例の「OKANE」問題に、連盟がとりあえず解決策を提示した模様です。
出場停止は妥当な判断でしょうね。追放処分も考えられる事態でしたが、まあそのくらいでいいでしょう。
ですが、なぜソフトバンクが優先されるのかは、大いに疑問が残ります。いくらパウエル側が現時点でソフトバンク入りを希望しているとはいえ、二重契約の“後出し”の方を優先する決定を連盟が下すのは、おかしいのではないでしょうか。仮契約とはいえ、契約は契約なんですから(詳しくは後述)。
これではパウエルのゴネ得になってしまい、悪しき前例を作ることになります。
少なくともオリックス・ソフトバンク双方が納得する解決策では決してありません。仮にソフトバンクに入るとしても、仮契約解除の違約金をオリックスに支払うだとか、オリックスはソフトバンクからパウエルの代わりに無償トレードで誰か獲得できるようにさせるとか、そういった措置をとる必要があるでしょう。
そして私はどうも、少なくとも現在までの報道で聞く限りでは、パウエルの言い分が納得できません。パウエルの言い分ですが、次の記事を見てみましょう。
「私の見解としては双方が合意に達した場合、原本にサインをするものだと思う。だからソフトバンクの持っているものが適正であり、オリックス側の(コピーの統一契約書)は自分の中では正式なものではない。08年はソフトバンクのためにプレーすることを望んでいる。」
んー……。
原本であろうとコピーであろうと、サインしたということは「その文書に書いてある内容に同意した」ということを意味するのではないでしょうか?
原本かどうかは、連盟に書類を差し出す時に生じる問題であって。
したがって、コピーであれサインした時点でオリックスとの仮契約が成立するはずで、その後ソフトバンクと契約するには仮契約を破棄する手続きを踏まなければならないのではないでしょうか?
今の報道ではどうも、「とりあえずプレーする球団が必要だからオリックスと仮契約→もっとお金くれるからソフトバンクに行こう!」という態度にしか見えないんですよね。
ただ、パウエル本人も被害者なのかもしれません。日本語を使えないパウエルが日本語で書かれた書類を見せられて、代理人に「ビザが要るから取り敢えずサインしとけ」とでも言われたら、(軽率だが)サインしてしまうかもしれません。
どうもパウエルの代理人とやらが噛ませ犬のような気もしなくもないです。
ここは是非、パウエル投手本人に会見で釈明して頂きたいところです。
会見の際の通訳は、第三者にお願いしたいと思います。記事にあるようにソフトバンク側が通訳を準備したら、ソフトバンクに都合のいいような訳し方をするかもしれませんし、オリックス側が準備しても同様の問題があります。
王球団副社長兼GM兼監督と中村球団本部長のそれぞれの出身球団である巨人・阪神の関係者も避けた方がよいでしょうね。
とにかく本人による釈明会見を待ちましょう。
パウエル投手を今後「OKANE」と呼ぶか「JP」と呼ぶかは、その後で決めます。
パウエルはソフトバンクに=パ連盟、6月末登録を勧告-プロ野球(時事通信 2008/02/04-19:46)
パ・リーグの小池唯夫会長は4日、前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)がソフトバンク、オリックスと二重契約状態になった問題で、6月23日以降にソフトバンク側の支配下選手契約を認めるとする解決策を両球団の代表に勧告した。
パ連盟はこの日、前日来日したパウエル投手から電話で事情聴取した結果、契約合意したとするオリックス側の主張と同投手の見解との相違を確認。「(オリックス側の申請を)受理しても選手本人が同意しなければ意味がない」(小池会長)として、より実現性の高い選択を下した。
ソフトバンクの支配下選手登録は6月末以前でもオリックスの合意があれば受け付けるが、合意がなければ育成選手契約も認めない。
パウエル投手は現時点でどの球団の支配下選手でもないため、野球協約上の拘束は受けない。だが、パ連盟は両球団の統一契約書にサインしたことなど、球界に混乱を招いた責任に対するペナルティーとして、実質的には6月までの出場停止に相当する措置を取った。(了)
出場停止は妥当な判断でしょうね。追放処分も考えられる事態でしたが、まあそのくらいでいいでしょう。
ですが、なぜソフトバンクが優先されるのかは、大いに疑問が残ります。いくらパウエル側が現時点でソフトバンク入りを希望しているとはいえ、二重契約の“後出し”の方を優先する決定を連盟が下すのは、おかしいのではないでしょうか。仮契約とはいえ、契約は契約なんですから(詳しくは後述)。
