マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

汚部屋の遺品整理に思うこと

2020-01-11 | 終活(モノの整理、心の整理、社会的整理)
ここ数日、遺品整理や汚部屋を片付ける動画を、毎日数本視聴していました。

いろいろな事情や、さまざまな環境の中での片付け動画があるのですが、特に気になったのは、お年を召した一人暮らしの男性が住んでいた賃貸物件の遺品整理と、家中の部屋すべてがごみで埋まり、足の踏み場もなく天井もやっと見えるくらいのレベルに達した汚部屋の片付けです(住人の方はご存命)

この2つの動画は、それぞれ別々の方が公開している動画なのですが、私なりに思うこともあり、今回はそのことを少し綴ります。

部屋(家)丸ごと遺品整理をする
私が視聴した動画は、年配男性が住んでいた賃貸物件を引き払うこともあり、部屋にあるすべてのモノを撤去して、掃除して引き渡すまでの流れでした。
片付けたのは、お孫さん(男性)が体力を必要とする部分をメインで担当し、お子さん(お孫さんの母親)が小物や雑貨の要不要を判断して仕分けたようです(映っていたのは、お孫さんの作業だけでした)

遺品整理は、通常の片付けのように不要品と判断して次々と処分していく工程を、そのまま当てはめるわけにはいきません。
一見、不要品に見えても、遺族にとっては遺品であり形見になりうるものです。
また、貴重品や金品、重要な書類が必ず出てきますので、ただ部屋(家)の中を空にすればいいということではありません。

動画では、まずお孫さんがほとんどのモノを、自治体の分別ルールに沿って仕分けながら、母親(家主のお子さん)が見て判断するモノと貴重品、金品、大事だと思われる書類と、リサイクルできそうな本や靴は、処分せずにまとめていました。
母親が要不要を判断するモノの種類は決まっていて、それ以外のモノは、お孫さんの判断で次々とごみ袋へ入れられていきました。

亡くなった年配の男性、おひとりで暮らしておられた割には、広い物件に住んでおられたのがよくわかる動画でした。
想像ですが、配偶者と暮らしておられて、先立たれた後ずっとおひとりで暮らしていたのかもしれません。

この亡くなった年配男性は、モノは多くお持ちでしたが、ごみが溜まっている様子は見られなかったので、毎週の家庭ごみや資源ごみはきちんと捨てておられたようです。
ただし、ありがちですが、消費期限切れの保存食などはありました。
そして、ご年齢のことやご自身の健康のこともあったのか、サプリメントや健康食品が山のようにあり、中には匂いが強烈なモノもあったようです。

この、消費期限切れ食品などは、ついうっかり捨て忘れてしまいますよね。
そして、ストックが多すぎると、所有している量が解らなくなり、奥に追いやられたものは存在自体を忘れてしまいがちです。
おそらく、片付けが得意な方でも、何度もご経験があるかと思いますし、私も経験があります(苦笑)

その他は、お洋服やファッション小物雑貨がとても多く、収納するべく洋服ダンスやチェストも、一人暮らしの方が所有する数より多かったです。
この方は、きっとファッションにこだわりがある方だったのでしょうね。

この遺品整理の様子をみていて、私が強く感じたのは、戦中戦後生まれの年代の方や、その年代の方から家庭でしつけや教育を受けた方は、モノをたくさん持つことで、暮らしの格を上げたいと望み、失うと二度と手に入らなくなる不安から、手放すことができない方が多い、ということ。

私も、戦中生まれの両親を持ちましたから、私自身がいろいろなモノを処分しようと決心するきっかけにもなった、阪神淡路大震災が起こる前後くらいまでは、少しでも良質のモノを数多く所有し、身に付けることがステイタスだと思い込んでいました。
一度手に入れたモノは、大事に持っておかなければならないという意識を、両親から刷り込まれていたので、手放す手段も思いつかず、ただただきれいな状態で保管していました。

もし、私が意識改革をしなければ、今でも我が家には家具もたくさんあったでしょうし、服も雑貨もインテリアも、書籍も趣味のモノも山積みになっていたでしょう。
そして、その状態のまま、母も私も旅立ってしまったら、きっと遺品整理する人は、とてつもない負担を強いられていたことでしょう。

遺品整理の場合、まず遺品となるモノは、全て相続したとみなした状態で行う必要があるそうです。
それがたとえ、どんなガラクタであっても、処分する(捨てる、売る、形見分けするなど)時点で、相続を承認したことになるようです(詳細は、法律の専門家にご確認を)

