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アウトドア番外編 クラフトコーラのお酒を漬けてみた

2023-06-26 19:24:50 | 焚火 アウトドア



この時期、地域差もあると思うのですが、梅の実が収穫される季節になると近所のスーパーにはどこも「果実酒コーナー」が出来ます。

広口瓶や氷砂糖、ホワイトリカーの紙パックなんかが並び「自宅で梅酒作りませんか?」と通り過ぎる方たちにアピールしています。


自分は普段はあまりお酒は飲まないので、毎年ただ眺めては通り過ぎるだけのコーナーだったんですが・・・

料理も含め、いろいろな「ものづくり」を趣味にしてから、なんとなく気になり始めまして・・・

自分でお酒を造ってみるというのは、面白そうな半面、酒税法などの規制もあるので、ある程度下調べが必要です。


昔は自宅でビールを作るキットとかも流行ったなあ、と思い、調べてみると今でもちゃんと売られていました。


しかし、酒税法上、アルコールは1%未満でしか作れないですし、作るにも割と場所もお金もそれなりに掛かる事が分かり、一旦は諦めました。


やはり家庭で気軽に作れる、となると果実酒が現実的・・・でも、普通に梅を漬けるだけじゃ面白くない・・・






そこで、これまたここ数年で話題になっている「クラフトコーラ」をお酒で作ってみる事にしました。

コカ・コーラ、ペプシなどの既製品のコーラではなく、スパイスや甘味料の組み合わせで自作するコーラ「クラフトコーラ」ですが、普通は煮詰めてシロップを作り、それを炭酸で割って飲むのが主流です。

しかし、気になって調べてみると、それをお酒にしている商品もありました。


それなら、果実酒と同じように自分で漬け込んだら「コーラ酒」を作れるんじゃないか?と思ったわけです。


で、上の写真は買い集めた材料。

これらを使ってクラフトコーラ酒を作っていきます。









始めて作るお酒なので、いきなり沢山の量はちょっと不安があります。

しかし、スーパーで見かける広口瓶は5リットルサイズ、ホワイトリカーも1.8リットル容量が多く、少量だけ作るには、ちょっと量が多すぎます・・・

オマケに瓶はダイソーで買っても550円しますし、普通に買うと1000円前後。

さらにホワイトリカー1.8リットルで1300円程度と、それなりに初期費用が掛かります。

お試しで作るのにあまり費用はかけたくないなぁと思っていたら、たまたま店頭で見つけたこちらの商品。


宝酒造から発売されている「ホワイトタカラ 果実酒の季節」という商品で、見ての通り、最初から広口瓶にホワイトリカーが入っており、後は自分で果実と砂糖を入れるだけ、という初心者には非常に優しい商品です。

オマケに入っているお酒の量は900ml!

お試しで作るのにも丁度良いサイズです。










あと、何気に便利なポイントが、この内蓋。

引き出し式の注ぎ口が付いています。

完成した後、わざわざ大きな蓋を開けなくても、これを使うとうまく中身が注げます。

また、漬ける物によってはお酒に入れると「ガス」が出る場合があります。

このガスを抜くのにも、この注ぎ口があれば便利ですね。









さて、クラフトコーラの材料ですが、調べると様々なレシピが出てきます。

そりゃ、作る人ごとの味の違いを楽しむのがクラフトコーラなんだから当たり前ですね。

ただ、「コーラらしさ」として味の基本となるのは「シナモン+バニラ+柑橘類」の組み合わせ。

これを外さず、あとはどのスパイスを入れるかは人それぞれの好みになります。

まあ、漫画「Dr.ストーン」ではライムとパクチーという組み合わせもやっていましたが・・・





様々なサイトを参考に自分が用意したスパイスがこちら!

