確定拠出年金

2015年10月26日 | Weblog

 

皆さん、こんにちは。

監査2課の朴賢大です。

 

皆さんは毎月、貯金されていますか?今日は預金でも節税になる、確定拠出年金のお話をしたいと思います。

確定拠出年金制度は私的年金で、支払った掛金が所得控除となり、掛金とその運用収益との合計額によって60歳位を超えた時から年金として受取ることが出来る年金制度です。

 

運用は皆さまご自身で選択されることとなりますが、定期預金や保険、投資信託などの選択肢が用意されております。

月の掛金は、事業主なら68千円(国民年金基金と合わせて)、サラリーマンなら23千円です。

障害や死亡時の一時金もあり、途中での減額(下限は5千円)・支払ストップも可能です。

年金、ということもあり、60歳までの引出禁止、また、掛金を担保とする借入は出来ません。

 

メリットは支払額が全額所得控除になること、デメリットは引出制限、担保禁止などです。総合的に考えますと、適する用途としてはその名の通り、老後資金の貯蓄、ということになります。

 

気になるのは効果ですが、例えば、年収400万円の新卒のサラリーマンが確定拠出年金に上限いっぱい23千円加入し、0.02%の定期預金でずーっと運用したとすると、

 

定期預金

確定拠出年金

差引

60歳の時の残高
(千円)

10,519

12,102

1,583

利回り

(%)

0.016%

0.380%

0.364%

同じ定期預金ですが、60歳の時には160万円近い違いが出てきます。

これは、毎年の掛金23千円×12ヶ月=27万円分だけ、所得が減り、所得税・住民税が安くなるためです。この方の場合、税率は15%で年間41千円の得、という結果になります。

国民年金基金に加入していない年収30百万円の個人事業主(50歳)が掛けるとどうでしょうか。

10年での拠出残高8百万円に対して、10年での節税額4百万円位になるかもしれません。

 

同じ定期預金なのに、預け方次第で手取り額が変わるのはとても面白いですね。

ただし、60歳まで換金できない点にはくれぐれもご注意下さい。

 

ご自身のライフプランの設計に合わせて、ご検討なさってはいかがでしょうか。

ご興味のある方は、弊所までご一報下さい。

 

それでは、失礼します。

 


介護保険について

2015年10月19日 | Weblog

こんにちは。夕方、自宅の近くで金木犀の香りがしました。金木犀のいい香りがすると「秋」を感じます。今年は是非、読書の秋にしたいものです。 では、本題です。今回は介護保険について少し書いてみようと思います。

 

介護保険の引き締めの一環として、利用者負担の見直しが行われました。これまでは、介護保険サービスを利用した場合、区分支援限度額をオーバーした場合や保険料滞納があった場合を除き、「1割負担」が維持されてきました。自己負担が、平成27年8月より一定以上所得者(65歳以上の1号被保険者のみ)に関して2割へとアップされました。

 

この「一定以上所得者」の定義は、所得金額で年間160万円(単身で年金収入のみの場合は年収280万円)です。それ未満であれば無条件で1割負担のままとなります。注意したいのは、年間所得が160万円以上であっても、2割にならず1割負担のままのケースがある事です。例えば、本人の世帯内で他に1号被保険者がいる場合、その人の年金収入+その他の合計所得まで合わせた総額が346万円未満なら、1割負担のままです。

 

なお、一部の利用者の負担が2割となったのに合わせて月あたりの自己負担限度額もアップされました。自己負担限度額は所得段階に応じて決められており、それをオーバーした場合は高額介護サービス費として還付されます。

 

具体的には、世帯内に課税所得145万円以上の1号被保険者がいる場合に、その世帯を「現役並み所得世帯」として、自己負担限度額をこれまでの37,200円(一世帯)から44,400円に引き上げられました。これは、70歳以上の医療保険にかかる(個人ごと)外来を利用した場合の自己負担限度額と同額です。

 

以上、介護保険の負担割合の改定について書いてみました。

これから寒くなりますので皆様、風邪などひかぬようお身体ご自愛くださいませ。

 

 

                                                   監査部一課

                                                   小田原 敏宏


消費税インボイス方式

2015年10月19日 | Weblog

みなさま、おはようございます。

福岡では気持ちの良い晴天が続いています。

 