今から、おそらく数十年は、独居の年配者が住んでいた住居の遺品整理は、モノが多すぎて大変なパターンが多いかもしれません。
最近は、少しでもモノを減らして暮らしたいと思う人も増えてきたので、私よりも下の世代は、天寿を迎えたときに、遺品整理がしやすいすっきりとした部屋(家)が多いかもしれません。

汚部屋(汚家)ではなくても、モノが多い部屋(家)は、片付ける際の体力も精神力も、消耗が大きいです。
少しずつ片付けて、たまに粗大ごみを出す程度でも、はっきり実感できます。
これが、部屋(家)丸ごと片付けるとなると、一日では終わらないことは目に見えていて、仕事や家事を休んで取り組んでも、かなりの時間を必要とするでしょう。

ふと考えたことは、将来私が独居老人になったとき、今の家にそのまま住むのではなく、1LDKや1DKの部屋に越して、いずれ訪れる私の遺品整理をする際に、少しでも片付ける範囲を少なくしておいて、そのうえで所有しておくモノも必要最小限にしておきたい、ということ。
終活とは、自分が旅立った後のことを託す準備でもありますが、託す必要のないモノは極力排除していくことでもあります。

今の私は、もし母が旅立った際に、整理しなければいけない遺品がかなりあります。
今のうちに処分できるモノは、頑張って処分していくつもりですが、モノを捨てられない母に納得してもらいながらですから、何年もかかってしまうことも覚悟しています。
そうこうしているうちに、そのとき(遺品整理)を迎えるのかもしれませんが、自分が今できる最大のことは、とりあえず自分のモノだけは最小限にしておくことかな、と思います。

自分のモノさえ、とりあえず必要最小限にしておけば、母のモノの心配だけをして置けば済みます。
母のモノも多い、自分のモノも多いのでは、モノに気を割く時間が増えて、しなくてもいい心配や、嫌な思いをすることも増えるでしょう。
無機物であるモノに、気持ちを乱されるような暮らしを、私は望んでいないので、今のうちに気持ちがモヤモヤしたりザワザワするようなモノは、積極的に処分していこうと、動画を見ながら思いました。

不要品やごみで埋まっている汚部屋(汚家)を片付ける
この動画は、片付けを請け負う業者が配信している動画です。
アップされた家は、査定時には天井まで不要品とごみで埋まっていて、部屋の間にある扉の開閉もできない状態だったようです。
最近アップされた動画のようで、まだ最後まで片付いた動画はみていません。

家主の方はご存命なので、遺品整理とは違い必要なモノはピックアップする必要があります。
遺品整理の場合は、遺族が不要だと判断すれば処分できますが、片付けの依頼を受けている業者が作業する場合は、顧客のご希望を守りながら作業する必要があるので、遺品整理よりも大変かもしれません。

この動画が流れている最中に、この業者が依頼を受けた汚部屋(汚家)の片付けに関する、簡易なデータが紹介されていました。
興味深かったのは、汚部屋に住んでいる独身の方の男女比が、男性の方が多い、という点です。
独身で、しかも50代より上の世代の男性からのご依頼が、多いそうなのです。

汚部屋(汚家)になる原因は、人それぞれ違いますし、中には障がいがあるために片付けられない人もいるので、はっきりと男女で分けられることではないのですが、そのデータから考えるに、年配の男性には、ある特徴があるのではないか、と思いました。

思い浮かんだ特徴は、

 ・年配であるため自分で片付ける体力がない(男女関係なく想像できる特徴)
 ・片付け方がわからない
 ・自分でするという意識をこれまでの人生で一度も持ったことがない(母親や奥様に全て任せていた)

以上ですが、どうでしょうか?

そういえば、かなり以前にテレビで取り上げられていた汚家の住人は、配偶者に先立たれてから、家の中のごみが増えていったと言っていました。
それは、男性の場合もありましたし、女性の場合もありましたが、共通していたのは、片付けや不要品の処分は、全て配偶者が担っていた点です。
女性の場合は、配偶者であった旦那様が、片付けや不要品の処分に関するノウハウをしっかり持っていらっしゃったのだと思うのですが、男性の場合は、昔の風習や習慣による弊害も考えられました。

