石炭から天然ガスを作る「菌」があった 産総研がサイエンスに発表
「将来、天然ガスの増産技術の開発に」
石炭から直接、天然ガスの主な成分であるメタンを作り出す菌を発見したと、産業技術総合研究所の研究チームが米科学誌サイエンスに発表した。これまで、酢酸やメタノールを原料にメタンを作る菌は知られていたが、石炭から生成できる菌は初めてという。
産総研の真弓大介研究員は「将来的には天然ガスの増産技術の開発にもつながる可能性がある」としている。新たな資源として注目されている、地下の石炭層に含まれる天然ガス「コールベッドメタン」の生成にも、同じような働きを持つ菌が重要な役割を担っている可能性がある。
チームは石炭に含まれる主な成分の一つである「メトキシ芳香族化合物」という物質に注目。メタンを作る菌を11種類使い、この化合物とそれぞれ一緒に培養した。
その結果、深さ約千メートルから採取した「AmaM株」という菌とその近縁株が、この化合物からメタンを作れることが分かった。褐炭などさまざまな種類の石炭を培地に混ぜてAmaM株を培養し、直接メタンができることも確認した。
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