MRJ

2014年08月04日 18時36分54秒 | Weblog

  国産飛行機ができるのは、嬉しい

                    既に、365機を受注

         “妥協なき翼”、継承

国産小型ジェット旅客機「MRJ」のイメージ図(三菱航空機提供)

 工場の中に一歩足を踏み入れると、想像よりも大きな黄色い機体が目に飛び込んできた。3日、県営名古屋空港(愛知県)のすぐ脇にある三菱重工業の技術試験場。機体は作業用の青色の鉄柱に遮られ、その全貌までは把握できない。しかし、この飛行機こそが、戦後の日本の航空産業がたどりついた到達点であり、未来への出発点でもある。

 「MRJ」(三菱リージョナルジェット)と名づけられたこの飛行機は「YS-11」以来、40年ぶりの国産旅客機だ。プロペラのないジェット機としては初めての国産旅客機となる。年内に初号機の機体が完成、来年6月までに悲願の初飛行という段階まできた。

 「長い間、自分たちの機体を造りたくても造れなかった時代の先輩たちが残した財産を使わせてもらい、ようやくここまできた」

 三菱重工グループの三菱航空機でMRJ開発に長年携わる真保雄一試験管理室長は、試験機を前に感慨深げにこう語った。

 試験場から南へ車で約40分。MRJ開発の司令塔となる三菱航空機本社は、日本の航空産業の“聖地”として知られる。

 

本社が置かれているのは名古屋市南部の三菱重工の旧事務所。昭和12年建造の白亜の建物は、「時計台」という通称が示すように、その屋上でモダンなデザインの時計が今も時を刻む。そして、さかのぼること七十余年、三菱重工のエンジニアだった堀越(ほりこし)二郎氏が、この時計台3階の「機体設計室」で「零式艦上戦闘機(零戦)」の設計にあたった。ちなみに堀越氏は、昨年ヒットした宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」のモデルとなった人物だ。

 「最高速度500キロ、航続力8時間以上。海軍からのこんな厳しい要求に応えるため、堀越氏は軽量化や無駄な抵抗をなくす努力をしたんです」

 三菱重工の名古屋航空宇宙システム製作所史料室長の天野隆司氏(74)は、展示された零戦の復元機を前に、こう解説する。

 東大の鈴木真二教授(航空宇宙工学)は「戦時中に1万機以上が製造された零戦は、開発当時は確実に世界の航空の頂点に位置していた」と語る。高速でも低速でも同じように反応する操縦桿(かん)は、高速時に延びるように操縦ケーブルの剛性をあえて低下させた型破りな設計で、「戦後に欧米の航空研究者を驚かせた」(鈴木教授)という。

 

ずばぬけた戦闘力は、米軍に「ゼロ(零戦)と格闘戦をしてはならない」という指示を徹底させた。当時の米国の文学には「あの女はゼロよりも手ごわい」「若い女をくどき落とすのは難しくないが、ゼロを落とすのは容易ではない」など、難攻不落のたとえとして零戦を持ち出す表現がみられるほどだ。

 米軍を畏怖させた零戦製造の技術力は今、安全性と快適性に生かされていると、多くの関係者は語る。

 素材へのこだわりも受け継がれている。戦前、戦闘機に求められた耐久性と軽量性を確保するため、住友金属工業は「超々ジュラルミン」という高強度素材を開発した。MRJも、垂直尾翼などに高強度で軽量の最先端素材「炭素繊維」を採用している。

 零戦の開発中には2回の墜落を経験するなど苦労もあったが、堀越氏をはじめ当時の技術者が奮闘し、技術の革新が進んだ。そして、終戦間際には、現在のMRJにも通じる、幻のジェット機が誕生した

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韓国世帯の生活保護受給率

2014年08月04日 09時49分17秒 | Weblog

 韓国世帯の生活保護受給率 http://youtu.be/FwBfXg_j1Mw

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掃海技術と集団的自衛権

2014年08月04日 08時59分07秒 | Weblog

 日本が誇る掃海技術と集団自衛権 http://youtu.be/MC1WtT_8Omg

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真夏の夜の動物園  上野動物園

2014年08月04日 05時02分58秒 | Weblog

 

