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【御嶽山噴火1年】

2015年09月27日 08時44分24秒 | Weblog

山頂付近で石造りの台座に寄りかかり救助を待つ女性。右手を小さく震わせ、助けを求めた=2014年9月28日午前11時31分、御嶽山(本社チャーターヘリから、大山文兄撮影)御嶽山頂上付近の八丁ダルミを登っていた女性が撮影した噴火直後の御嶽山(女性提供)

【御嶽山噴火1年】
生還女性が初めて語る“あの時” 「焼け死ぬのか、溶けるのかな」   58人が死亡、5人が行方不明となった戦後最悪の火山災害、御嶽山(おんたけさん)=長野、岐阜両県=の噴火は27日で発生から1年。噴火翌日の平成26年9月28日に撮影され、翌29日付産経新聞1面に掲載された写真に写っていた東京都内の40代の女性が初めて取材に応じた。火山灰が積もった山頂付近で、周囲の登山客が次々と息絶える中、生還を信じ救助を待ち続けた女性。「備えの大切さを伝えたい」。噴火で受けた傷は今も癒えないが、当時の状況を振り返る決意をし、「あの時」を語った。

■ □ ■

 もう手を振る力はほとんど残っていなかった。噴火から一夜明けた平成26年9月28日午前11時半。火口付近の八丁ダルミにある石像の石造りの台座に寄りかかった女性は、頭上を飛び交う自衛隊などのヘリに向けて救助を求めようとしたが、わずかに右手を振るのがやっとだった。

 降りしきる噴石で左腕を失い、腰や背中にも傷を負った。動くたびに激痛が襲い、貧血で何度も意識が遠のいた。「私に気付いていないのかもしれない」。なかなか近づいてこないヘリを見ながらそう思っていると、手元の携帯電話に着信があった。

 「どこにいますか」。災害対策本部からの電話だった。前日、ともに山を登り、無事助かった友人が、通報していてくれたのだ。  しばらくすると消防のハイパーレスキュー隊が到着した。「がんばってね。がんばってね」。女性を乗せた担架を運ぶ隊員が励ましの声を送り続ける。

 まもなく灰に覆われた王滝頂上山荘が目に入った。「助かった」。そう思った。

 救出された台座の周囲には、前日までは確かに生きていた登山客の男性が、朝を迎えることができないまま、息絶えて倒れていた。

 「生き残れたのは噴石が当たる、当たらないの運、どこに当たったのかの運もあると思う。でも、少しだけ準備していったことも大きい」。女性はそう振り返ると、あの時の体験を語り始めた。

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