい」とおっしゃっていましたが、確かに、そのあたりが就職にも強い理由なのかもしれません。私のように本格的な海外生活が初めての人間にとっても、こういったつながりは本当に助かります。その考えは日本人同士だけでなくTeam Fuqua全体に根付いており、様々な国籍の人たちと深いつながりがもてることがこの学校のすばらしさだと感じています。