8/9-8/17「真夏の夜の動物園」
 

真夏の夜の動物園 バナー

 上野動物園では、開園時間を3時間延長して20時まで開園し、「夜の動物園」を楽しんでいただくイベントを開催します!
 スマトラトラやタテガミオオカミなどの夜行性動物のほか、ジャイアントパンダやハシビロコウなど、普段は見られない動物たちの夜のすがたをゆっくりとご覧いただけます。また、飼育係のトークを聞いて動物のことを「しる」、動物園の裏側を「のぞく」、動物に「ふれる」、園内を「めぐる」、夜の動物園特別イベント「スペシャル」の5つのテーマで、この期間限定の企画も多数おこないます。
 さらに、西園の不忍池テラスではオープンビアガーデンを営業。不忍池を吹き抜ける自然の風の中で、夕涼みをお楽しみいただけます。夏休みだけの特別イベントに、ぜひご来園ください。


◎開園時間を延長する日:2014年8月9日(土)~8月17日(日)

◎延長時間:20時まで(入園は19時まで)

 ※一部の動物については、体調管理のため早めに寝小屋に入るので、延長時間中にご覧になれません。
  ご了承ください。


◎主な動物や施設の観覧延長時間

東園西園
動物・施設名観覧延長時間動物・施設名観覧延長時間
ゴリラ 16:20まで ワオキツネザル 18:30まで
ドール 18:15まで 子ども動物園 なかよし広場 18:30まで
ホッキョクグマ 18:30まで シマウマ 19:00まで
猛禽舎 18:30まで 両生爬虫類館 19:45まで
バードハウス(2階) 18:30まで 小獣館 19:50まで
トラ・ライオン 19:00まで キリン 19:50まで
バードハウス(1階) 19:30まで オカピ 19:50まで
ジャイアントパンダ 19:45まで サイ、カバ・コビトカバ 19:50まで
夜の森 19:50まで アイアイ 19:50まで


◎入口のご案内

 表門(東園)・池之端門(西園)の入園は9時30分~19時です。
 ※退園は、弁天門(西園)を含め、すべての門からできます(20時まで)。

涼しげな氷柱
ライトアップされた園内

◎日ごとのイベント(クリックすると、その日のイベント一覧が表示されます)

 9(土) 10(日) 11(月) 12(火) 13(水) 14(木) 15(金) 16(土) 17(日)


しる

 飼育係が、担当の動物についてわかりやすくお話しします。
 ※イベント名に「◆」がついたものは、雨天中止です。
 ※動物の体調などにより、イベント内容を変更・中止する場合があります。


イベント名
内容
時間場所実施日
9
10
11
12
13
14
15
16
17
日本在来馬たちの大行進&在来馬トーク ◆
在来馬たちが厩舎へ帰る行進を実施し在来馬について飼育係がお話しします。
17:30~18:00 〈西園〉
子ども動物園
君も動物博士になろう
【ゾウ】

ゾウの糞や牙などを使って、みなさんの疑問にお答えします。
17:30~18:00 〈東園〉
ゾウ舎
             
君も動物博士になろう
【アザラシ】 ◆

飼育係からのクイズに挑戦してみましょう!
18:00~18:30 〈東園〉
アザラシプール
             
君も動物博士になろう
【トラ・ライオン】 ◆

トラとライオンについて、飼育係がお話しします。
18:00~18:30 〈東園〉
トラ舎
             
君も動物博士になろう
【バク・カピバラ】 ◆

バクとカピバラについて、飼育係がお話しします。
18:00~18:15 〈東園〉
ラマ・バク舎
             
藤棚カフェ「動物たちのここだけの話」 ◆
画像や動画を交え、飼育係が担当動物のとっておきのお話をします。
8/11「動物の赤ちゃん」
8/15「この動物、どうやって見分けるの?」
18:30~19:10 〈東園〉
藤棚休憩所
             
君も動物博士になろう
【ゴリラ】 ◆

ゴリラについて、飼育係がお話しします。(※この時間ゴリラは見られません)
18:00~18:30 〈東園〉
ゴリラ舎
             
夜のカワウソを見にいこう ◆
ユーラシアカワウソについて、飼育係がお話しします。
19:00~19:15 〈東園〉
カワウソ舎
             
日本の動物「昼と夜」 ◆
昼行性動物をテーマにした「昼の部」と、夜行性動物をテーマにした「夜の部」の2部構成で、各動物舎の前で飼育係がお話をします
昼の部:
14:30~15:00
夜の部:
19:00~19:30
昼の部:〈東園〉
サル山ほか
夜の部:〈東園〉
シカ舎ほか
             


藤棚カフェ
在来馬の行進


のぞく

 普段はなかなか見ることのできない動物園の裏側をのぞく、特別なイベントです。
 ※イベント名に「◆」がついたものは、雨天中止です。
 ※動物の体調などにより、イベント内容を変更・中止する場合があります。


