![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/80/b8adbf4261b5e47c53d0c8c5972a30af.jpg)
エリーゼやセリカ等に搭載されている2ZZエンジンですが、デビューより20年近くが経過し、オーバーホールついでにチューニングを検討されている方も多いと思います。
散々ダイナパックでテスト、ECUチューニングを行ってきた結果明らかになった傾向を元に、チューニングのプランを提案してみます。
以下、Lotusの車輌での情報ですが、トヨタの車輌でも同様の傾向にあると思うので参考にはなるかと思います。
1、ノーマルエンジンの特性
連続可変バルブタイミングと可変バルブリフト(VTECと同様のハイカム切り替え)の作用によりトルクバンドは比較的広いものの、カムの切り替えポイント(6300rpm)前後で明らかなトルクの落ち込みがあり、シフトアップ時の回転低下で谷間に落ち込みやすく加速がもたつきやすい。カム切り替え後のトルクの伸びが少なく、盛り上がりに欠ける。エンジンの経年劣化により高回転でのトルクが減少しがちです。
2、吸排気の改造について
エアクリーナー、マフラーの変更は手が出しやすいので、交換している人も多いと思います。
エアクリーナーは少し厄介で、純正のエアクリーナーBOXにエアフローセンサーが付いている為、社外キットに交換するとエアフロセンサーの取り付け部分が変更されることになります。このセンサーにてエンジンへの流入空気量を検出しているわけですが、センサー周辺の気流の状態が変わると、センサーの特性も変わってしまいます。キットによっては検出量を誤魔化して燃調を変更するような作用を狙った物もあります。こういった製品の場合、副作用として特定の領域で息つき症状の発生や軽いノッキングの発生が見られます。本来、燃調や点火時期はECUのマップ上で変更するべきところなので、エアフローメーターは正確に空気量を検出できる状態のほうが適正なECUセッティングが可能です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/6d/04e75d9e01343b66967d591cc0144e61.jpg)
純正クリーナーのエアフロセンサー取り付け部分周辺形状。吸入口には別体パーツのファンネルを追加して気流が乱れないよう注意深く設計されています。
失敗しない選び方としてはセンサー前後(8cm程度)で内径がなるべく変化しない、センサーがスロットルから離れた物が良いと思います。
フィルターは不織布を使用したタイプ(いわゆる濾紙タイプ)がお勧めです。スポンジタイプはろ過性能が不十分な物が大半な為、エンジンの寿命に悪影響を及ぼします。
![適切な製品が無い為開発した弊社製エアクリーナーKIT 2ZZ電子制御スロットル車輌用](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/6b/8fa5f41fa6b31f3625f9567c66f4f4c8.jpg)
選択に迷ったら当社製品もご検討下さい。
マフラーは抜けが良い物で有れば特に問題は無いように思います。
エキマニはトルク特性に大きく影響するので製品によって当たり外れが大きいです。現状の結果だと純正が一番無難です。純正以上にお勧めできる物が無いというのも嫌なので今年中に開発予定です。
触媒は前半の部分にセパレーターが入っており、内部が2経路に分かれています。ここがエキマニと組み合わさって4-2-1の構造となっている為、セパレーター無しの社外品に変えるとトルク特性が悪化します。純正でも抜けが悪いわけではないので、ノーマルエンジンの場合交換する必要は無いと思います。
適切な吸排気の変更とECUの書き換えで15ps程度の向上が目安となります。
3、ファインチューン仕様
ノーマルエンジンに足りない物を一つ挙げるなら、圧縮比。12半ばに上げることでエンジンの性格がガラッと変わり、スポーティーな特性に変貌します。動弁系が弱点の為、ハイカムの組み込みを含む高回転化はお勧め出来ません。シリンダーの磨耗状況によりスリーブを入れる等の方法でリフレッシュする必要があります。
エンジンを改造している車輌はよく見かけますが、残念ながら適切にECUがセッティングされているケースは殆ど見たことがありません。現車合わせが必要となりますが、純正ECUで十分に対応可能です。
![純正ピストンとハイコンプピストンの一例](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/be/c99169dd5cf8f82f0e2a97c405823e6d.jpg)
出力としては30ps程度の向上となりますが、ハイカム切り替えを大幅に早めることが出来、トルクバンドがかなり広がります。
4、ストロークアップ仕様
高回転化には多大なデメリットを伴うエンジンの為、トルクを増す方向でチューニングを行う事をお勧めします。部品の変更だけでなく適切な加工、セットアップで45ps程度の向上を狙えます。
![ストローカークランク](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/6e/56e9eb6df2e08c5f5b2140d952276bc7.jpg)
ストローカークランク
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/07/9e7ad32c531b50191b26872ab777694c.jpg)
研磨済みのポートの例
全体的にトルクが大きく向上するので効果は絶大です。
5、高回転化仕様
![ハイカム&ローラーロッカーアーム](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/c1/dd51701b088cefe2fd45e2dd866f4b7e.jpg)
ローラーロッカーアーム&ハイカム組付け例
4又は3をベースに動弁系の強化、カムシャフトの変更を行い、四連スロットル化、ECUの変更を行うことになります。最高9500rpm対応、純正比80ps程度の向上を確認していますが、現状のテスト結果を踏まえると主に動弁系の耐久性の問題でこまめなオーバーホールが必要となり、一般オーナー向けではありません。
6、エンジンスワップ
5を選択するあたりから、エンジン換装が可能な程のコストとなります。レギュレーションに縛られない場合、換装も悪く無いと思います。ホンダのK20Aへの載せ換えが一般的です。初期費用が大きいですが、チューニングの選択肢が豊富なのはなかなかに魅力的です。5以上の性能に加え、常識的な耐久性を確保する事が可能となります。
