「防災の日」にあたる1日、能登半島地震は発生から8カ月となる。8月には宮崎県沖での地震を機に南海トラフ地震臨時情報が初めて発表され、防災への関心は普段以上に高まっている。それぞれに詳しい専門家は、近い将来の発生が懸念される首都直下地震や南海トラフ地震などを念頭に置いた上で、今後に向けた教訓を指摘する。
能登半島地震では、震源に近い石川県輪島市で大規模な市街地火災が発生した。現地調査を行った東京大の廣井悠教授(都市防災学)は、木造住宅密集地域における対策の重要性を挙げる。
火災が起きた市街地は、1ヘクタールあたりの建造物が50棟程度だった。東京や大阪などの大都市では、より密集している地域もある。そのため危険な木造密集地域の対策を進めるとともに、地域消防活動の推進を住民だけに任せず、行政が支援すべきだとする。
能登半島地震では津波による火災も起きた。南海トラフ地震のような津波を伴う地震の対策では、出火しやすい危険物の流出を防ぐ必要もある。
さらに廣井氏によると、石川県珠洲市では地震発生後の在宅避難中に火災が発生した。人口が多い大都市では、発災時に避難所不足などから在宅避難が推奨されることもある。避難生活での火災対策も考慮すべきだと廣井氏は指摘する。
一方、南海トラフ地震の臨時情報について、制度づくりに関わった名古屋大の福和伸夫名誉教授(地震工学)は「初の発表で、ほとんど認知されていなかったことを踏まえると、全体的には冷静な対応だった」と話す。
ただ、各自治体の対応には差があった。今回の事例を機に、ガイドラインの見直しなどを進める必要があるとする。
産経新聞
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