イベント名
内容
時間場所実施日
9
10
11
12
13
14
15
16
17
キリンの運動場に入ってみよう ◆
普段は入れない、キリンの運動場にお邪魔してみましょう!
17:30~18:15 〈西園〉
キリン舎
           
ゾウの運動場に入ってみよう ◆
普段は入れない、ゾウの運動場にお邪魔してみましょう!
17:00~17:45 〈東園〉
ゾウ舎
             
Cook Zoo!? 動物園の台所探検
動物たちがどんなエサを食べているのか、どのようにつくられているのか、職員のお話を聞きながら実際に見てみましょう!
18:00~19:30 〈西園〉
カンガルー舎集合
           


ゾウの運動場に入ってみよう
動物園の台所探検


ふれる

 開園時間の延長にあわせ、普段は日中におこなっているふれあい体験イベントを夕方にも実施します。
 ※動物の体調などにより、イベント内容を変更・中止する場合があります。

イベント名
内容
時間場所実施日
9
10
11
12
13
14
15
16
17
ヤギにご飯をあげてみよう
ヤギに青草を与える、エサやり体験です。
16:30~16:45 〈西園〉
子ども動物園
ウサギ・モルモットにさわってみよう
モルモット、ウサギ、ハツカネズミなどとのふれあい体験です。
18:30~19:10 〈西園〉
子ども動物園


ヤギにご飯をあげてみよう
ウサギ・モルモットにさわってみよう


めぐる

 ツアーやクイズラリーなど、園内をめぐる参加型のイベントをご用意しています。
 ※イベント名に「◆」がついたものは、雨天中止です。
 ※動物の体調などにより、イベント内容を変更・中止する場合があります。


イベント名
内容
時間場所実施日
9
10
11
12
13
14
15
16
17
巨木ツアー ◆
総合案内所周辺の巨木をめぐり、職員が解説します。
18:00~18:30 〈東園〉
ガイドツアー集合看板
         
野生のコウモリ観察 ◆
都会でも簡単に観察できる野生動物、アブラコウモリ。コウモリの超音波を聞いていただきながら、職員が解説します。
18:30~19:00 〈西園〉
弁天門前
             
おもしろ発見!クイズラリー「夕暮れどきの動物たち」
動物を観察しながら解いていくクイズに挑戦してみましょう!(先着200名)
16:30~18:00 〈東園〉
ガイドツアー集合看板
         


野生のコウモリ観察
夜の園内


スペシャル

 「真夏の夜の動物園」ならではの、特別なイベントを実施します。夜の動物園をお楽しみください。
 ※イベント名に「◆」がついたものは、雨天中止です。
 ※都合により、イベント内容を変更・中止する場合があります。
 ※動物の体調などにより、イベント内容を変更・中止する場合があります。


イベント名
内容
時間場所実施日
9
10
11
12
13
14
15
16
17
バルーンアート
美術予備校生と高校生がつくった動物バルーンを展示します。
9:30~20:00 〈西園〉
西園食堂
ヘビ・トカゲと記念撮影 ◆
飼育係が持つヘビやトカゲと記念写真を撮りましょう! ※カメラは各自でご用意ください。
17:30~17:50 〈西園〉
両生爬虫類館前
         
音楽の夕べ①
ワダマンボ+アンドウケンジロウ
ワダマンボ公式サイト

日本随一のカリプソ・バンド「CaSSETTE CON-LOS」のギター/歌とクラリネットによるデュオ。
18:30~19:30 〈西園〉
不忍池テラス
               
音楽の夕べ②
酒井一郎トリオ
酒井さんブログ

都内各所で演奏しているベーシスト酒井一郎と、右近茂(T.Sax)、板垣誠(Vib)、のトリオによるスタンダード・ジャズ!
18:30~19:30 〈西園〉
不忍池テラス
               
音楽の夕べ③
コーコーヤ公式サイト

笹子重治(G)、江藤有希(Vn)、黒川紗恵子(Cl)による、楽しくてどこか懐かしいシアワセ音楽。
18:30~19:30 〈西園〉
不忍池テラス
               
音楽の夕べ④
森林とことり
ハチャトゥリアン楽団公式サイト

若手ニューオリンズ系楽団「ハチャトゥリアン楽団」の、まるやま(Banjo/Vo)、なほ(Tp)によるデュオユニット。
18:30~19:30 〈西園〉
不忍池テラス
               
