旧車用特注ピストン製作例 メグロS8

当店の特徴でもある特注のエンジンパーツですが、旧車の絶版部品の代替部品として製作するケースも一定の割合で存在します。

より高性能なエンジンを志す者として、オリジナルに忠実に製作するのではなく、現代の技術でより高性能な物になるようなアプローチにて製作しております。

今回は目黒製作所（メグロ）の単気筒２５０ｃｃモデル、Ｓ８用のオーバーサイズピストンを紹介します。

古いピストンの特徴として、コンプレッションハイトが大きく、全長も長い傾向にあります。通常の特注では既存の鍛造型から適合する物を選定し、切削加工にて仕上げる製法上、寸法上の制約が多く注意が必要です。スカート長はほぼ間違いなく短くなりますので、首振りを他の方法で低減する必要が出てきます。そういった箇所に当店のノウハウが活きてきます。

単気筒エンジンではピストン重量が主運動系のバランスにも影響を及ぼすので、目標重量を設定の上、製作を依頼してあります。


サンプルの純正ピストン　２５１．７ｇ


製作した１ｍｍオーバーサイズピストン　ピンの袋を除けば２５２．４ｇ程度でしょうか。

重量差で１ｇ程度は、純正部品でも製造誤差の範囲内に収まるレベルです。


裏側を見ると形状に顕著に製法の違いが出ています。


目標重量達成のため、冠面裏側に軽量加工の痕が見られます。こういった加工は完成後に実施するとピストン全体の変形の原因となる為、製造段階の初期に実施する必要があります。

製造ロットの都合で複数受注しているので、ご希望の方にはご依頼主様を紹介可能です。メグロのＳシリーズなら互換性があるはずとの事です。気になる方はお気軽にお問い合わせ下さい。