囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

「ごめんなさいませ」って?

2021年04月14日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

プロでも、やらかした の巻】

 


通勤電車のなか

スマホでニュース速報を見ていると

こんな記事が目に止まった。

まずは、その引用から――


         


朝日新聞デジタル   2021年4月13日 18時00分配信


■タイトル

囲碁名人戦予選で「待った」 盤上の石ずらし反則負け


■本文

 囲碁名人戦の予選で、対局棋士の一方が盤上に着手した自分の石を、約20秒後に別の場所にずらして対局を続けるアクシデントがあった。敗れた相手棋士から異議申し立てがあり、日本棋院は13日、対局で禁じられている「待った」に当たるとして勝敗結果を覆し、石をずらした棋士の反則負けとした。

 アクシデントは8日の名人戦予選C1回戦、河野征夫(ゆきお)五段(80)―尚司和子三段(83)戦で起きた。

 図1の河野五段の▲に、尚司三段は△で応じた。ところが約20秒後、河野五段が次の手を考慮中、その石を図2△にずらした。

その場で河野五段が指摘しなかったため、対局は続けられ、尚司三段が勝った。

 終局後、河野五段は棋院に異議を申し立てた。尚司三段が石をずらしたことを認めたため、棋院は13日の常務理事会で尚司三段の反則負けとした。

 尚司三段は取材に対し、「対局のとき目が腫れていて、打った石がずれていたので『ごめんなさいませ』と言って直した。相手が何も言わなかったので打ち続けた」と話した。

 河野五段は「(相手が石をずらしたとき)相手の負けと思ったが、自分の消費時間が減っていくのが気になりそのまま打ち続けた」と話している。

 

【注】図は割愛した

 


         ◇

 


ともに80代、経験豊富なプロ棋士である。

ここで、不思議なのは、「この石は、ここですか?」

と記録係に「なぜ確認しなかったのか」という点である。

予選でも、七番勝負でも、対局中は立会人がそばにいない。

だが、対局者同士が相談して決めることではないはず。

 


余談だが、処分内容の詳細は記されていない。

反則負けの本人の処分は厳しいものだったと想像する。

相場は、名人戦の1年間出場停止と罰金あたりだろう。

「やらかした代償」は大きい。

 


さて、アマの場合、

これは対局者同士で確認し合うしかない。

ときどき、険悪な雰囲気になっているのは、

そのためである。

落語で出てくる「待った」「待たない」の風景。

 


リアル碁を5年近く前に再開したわたしだが、

打ち直し(待った)は10回ほど体験した。

全部、相手が「やらかした」ことである。

「待った」を許せば、相手有利になるから

こちらは負けるのが必然である。

 


一度だけ、上位者に

3回ほど「待った」をされたことがあり

それでも我慢して打ち続けて勝ちをひろい、

その棋戦で優勝して、昇段したことがある。

その相手とは、それ以来、打っていない。

百人碁会で以前起きたことを、

ふと思い出した。

 

 

 


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