工作教室
動物の毛などを利用した小物づくりの体験ができます。
15:30~16:30 〈西園〉
子ども動物園
         
夕暮れトーク
園長ほか、日替わりで動物園のとっておきのお話をします。
18:00~18:30 〈西園〉
不忍池テラス
           
夜のどうぶつシアター
(ナショナル ジオグラフィック チャンネル)

ナショナル ジオグラフィック チャンネルの協力で、12日と14日は暗闇の中で狩りをする野生ライオンの映像を、13日と15日はコンゴ川でくらすハシビロコウなどの野生動物たちの貴重な映像を、それぞれ上映します。
18:30~19:30 〈西園〉
不忍池テラス
         
紙芝居「かわいそうなゾウ」
終戦記念日にちなみ、紙芝居師三橋とらさんが「かわいそうなぞう」を実演します。
16:00~16:45 〈西園〉
子ども動物園
               


 
夕暮れトーク
(写真は土居園長)
 


「初公開!知られざる夜のライオン」
(8月12日、14日に上映)
「世界大自然紀行:コンゴ~大河の命」
(8月13日、15日に上映)


ボランティアの特別スポットガイド

 TZV(東京動物園ボランティアーズ)が、いろいろな動物の前で特別スポットガイドを実施します。
 ※イベント名に「◆」がついたものは、雨天中止です。

イベント名時間場所実施日
9
10
11
12
13
14
15
16
17
ヘビクイワシ ◆ 17:00~
18:00
〈東園〉
藤棚休憩所前
               
5つの質問 ◆ 16:30~
17:30
〈東園〉
ペッカリー前
               
ゾウ 17:00~
18:00
〈東園〉
ゾウ舎
               
トラ 18:15~
19:15
〈東園〉
トラ舎
               
パンダ 17:00~
18:00
〈東園〉
パンダ舎
               
カバ 17:30~
18:30
〈西園〉
カバ舎
               
ニホンザル ◆ 17:00~
18:00
〈東園〉
サル山
               
ハシビロコウ ◆ 17:00~
18:00
〈西園〉
ハシビロコウ舎
               
カンガルー 17:00~
18:00
〈西園〉
カンガルー舎
               
オオアリクイ 17:00~
18:00
〈西園〉
オオアリクイ舎
               


飲食施設・ギフトショップの営業

 園内の飲食施設・ギフトショップの営業時間を延長します。

(1)オープンビアガーデン
 夏らしいブルーをイメージしたビールや、おつまみなどを販売します。

 営業時間:17時~20時(ラストオーダー19時30分)
 営業場所:西園 不忍池テラス

(2)レストラン
 食事や飲み物を用意しています。
 ※各レストランは、ラストオーダー以降20時まで休憩所としてご利用いただけます。

 【東園食堂:115席】 営業時間:10時~20時(ラストオーダー19時) ※ホール開放は20時まで
 【西園食堂:112席】 営業時間:10時~20時(ラストオーダー17時30分) ※ホール開放は20時まで

(3)軽食
 軽い食事や飲み物を用意しています。

 【バードソング(東園ツル舎前)】 営業時間:10時~19時30分
 【カフェカメレオン(西園モノレール駅前)】 営業時間:10時~19時30分

(4)ギフトショップ
 この時期にしか手に入らない、数量に限りのある夏季限定グッズも販売します。

 【東園:リトルトランク】 営業時間:9時30分~20時
 【西園:プチカメレオン】 営業時間:9時30分~20時

(5)ベビーカーの貸出し
 東園表門横・西園池之端門横に各1ヵ所

 貸出時間:9時30分~19時(返却は20時まで)
 料金  :1日300円


「真夏の夜の動物園」にご来園の皆様へのお願い

  • 動物へのフラッシュ撮影は、ご遠慮ください。
  • 懐中電灯などのライト類は、動物には向けず足元を照らすためにのみご利用ください。
  • 上野動物園には駐車場はありません。公共の交通機関をご利用ください。
  • 動物展示やイベント等は、動物の状況や天候などにより、内容や会場が変更または中止になることがあります。
  • 園内は殺虫剤が使えないので蚊が多くなっています。必要な方は虫除けをご利用ください。
   

 

 
 
 
 
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原子力

2014年08月04日 03時49分33秒 | Weblog

 8・15に思う 原子力支えた時代精神の復活を

 

 

 