今回は最近紙面を賑わせている消費税の軽減税率問題について纏めてみました。

消費税は平成29年4月から10%に増税されることが決定しています。

消費税は、誰でも同じ税率が適用されるため、所得に対する消費比率が高い低所得者の負担が大きくなるといわれています。そのため、消費税に複数の税率を導入し、食料品などの生活必需品には低い税率を適用して、消費者の負担を軽くしようとするのが軽減税率と呼ばれるものです。

 

軽減税率が本当に必要なのかという疑問も残りますが、導入に際しては対象品目の選定や、減った分の財源確保問題、そして仕事柄一番気になるのですが経理方法をどうするのかを検討されなければなりません。

 

対策として当初の財務省案では、今月から配布が開始される個人番号カード(マイナンバー)を使って増税分を後から還付する案が出てきました。ところが、還付上限が4,000円と少ないこと、事業者に事務負担や設備投資負担を強いることなどから反対を受けて撤回に追い込まれました。マイナンバーカードを購入の都度レジに出す必要がありセキュリティー面でも不安があります。

 

代わって出てきたのがインボイス(税額票)方式と呼ばれるものです。消費税の計算方法は販売時に預かった消費税から、仕入時に支払った消費税を控除した額を納めるというものですが、インボイス方式は上記販売時、仕入時の消費税を品目ごとの税率や消費税額が記入されている税額票を使って把握しようとするものです。税額票を使えば複数税率になった場合でも税額を正しく把握できるとされています。

制度導入時は従来の請求書を使った簡易なインボイス方式が考えられているようですが、この場合でも事業者の事務負担や設備投資負担は避けられないと思います。

 

消費税は3%から5%、そして8%とアップしてきました。毎回税率がアップするだけでも現場は混乱しました。今回は複数税率へと変わり、かつ税額票を使った計算方法へ移行するという大幅な変更になります。

どれだけの影響があるのか想像がつきませんが、この方式は増税と同時に導入することが検討されており、導入まで1年半というのは結構タイトなスケジュールだと思います。今後も注意深く観察、情報収集してお知らせしていきたいと思っています。

 

監査部2課  藤野慶一


雇用促進税制について

2015年10月05日 | Weblog

朝夕が肌寒い季節になってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本日は雇用促進税制についてご紹介させていただきます。

雇用促進税制とは適用年度中に、雇用者数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させると、雇用者数の増加1人あたり最大40万円の税額控除が受けられます。ただし、適用を受けるためには、あらかじめ雇用促進計画をハローワークに提出する必要があります。

 

<要件>

①    青色申告書を提出する事業主であること。

②    適用年度と前事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと。

③    適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業の場合は2名以上)、かつ、10%以上増加させていること。

④    適用年度における給与等の支給額が、比較給与等支給額以上であること。

⑤    風俗営業等(キャバレーやパチンコ店など)を営む事業主ではないこと。

※中小企業とは以下のいずれかを指します。(詳細は租税特別措置法第42の4および同法施行令を参照ください)

・資本金1億円以下の法人

・資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1000人以下の法人

(個人事業主の場合は、常時使用する従業員が1000人以下の個人)

 

<税額控除限度額>

税額控除限度額は基準雇用者数に40万円を乗じた金額になりますが、その事業年度の法人税額の10%(中小企業者等については20%)が限度となります。

 

<雇用促進計画の提出について>

雇用促進計画は適用事業年度開始後2ヵ月以内に管轄のハローワークへ提出を行い、適用年度終了後2ヵ月以内に管轄のハローワークで計画の達成状況についての確認を受け、その際交付される雇用促進計画の達成状況を確認した旨の写しを確定申告書に添付する必要があります。

※雇用促進計画の作成については、特に難しいものではなく、1時間もあれば処理は完了します。ハローワークへ出向いて作成する場合は、法人であれば法人印と社判を持参する事をお勧め致します。

 

当事務所では人材関係の税額控除として雇用促進税制や、雇用促進税制と選択適用となる所得拡大税制はマストのアイテムとなっております。翌期において雇用者を増加させる予定のある事業主様は、雇用促進計画をハローワークへ提出することをお勧め致します。

ご不明点は厚生労働省のQ&Aをご参照いただくか、当事務所まで御連絡いただけると幸いです。

 

                                                                     監査部1課 梅北聖人