■英語の簡単なしくみの一端をお見せしましょう
以下にとりあげた文例は、「寿司を食べる」という行為に焦点を当てたものです。※印は学校時代に悩まされた代表的な文法用語です。青印のフレーズはひとまとまのの寿司を食べる行為・状態を示しています。学校時代に単なる動詞だけの変化ばかりを教えられてきましたが、大切なのはこの動詞フレーズそのものが変化するという視点を持つことです。これがなかったから、いつまでも英語がことはとして定着・蓄積しないのです。
(時制世界)
*現在形は現在の事実・習慣を表し、過去形は過去の事実を表します。
(1) I eat sushi every day. ※現在形
私は毎日、寿司を食べます
(2) I ate sushi yesterday. ※過去形
私は昨日、寿司を食べました
(非時制世界)
*元は動詞ですが、文の時制とはまったく関係のない動詞からの造語です。これは以下のように、動詞の原形で始まる原形動詞フレーズ、動詞のing形で始まるing形動詞フレーズ、そして動詞のed形で始まるed形動詞フレーズのたった3つです。
(1) 原形動詞フレーズを用いて eat sushi
原形動詞フレーズは、ある行為や状態を頭の中で思い浮かべる映像世界のようなものです。
(3) Eat sushi. ※命令形
寿司を食べなさい
(4) Don't Eat sushi. ※禁止の命令形
寿司を食べてはいけない
(5) Let me eat sushi. ※使役構文
私に寿司を食べさせてください
(6) Let's eat sushi. ※慣用表現
寿司を食べましょう
(7) I will eat sushi tomorrow. ※未来形
私は明日、寿司を食べます
(8) I can eat sushi. ※助動詞の文
私は寿司を食べることができます
(9) I can eat sushi. ※助動詞の文
私は寿司を食べることができます
(10) Shall we eat sushi? ※助動詞の文
寿司を食べましょうか?
(11) Will you eat sushi? ※助動詞の文
寿司を食べませんか?
(12) I saw her eat sushi. ※知覚動詞の用法
私は彼女が寿司を食べるのを見ました
*以下は、前置詞toが原形動詞フレーズを導いているものです。toは「到達点」を意味し、「頭に描いた映像世界に至る」と、未来的なイメージを付け加えます。
(13) I am to eat sushi. ※be toの構文
私は寿司を食べる予定です
(14) I am going to eat sushi. ※be going toの構文
私は寿司を食べる予定です
(15) I am sure to eat sushi. ※be sure toの構文
私きっと寿司を食べます
(16) I have to eat sushi. ※have toの構文
私は寿司を食べなければなりません
(17) I want to eat sushi. ※to不定詞
私は寿司を食べたいです
(18) I want you to eat sushi. ※want +人+to不定詞
私はあなたに寿司を食べてもらいたいです
(19) I told you to eat sushi. ※tell +人+to不定詞
私はあなたに寿司を食べるように言いました
(20) I came here to eat sushi. ※不定詞の副詞的用法
私は寿司を食べるためにここに来ました
(21) Sushi is something to eat. ※不定詞の形容詞的用法
寿司は食べるものです
(2) ing形動詞フレーズを用いて ate sushi
*ing形動詞フレーズは、「~しながら、~しながらのこと」と継続的な意味を持ちます。
(22) I am eating sushi now. ※現在進行形
私は今、寿司を食べています
(23) I was eating sushi at that time. ※過去進行形
私はその時、寿司を食べていました
(24) I like eating sushi at that time. ※動名詞
私は、寿司を食べることが好きです
(25) Stop eating sushi. ※動名詞
寿司を食べるのをやめなさい
(26) I came here eating sushi. ※主格補語構文
私は寿司を食べながら、ここに来ました
(27) I saw her eating sushi. ※目的格補語が現在分詞の用法
私は、彼女が寿司を食べるのを見ました
(28) I came back eating sushi. ※動名詞
私は寿司を食べないで、戻ってきました
(3) ed形動詞フレーズを用いて eaten sushi
*ed形動詞フレーズは、「~されて、~された」と受動的な意味と、「~したこと」と過去のイメージとなります。
(29) The sushi was eaten. ※受身形
その寿司は食べられました
(30) I have just eaten the sushi. ※現在完了形
私はちょうど寿司を食べたところです
(31) I had eaten the sushi when she came home. ※過去完了形
私は彼女が帰宅したときには、もう寿司を食べてしまっていました