 経団連21世紀政策研究所研究主幹 澤昭裕

 広島、長崎への原爆投下、後にも先にも核兵器が実際に使用されたのはこの時だけである。その悲惨な結果を目の当たりにした世界中の政府は、いかに不安定な国際政治環境にあっても、核兵器使用という選択肢を行使することには極めて慎重な姿勢を取ってきたし、未来に向けては核兵器ゼロの世界を目指そうとしていることもごく自然なことだろう。では、人類は原子力エネルギー技術をすべて捨て去ろうとしているのだろうか。世界的には、「否」である。

 ≪なぜ平和利用の道歩んだか≫

 東京電力福島第1原発の事故後、日本では原子力発電を廃止すべきだとの世論が席巻し、最近ではゼロリスクでないのであれば原子力発電所を動かしてはならないとの司法判断まで現れた。

 こうした反原発の主張の中には「被爆国日本は、当然原発に手を染めるべきではない」というロジックも頻繁に登場する。放射性物質による被害の恐ろしさは原爆も原発も共通であり、この世の中から廃絶されるべきだという論旨だ。現在の日本社会のムードの中では、原発を維持すべきだという立場を取る論客でさえ、こうした議論も心情的には理解できると思う者もいることだろう。

 それでは、原爆被害を受けた昭和20年からわずか10年もたたないうちに、なぜ日本は原子力の「平和利用」すなわち原子力発電推進の道を取りだしたのだろうか。原爆のごとき悲惨な放射線被害の身体的な障害や心の傷も癒えないうちに、原子力エネルギーを利用していくという政策を、国民はなぜ受け入れたのだろうか。特に、福島第1原発以降の世論の流れを見ているわれわれにとっては、終戦後の時代の国民意識や精神構造がいったいどのようなものだったのかという疑問が湧くのである。

 その時代の知識人や政治家、政府関係者などの言説を振り返ると、おおむね次のような世論が形成されていったように思われる。

 --原子力エネルギーや技術は軍事的に利用されれば、人類が滅亡の危機に瀕(ひん)することは間違いなく、被爆国日本としては核兵器の存在や使用には強く反対を唱えていく。一方、莫大(ばくだい)なエネルギーをもつ原子力については、それを日本の復興はもとより人類全体の文明を進化させるための原動力にするという平和的な利用を追求すべきである。特に被爆国の日本であるからこそ、そうした平和的利用のための研究開発や商業利用について、むしろ率先して世界をリードしていくべき使命を有しているし、また最優先でその権利の確保・行使が認められるべきだ。

 原子力は、リスクを伴うが、制御できれば大きな便益を引き出せるポテンシャルを持つエネルギーである。その制御技術は高度であるが、そうであるからこそ、その技術に習熟していくことは日本の技術力を示すいい機会であり、敗戦で失った国の自信や誇りを取り戻していくための道程の中心に据えるべきものである--。

 ≪課題に挑戦、乗り越える≫

 こうして形成された世論や国民意識に後押しされる形で、優秀な技術者の卵が原子力分野に進み、さらに国の予算注入や事業者の大規模な投資が行われ始めた。すなわち、戦後日本において希少かつ貴重だった人的資源や資金が、原子力分野に傾斜的に投入されていくことになるのである。

 一方で、この頃には原子力損害賠償法が成立するなど、原子力発電に伴う事故のリスクは当然のように認識されていて安全神話など存在しなかったし、新規の原子力発電所の運転開始直後にはトラブル続きの時期もあった。にもかかわらず、失敗したことの責任者を探してたたくという後ろ向きの姿勢ではなく、失敗を乗り越えて新しい技術や方法論にチャレンジするという活気が、戦後復興を目指す社会全体に横溢(おういつ)していたことが幸いして、初期のトラブルは乗り越えられていったのである。

 翻って現状はどうか。確かに福島第1原発の事故は大きな失敗だったし、原子力関係者に深甚なる反省の機会をもたらした。しかし、私が懸念するのはその後の関係者の萎縮した後ろ向きの対応である。原子力コミュニティーの人たちは口が重くなり、事業者も「今は何を言っても世の中は聞いてくれない」という思い込みからか、意見の発信に慎重だ。

 萎縮してはいられない

 さらに、特に前政権時には、政府や政治家がよってたかって、責任者探しと公衆面前での批判に明け暮れるという事態が続いた。このような関係者の態度が続くようでは、原子力の将来はない。

 構造的に資源に枯渇している日本にとっては、原子力技術を維持していくことは依然として重要な課題である。終戦記念日を前に思うのは、戦後の焼け野原から復興に向けてすべての資源を結集し困難があっても常にそれを克服していくのだという明るい精神態度、これが今の時代にも少しばかり復活すれば、ということである。(さわ あきひろ)

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