上から時計回りに
・バニラビーンズ
・ナツメグ
・カルダモン
・クローブ
・シナモンスティック

まずはこの5種類のスパイスでチャレンジしてみます。










カルダモンとナツメグはスパイスグラインダーで潰して使います。

特にナツメグは種子なので、非常に硬いので飛び散らせたり、ケガなどしないように気を付けなければいけません。

ちなみに、このスパイスグラインダーも自作の品です。









シナモンはスティックのまま漬け込みますが、より味が染み出しやすいように手でボキボキと折ります。









バニラビーンズは、基本的な使い方としては半分に切れ目を入れ、サヤの中の種子を取り出すのですが・・・

クラフトコーラ作りでは、サヤもタネも入れる事が多いみたいなので、これもエキスが出やすいように切れ目だけ入れてカットします。


しかし、バニラビーンズって生まれて初めて買いましたが、想像以上に高いんですね・・・

本当は900mlに5本使いたかったんですが、とてもそこまで入れられないので2本だけです。









クローブはそのまま使うので、これで使うスパイスの準備は完了です。

まだ柑橘系と合わせていませんが、カルダモンがさわやかな柑橘系の匂いなので、もうこの時点でコーラ風の香りが漂います。









これをホワイトリカーに投入します。

スパイスを漬け込むお酒というのは世の中に結構ありますが、どれだけの期間を漬け込むべきなのかよく分かりません。









次に、果実酒作りの基本である砂糖を投入します。

これも定番は氷砂糖を使うのですが、コーラとして考えると本来はカラメルを使うのが正しいハズ。

ちなみにDr.ストーンのコーラは蜂蜜を炙ったカラメルを使っていましたね。


しかし、実際に砂糖を焦がして作るカラメルでは、お酒に長時間入れても苦味が強調されそうな気がします・・・

そこで、黒砂糖を使う事にしました。

これなら普通の砂糖よりコクや深みも期待できますし、色もよりコーラらしくなるのではないかと期待しています。










そして、最後はレモン3個。

果実酒として割とレモン酒はポピュラーみたいで、参考になるレシピ、サイトもいろいろありました。

が、

レモンの皮は「苦味が出るから入れないor風味のために入れる」という反対の意見が見受けられ・・・


悩みましたが、皮ごと入れる事にしました。

まあ、気休め程度に、ヘタは切り取ってあります。










これで全ての材料を投入しました。

ちなみに瓶の容量に余裕があったので、家に有った泡盛を100㏄継ぎ足しています。


あとは熟成(正確には浸透?)させて完成!

砂糖が全て溶けきる頃が飲み頃とされていますが、黒砂糖なので溶けるのは早いはず。


さて、どんな味に仕上がる事か・・・








こちら、漬け込んでから2週間が経過しました。

当初、1か月ほど漬ける予定でしたが、知人のシェフより「スパイス類はアルコールやオイルなどでは香りが出やすく、あまり長く漬けると苦味が出てくる。10日程度でちょうど良い」とアドバイスを頂きました。

なるほど、確かに蓋を開けてみると部屋中にコーラの香りが!

いや、正確にはコーラそのものより、コーラ味のグミに近い香りがします。










瓶の底の方には、まだ溶けきっていない黒砂糖が残っています。









充分に味が出ていたので、ここで中身を全て取り出します。

鍋に瓶の中身を全て取り出し、液体だけをボトルに戻します。

溶けていない砂糖の量は、瓶の外側からの見た目以上に残っていませんでした。








取り出したレモン&スパイスの「出涸らし」を使って、ノンアルコールのクラフトコーラシロップを作ってみます。

お酒から取り出したレモン&スパイスに、お水400㏄と、砂糖を400gを入れ、火にかけます。

三温糖を買ってきましたが、270gだったのでグラニュー糖130gを足しています。










沸騰しすぎないように火加減に注意し、15分程度混ぜながら加熱します。

液体に少しトロミが出てきたら、火から降ろし粗熱を取ります。









あとは濾して細かいスパイス類を取り除けば完成!