これではパウエルのゴネ得になってしまい、悪しき前例を作ることになります。
少なくともオリックス・ソフトバンク双方が納得する解決策では決してありません。仮にソフトバンクに入るとしても、仮契約解除の違約金をオリックスに支払うだとか、オリックスはソフトバンクからパウエルの代わりに無償トレードで誰か獲得できるようにさせるとか、そういった措置をとる必要があるでしょう。
そして私はどうも、少なくとも現在までの報道で聞く限りでは、パウエルの言い分が納得できません。パウエルの言い分ですが、次の記事を見てみましょう。
パウエル、ソフトバンクに行く!オリックスとの契約無効訴える(サンスポ 2008年2月4日)
二重契約疑惑がかけられているジェレミー・パウエル投手(31)=元巨人=が3日、中部国際空港着の飛行機で緊急来日した。AP通信のインタビューにもソフトバンクへの入団意思を示しており、パ・リーグ連盟に対してオリックスとの契約無効を訴える構えをみせた。
◇
日本中を大騒動に巻き込んだパウエルが、二重契約否定の目的で緊急来日した。ソフトバンクが手配した、米サンフランシスコ発、中部国際空港着の航空機に搭乗。支配下選手ではないため、渡航費こそパウエル側が負担したが、オリックスとの契約無効を日本で直訴する予定。来日に先立って受けたAP通信のインタビューにも、電子メールでこう答えた。
「私の見解としては双方が合意に達した場合、原本にサインをするものだと思う。だからソフトバンクの持っているものが適正であり、オリックス側の(コピーの統一契約書)は自分の中では正式なものではない。08年はソフトバンクのためにプレーすることを望んでいる」
パウエル、ソフトバンクの両者は「オリックスとは正式契約を交わしていない」というのが共通認識。4日、ソフトバンクは交渉経緯が記されたメール内容などをパ・リーグ連盟に提出。パウエル自身もパ連盟側の事情聴取を早期に受けたい意向で、場合によっては釈明会見を開く。
ソフトバンク・竹内COOは、まだ支配下登録されていないパウエルの全面援護を約束。すでに労働ビザも発給しており、支配下選手への認可が下りれば「すぐにでもキャンプに参加できる状態。それまでに通訳など身の回りの世話をできる人間をつける備えはできている」と正式契約に自信をみせた。5日に始まる第2クール中にも宮崎キャンプへ合流させる構えだ。
あとは、連盟がソフトバンク入団の裁定を下すかどうか。オリックスと交わしたコピーの統一契約書へのサインが、パウエルの釈明によってクリアされるかどうかが焦点。キャンプイン直前に発火した大騒動は、最終局面を迎えた。
(三木智隆)
「私の見解としては双方が合意に達した場合、原本にサインをするものだと思う。だからソフトバンクの持っているものが適正であり、オリックス側の(コピーの統一契約書)は自分の中では正式なものではない。08年はソフトバンクのためにプレーすることを望んでいる。」
んー……。
原本であろうとコピーであろうと、サインしたということは「その文書に書いてある内容に同意した」ということを意味するのではないでしょうか?
原本かどうかは、連盟に書類を差し出す時に生じる問題であって。
したがって、コピーであれサインした時点でオリックスとの仮契約が成立するはずで、その後ソフトバンクと契約するには仮契約を破棄する手続きを踏まなければならないのではないでしょうか?
今の報道ではどうも、「とりあえずプレーする球団が必要だからオリックスと仮契約→もっとお金くれるからソフトバンクに行こう!」という態度にしか見えないんですよね。
ただ、パウエル本人も被害者なのかもしれません。日本語を使えないパウエルが日本語で書かれた書類を見せられて、代理人に「ビザが要るから取り敢えずサインしとけ」とでも言われたら、(軽率だが)サインしてしまうかもしれません。
どうもパウエルの代理人とやらが噛ませ犬のような気もしなくもないです。
ここは是非、パウエル投手本人に会見で釈明して頂きたいところです。
会見の際の通訳は、第三者にお願いしたいと思います。記事にあるようにソフトバンク側が通訳を準備したら、ソフトバンクに都合のいいような訳し方をするかもしれませんし、オリックス側が準備しても同様の問題があります。
王球団副社長兼GM兼監督と中村球団本部長のそれぞれの出身球団である巨人・阪神の関係者も避けた方がよいでしょうね。
とにかく本人による釈明会見を待ちましょう。
パウエル投手を今後「OKANE」と呼ぶか「JP」と呼ぶかは、その後で決めます。