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Performance Engineering

タービンの話 その2 タービンの選択方法

2014-07-10 22:05:57 | チューニング理論
コンプレッサーマップの一例。このタービンを2Lエンジンで使用した場合にどうなるのか?


シンプルに考えるため、はじめに圧力比1、つまりブースト0での流量を排気量で割って、回転数に変換してみます。おおよその変換は流量(lb/m)*1100/排気量(リットル)で出来ます(外気温18度の場合)。

横軸の位置に赤い文字で記入してあるのが回転数の数字。5lb/min刻みで2700、5400、8200rpmというとチューニングエンジンのパワーバンドとしてイメージし易いでしょうか。

ブーストが掛かると空気が圧縮される分、エンジンに流入する量(質量)は増加します。圧力比2、ブースト1barなら2倍(実際にはそう単純ではないが…)になるのを考慮し、先程の3点からブーストによる流量の変化を記入したのが赤い線。

始めに2700回転の線を見ると、圧力比1.4あたりでサージエリアに突入。これではブーストは上がりません。

次に5400回転のライン。圧力比が低い部分から、効率の良いエリアに入っており、アクセルを踏みなおしたような場合にもすぐにトルクが立ち上がるのが予想できる。この回転域ではブーストを上げ気味にしてもタービンの性能としては余裕があるのも読み取れる。

最後に8200回転のライン。圧力比2.6あたりまで使えるけど、効率が65%まで落ち、タービンの回転数も上限近い。排圧も上がってるだろうから、ブーストも少し下げ気味で使った方がタービンの寿命にも優しく、パワーもそれ程変わらないでしょう。

トルクをフラットに出して、扱い易い仕様として使うなら、黄色の線のような感じで制御するのが良いでしょう。インターセプトは約4000回転くらいかな。(注…エンジン側の性能に左右される部分も大きいのでその辺の補正は必要です)

こういう情報をタービン買う前に把握できるなら、しない手は無い。活用しよう、コンプレッサーマップ。


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