とりあえず手軽に濾せる物として、コーヒードリッパー&ペーパーフィルターを使っています。

・・・写真がなぜかボケボケだな。








最初は順調に濾していたんですが、液体の温度が下がると、急に出が悪くなりました。

フィルターを見てみると、スパイスの細かい粉が目詰まりの原因かと思ったんですが、どうやらフィルター全体が温度が下がって飴状になり、穴が塞がれてしまった様子。

しかし、もうドリッパーにシロップ液を注いでしまった後なので、結局、このまま長時間放置して、どうにかシロップを溜めました。










ペーパーフィルターでシロップを濾すだけで、結局日が暮れてしまいました。

この状態で、ノンアルコールのシロップが約500㏄、クラフトコーラ酒が約750㏄(試飲でだいぶ減りました)が出来上がりました。








この「出涸らしスパイスのクラフトコーラシロップ」、ちょっと500㏄は多かったかも・・・

やはり出涸らしだからか味は薄めなので、炭酸で割ってガブガブ飲むのには良いかも知れません。

試飲でシロップ1:お水2の比率で割って飲んでみると・・・なんとなく昔に飲んだ物に似ている・・・

これは・・・

関西の夏の風物詩「ひやしあめ」だ!

ニッキで風味付けした「ひやしあめ」に似た味わいです。









肝心のクラフトコーラ酒ですが・・・

やはり1回目からそんな簡単には出来ないですね。

香りだけ嗅ぐとバッチリでしたが、実際に飲んでみると、どうやらバニラが弱くてシナモンが強かったみたいです。

飲み終わった後味はシナモンが強く感じられます。


また、アルコール度数35度のお酒で漬けているので、実際に飲むときには炭酸類で割って飲むことになります。

が、炭酸を足すと、圧倒的に甘味が足りていません。

そりゃ同じように炭酸で割るシロップは水と砂糖を1:1で作るんですから、比率3:1じゃ砂糖が全然足りないですよね。


という訳で、更に黒糖300gを追加投入しました。

さて、あとはバニラオイルかバニラエッセンスを追加してみて、さらに様子見て・・・

まだまだ納得の完成形には程遠いですね。

という訳で、今のところのレシピです。

【クラフトコーラ酒:FTSオリジナルレシピ】
・ホワイトリカー …900ml
・泡盛 …100ml
・黒砂糖 …300g(追加で更に300gを投入)
・レモン …3個
・バニラビーンズ … 2本(足りないので可能なら5本)
・ナツメグ … 3個(5g)
・カルダモン(粒) … 10個(10g)
・クローブ(粒) … 25個(15g)
・シナモンスティック … 5本(香りが強く出るので3~4本が良い)









ーーーーーー備忘録ーーーーーーー
以下、今回のクラフトコーラ酒を漬けるにあたり、自分の疑問点とそれについて調べて解った事。

Q1.なんで果実酒には35度のホワイトリカーを使っているの?
A1.果実酒を漬ける場合は「アルコール度数が20度以上のお酒を使わなければいけない」と酒税法で決められています。
それ以下の場合、漬け込むものによっては発酵して新たにアルコールが生成される可能性があります。
アルコールが生成される=酒造になるので法律上アウトです。
また、ホワイトリカーには35度より低いものもありますが、度数が高い方がカビや細菌の発生を予防する事が出来ます。
果実酒の場合、漬け込むものから発生する水分で仕上がりは35度より低い度数になります。

Q2.そもそも「ホワイトリカー」ってどういう酒なの?
A2.一言で言えば、ホワイトリカーは「焼酎」です。焼酎には「甲類焼酎」と「乙類焼酎」の2種類あります。
何度も蒸留するのが甲類、単式蒸留というシンプルな方式で作られるのが乙類で、ホワイトリカーは甲類になります。
甲類焼酎はクセの無い味わいが特徴なので、果実などの味や香りを楽しむ果実酒作りに向いています。
ちなみに、酒税法上、甲類焼酎はアルコール度数が36度以下と決められているので、果実酒用のホワイトリカーは35度になっています。