散々ダイナパックでテスト、ECUチューニングを行ってきた結果明らかになった傾向を元に、チューニングのプランを提案してみます。
以下、Lotusの車輌での情報ですが、トヨタの車輌でも同様の傾向にあると思うので参考にはなるかと思います。
1、ノーマルエンジンの特性
連続可変バルブタイミングと可変バルブリフト(VTECと同様のハイカム切り替え)の作用によりトルクバンドは比較的広いものの、カムの切り替えポイント(6300rpm)前後で明らかなトルクの落ち込みがあり、シフトアップ時の回転低下で谷間に落ち込みやすく加速がもたつきやすい。カム切り替え後のトルクの伸びが少なく、盛り上がりに欠ける。エンジンの経年劣化により高回転でのトルクが減少しがちです。
2、吸排気の改造について
エアクリーナー、マフラーの変更は手が出しやすいので、交換している人も多いと思います。
エアクリーナーは少し厄介で、純正のエアクリーナーBOXにエアフローセンサーが付いている為、社外キットに交換するとエアフロセンサーの取り付け部分が変更されることになります。このセンサーにてエンジンへの流入空気量を検出しているわけですが、センサー周辺の気流の状態が変わると、センサーの特性も変わってしまいます。キットによっては検出量を誤魔化して燃調を変更するような作用を狙った物もあります。こういった製品の場合、副作用として特定の領域で息つき症状の発生や軽いノッキングの発生が見られます。本来、燃調や点火時期はECUのマップ上で変更するべきところなので、エアフローメーターは正確に空気量を検出できる状態のほうが適正なECUセッティングが可能です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/6d/04e75d9e01343b66967d591cc0144e61.jpg)
純正クリーナーのエアフロセンサー取り付け部分周辺形状。吸入口には別体パーツのファンネルを追加して気流が乱れないよう注意深く設計されています。
失敗しない選び方としてはセンサー前後(8cm程度)で内径がなるべく変化しない、センサーがスロットルから離れた物が良いと思います。
フィルターは不織布を使用したタイプ(いわゆる濾紙タイプ)がお勧めです。スポンジタイプはろ過性能が不十分な物が大半な為、エンジンの寿命に悪影響を及ぼします。
![適切な製品が無い為開発した弊社製エアクリーナーKIT 2ZZ電子制御スロットル車輌用](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/6b/8fa5f41fa6b31f3625f9567c66f4f4c8.jpg)
選択に迷ったら当社製品もご検討下さい。
マフラーは抜けが良い物で有れば特に問題は無いように思います。
エキマニはトルク特性に大きく影響するので製品によって当たり外れが大きいです。現状の結果だと純正が一番無難です。純正以上にお勧めできる物が無いというのも嫌なので今年中に開発予定です。
触媒は前半の部分にセパレーターが入っており、内部が2経路に分かれています。ここがエキマニと組み合わさって4-2-1の構造となっている為、セパレーター無しの社外品に変えるとトルク特性が悪化します。純正でも抜けが悪いわけではないので、ノーマルエンジンの場合交換する必要は無いと思います。
適切な吸排気の変更とECUの書き換えで15ps程度の向上が目安となります。
3、ファインチューン仕様
ノーマルエンジンに足りない物を一つ挙げるなら、圧縮比。12半ばに上げることでエンジンの性格がガラッと変わり、スポーティーな特性に変貌します。動弁系が弱点の為、ハイカムの組み込みを含む高回転化はお勧め出来ません。シリンダーの磨耗状況によりスリーブを入れる等の方法でリフレッシュする必要があります。
エンジンを改造している車輌はよく見かけますが、残念ながら適切にECUがセッティングされているケースは殆ど見たことがありません。現車合わせが必要となりますが、純正ECUで十分に対応可能です。
![純正ピストンとハイコンプピストンの一例](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/be/c99169dd5cf8f82f0e2a97c405823e6d.jpg)
出力としては30ps程度の向上となりますが、ハイカム切り替えを大幅に早めることが出来、トルクバンドがかなり広がります。
4、ストロークアップ仕様
高回転化には多大なデメリットを伴うエンジンの為、トルクを増す方向でチューニングを行う事をお勧めします。部品の変更だけでなく適切な加工、セットアップで45ps程度の向上を狙えます。
![ストローカークランク](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/6e/56e9eb6df2e08c5f5b2140d952276bc7.jpg)
ストローカークランク
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/07/9e7ad32c531b50191b26872ab777694c.jpg)
研磨済みのポートの例
全体的にトルクが大きく向上するので効果は絶大です。
5、高回転化仕様
![ハイカム&ローラーロッカーアーム](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/c1/dd51701b088cefe2fd45e2dd866f4b7e.jpg)
ローラーロッカーアーム&ハイカム組付け例
4又は3をベースに動弁系の強化、カムシャフトの変更を行い、四連スロットル化、ECUの変更を行うことになります。最高9500rpm対応、純正比80ps程度の向上を確認していますが、現状のテスト結果を踏まえると主に動弁系の耐久性の問題でこまめなオーバーホールが必要となり、一般オーナー向けではありません。
6、エンジンスワップ
5を選択するあたりから、エンジン換装が可能な程のコストとなります。レギュレーションに縛られない場合、換装も悪く無いと思います。ホンダのK20Aへの載せ換えが一般的です。初期費用が大きいですが、チューニングの選択肢が豊富なのはなかなかに魅力的です。5以上の性能に加え、常識的な耐久性を確保する事が可能となります。
さて、MR-Sの1ZZとSC依頼していますが、ひとまず打ち合わせだったと思いますが、その後いかがでしょうか?1月中にできませんか?連絡お待ちしています。
このキットに少し期待してます