それは、

 「家の中のこと(炊事、洗濯、掃除、子育てなど)は、女性がするべきことであり、男性がするのはよろしくない」

という、風習や習慣です。

子どものころは、母親が片付けと掃除をしてくれていて、一人暮らしをする間もなく結婚したら、今度は配偶者が片付けも掃除もしてくれて、それが当たり前だし、自分がする必要はないと、無意識に思い込んで長年暮らしていたのなら、ごみの分別すらできないのは、割と想像できる事態です。
もっとも、親の姿を見て学習している人は、男女関係なく片付けも掃除もできているはずですが、残念なことに、私が想像するような理由で、汚部屋を作ってしまう人は、ある程度存在すると思っています。

若い方でも、同じ理由で汚部屋を作ってしまう人はいるかもしれません。
それは、親が異常なくらい子どもの世話を焼いてしまっているご家庭です。
もう立派な大人なのに、親が全部してあげている家庭、多いとは言いませんが、ありますよね。
そういった家庭で育った人は、片付けや掃除、ごみ捨てのルールなどが身についておらず、もし突然一人暮らしを始めたら、汚部屋にしてしまう確率も高いかもしれません。

障がいや病気で、片付ける体力や気持ちを持てない人は、専門的なフォローも必要ですが、もしこれまでの暮らし方に問題があっての汚部屋(汚家)という結果ならば、まず最初にすべきなのは、きっと意識改革なのでしょうね。
片付けや掃除、モノを精選して持つということに対して、意識を変えていかないと、おそらくいくら業者に依頼して片付いた部屋(家)になったとしても、必ずリバウンドすると思います。

よくSNSなどで目にすることがあり、私の知人でも数人が同じことを言っていたのですが、

「私はあなた(配偶者)の母親じゃないのよ!」

と言ってキレたことがあると(苦笑)

話を聞けば、脱いだ靴下をその辺に放置して洗濯カゴへ入れないとか、食べ終わった食器を片付けないとか、落ちているごみを拾おうとしないとか、人としてもきちんとしてほしいことなのですが、なぜ妻の前では平気でそのようなことができるのでしょうね?
やはり、家の中にいる女性はみんな母親と同じことをする人だという、思い込みがそうさせているのでしょうか?

ここで、夫婦の在り方や、家庭での家事分担について語る気は全くないのですが、このように妻に母親代わりをさせるような男性は、将来妻に先立たれて一人になったときに、汚部屋(汚家)暮らしになってしまうかもしれませんから、今から対策をしておいた方がいいかもしれないです(笑)

でも、まあ、汚部屋(汚家)を作る年配男性が全員、片付けや掃除を母親任せや妻任せにしてきたとは、言いきれませんから、このような想像をしている人間もいるよ、くらいの気持ちで、今回の内容を受け止めてもらえたら、と思います。

最期を迎えるときに持っておきたい意識
老後は、自分の好きなことや好きなモノに、気持ちと時間を思いきり割きたいと思っていますが、その後、私の遺品を整理してくれる人の時間を奪ったり、気持ちと身体に負担をかけたりするような状況は、残したくないと思っています。

人に気を遣いながら暮らすのは、一見窮屈な気がします。
しかし、モノが少なければ、自分の暮らしもシンプルでスッキリしますから、結果気持ちよく暮らせるはずです。
そうやって、自分が気持ちよく暮らした結果、旅立った後の世話をしてくれる人も、気持ちよく行動してくれるのであれば、それが理想的です。

終活を意識してから、ずっと考えていることなのですが、シンプルでモノが少ない暮らしをしていたら、自分だけではなく周りの人も、共感はしてくれなくとも、迷惑だと感じる人は現れないはず。
逆に、モノを多く所有して、挙句の果てに汚部屋(汚家)を完成させてしまったら、おそらく嫌悪感を抱かれるでしょうし、自分が意識していないところで迷惑をかけることにもなっていくでしょう。
やはり、不要品はできるだけ排除し、誰が見てもスッキリした状態で暮らしていくほうが、お互いが幸せになれる、そう思うようになりました。

まずは、とにかく自分のモノを最小限にすること。
それを常に意識して、老後に備えたいです。


片付け動画は、客観的な視点で視聴できるので、自分が陥っている迷宮から出られることも多いです。
自分一人で片付けをしていると、身体的にも精神的にも疲労が蓄積して、判断力と処分するマイルールを見失いがちになるので、定期的にまとめて数本、動画を見ることで、自分を取り戻しています(笑)
今、この時代に個人が動画配信をできるようになったおかげで、私も助かっています。
これからも、しばらくは片付け動画を探しては、自分の片付けに反映させていくことが続くと思います。
動画を配信してくださっている方々には、本当に感謝しかないです。


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