Q3.酒は分かった。じゃあ、大量に入れる砂糖は何のためなの?
A3.腐敗を防ぐためと、浸透圧を利用して果実エキスを出しやすくするためです。
食品類の腐敗とは、雑菌が繁殖する状態です。砂糖や塩分などが極端に高い物は雑菌繁殖がしにくいため、腐りにくくなります。大昔の保存食=塩漬けなのも、この理由です。
ちなみに砂糖も塩もJAS法で賞味期限を表示する必要のない食品に定められています。
また、液体には「中の成分濃度を均一にしようとする」という特性があります。果実酒でいうと、糖分濃度の高いお酒側と、糖分濃度の低い果実があると、濃いお酒がじわじわと果実に入り込みます。果実の中身という同じ空間に糖分が入ってくると、それまでいた果汁が押し出される事になり、お酒側に果実のエキスが染み出していきます。
(個人的解釈:肉や魚に振り塩して、水分を抜く事でうま味をあげるのも浸透圧だから、それと同じことか)

Q4.じゃあ、粉末の砂糖の方が早く溶けるし便利じゃない?なんでみんな氷砂糖使ってんの?
A4.氷砂糖を使い、わざと溶けにくくする=全体の糖分濃度の上昇を緩やかにするためです。糖分濃度が最初から高いお酒に果実を入れると、表面近くの果汁だけが急激に浸透圧で抜かれ、表面が収縮してシワシワになってしまいます。
この状態では、内部の果汁が出るときの「通り道」が塞がれてしまいます。
糖分濃度の上昇をゆっくりにする事で、果実の中までしっかり浸透させる事が出来、果実が皴にならないので見た目の向上にも役立ちます。大量の塩で急激に浸透させる梅干しはシワシワですが、梅酒の中の梅はぷっくりツルツルなのも、氷砂糖でゆっくり浸透させるおかげです。
(個人的解釈:焚き火でも、大きな薪を高火力に突っ込むと、表面だけが先に燃えて炭化するせいで、内部の燃焼ガスが出にくくなって急激に火力が下がる事があるけど、それと一緒か)

※お酒を作るのには法律上の規制があります。
「酒税法」と言われるもので、第五十九条まである法律です。

すべてを確認するには大変な時間を労しますが、こちらの「日本蒸留酒酒造組合」さんのHPが分かりやすく書いてあります。
https://www.shochu.or.jp/kajitsushu/index.html





~~オマケ~~



今回、トータルで掛かった金額は、ちゃんと計算していませんが5000円程度。

普通の果実酒よりも、コーラのためのスパイスが高くつきました・・・

特に、スパイスは粉末状の物を使うのではなく、ホールと呼ばれる元の粒状のものを使うのですが、まず、スーパーなどでは取り扱っている種類が少ないです。

シナモンなんかは割とスティックで売られていますが、それ以外は普通は粉末状の物しか取り扱いされていません。

ネットで買おうかとも思ったのですが、使う量が少量なので、丁度良い量り売りも無く・・・結局、大型のスーパーやオシャレ食材店などを数店舗回り集めました。









ホール状のスパイスを求めてお店を回り、ナツメグのホールがなかなか見つけることが出来ず、たまたま寄った大型イオンスーパーの食材売り場に行くと・・・ナツメグありました!!

喜んで手に取り、ふと目線をあげると・・・

「クラフトコーラメイキングセット」!!

最初から必要なスパイスホールがセットになってる!!

しかもニッチすぎてどこにも売ってなかった「コーラナッツ」も入っている!!
(コーラナッツは名前の通り、コーラの味のスパイスみたいなもので、この実が入っているからコーラという名の飲料になりました。)

という訳で、もしクラフトコーラ酒、もしくはクラフトコーラシロップ作りを気軽にチャレンジしたい方は、こういうセットのスパイス買った方が安上がりですよ!






















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