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「もう たくとう」でも「マオ ツェトン」でも日本国外で通じると思えないが

2011-06-19 20:48:53 | 歴史教科書騒動
今月10日のことになるが、参議院の予算委員会で義家 弘介氏が意味深な質問をしていた。
・第177回国会 予算委員会 第19号(2011年6月10日 参議院)

義家氏の質問については数日後に知っていたが、一応公式ソース(?)が出てきたのでそれを引用しとく。

義家氏は、自身の質問時間の前半で福島第一原子力発電所の事故への対応とかを追及していた。
それについては、俺が扱いたいネタでないのでパス。

問題は、日教組とか歴史教科書に関する質疑。
ここには、義家氏は良くも悪くも自分の世界観を豪快に開陳していた。
正直、国会議員であることを疑いたくなるレベルの発言内容だ。
答弁した側も少々アレだが・・・。

しかし、その中で義家氏は、密かに興味深い質問をしていた。
具体的には、歴史教科書内にある人名の読み方に関することだ。
以下、2011年6月10日分参議院『第177回国会 予算委員会 第19号』から、長くなるがその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
○義家 弘介君 
(中略)
 さて、この問題、実は単に政治活動あるいは勤務時間中の組合活動のみではなくて、現在また教育の分水嶺になろうとしている、一つの岐路に今あるという形で、是非資料の一を御覧になっていただきたい。(資料提示)
 この資料の一、これ歴史上の有名人物ですけれども、菅総理、ユワンシーカイ、チャンチェシー、これ一体どんな人物かお分かりになるでしょうか。
お答えください。

○内閣総理大臣(菅直人君) 私はこういう中国語あるいは中国読みは必ずしも承知をしておりませんが、若干、事前にそういう質問があるということで調べましたら、このユワンシーカイというのは袁 世凱、チャンチェシーというのは蒋 介石と、そういうことだというふうに、聞いたことによって承知をいたしております。

○義家弘介君 本当に私が聞く限り、初めて菅総理、正直にお答えいただいたと思うんですけれども、一般の国民はこれ聞いて、ああ袁世凱だと、ああ蒋介石だって分からないですよね。
これ実は何で例示したのかというと、今年の夏、教育基本法が改正され、その下で作られた指導要領に基づいた初めての中学校の教科書が各教育委員会で採択される、それが今年なんです。
シェアの多くを占めている教科書会社、まさにこういう書きぶりでこの人物の歴史教科書、紹介しているんですよ。
 で、そんなこと言っていないと、ルビが振ってあるだけじゃないかと言う人もいるので一応確認しておきますが、例えばこの袁 世凱、袁世凱を人名索引で調べようとしたら、あいうえおですから、あ行で調べますよね。
しかし、あ行のところ、どこを見ても袁 世凱[って]載っていません。
よくよく探すと、ユワンシーカイとして、や行に載っているんですよ。
同様に蒋介石、これ、さしすせそですから、さ行に人名索引が載っているはずですけれども、何とどこを探してもありません。どこにあったかというと、チャンチェシーですから、た行にこの名前が載っているわけです。
一体教科書は何をしたくてこんなことを行っているのか。
ちなみに毛 沢東はマオツォトン、孫 文はスンウェンという形で行っていると。
 さあ、これはまさに民主党政権に政権交代した後執筆活動が始まっているわけですけれども、これ、教科書の採択というのは、非常に現場の声や、あるいは特定イデオロギー集団、熱心に取り組んでいることでもあります。
例えば、地区には調査員というものがいて、各教科の教科書の傾向等を調査し、それを選定委員会に上げて、採択協議会に上げて、教育委員会に採択されるわけですが、私も横浜市の教育委員をしてきましたが、教育委員会に上がってくる時点では、かなり内容、教科書の選択の幅、狭められた上での採択という形になっていくわけです。
(発言する者あり)

○委員長(前田 武志君) 質疑の妨げになりますから御静粛にお願いいたします。

○義家 弘介君 この意味では、この特定集団の影響力って非常に強くなってくる。
こういう多くの教科書の偏向ぶり、これだけではなくて物すごく偏向しているわけですけれども、到底看過できるわけではありませんが、なぜこうなったのかと。
一体誰に気を遣って、教科書会社だって商売ですから、学校で採択してもらえなかったら教科書会社は潰れてしまうわけです。
できるだけ採択してほしいように、様々な取組をしながら教科書会社が採択をしてもらうわけですね。
 その中で、じゃ、教科書会社は誰に気を遣って、一体どんなところに気を遣ってこういう教科書を作っているのか。
まさにそれは、イデオロギー集団の日教組と、そのような組織に支えられている政権与党、民主党に気を遣ってこういった記述が次々に出てきていることは、これは明らかであります。
 その上で、いやいや、そんなことはないとおっしゃると思ってまだまだ準備していますけれども、実際、あなたたちの有力支持母体の日教組は、教科書や歴史教育、公民教育、性教育、様々なとんでもない教育を展開してきて、その事例は逐一国会でも挙げております。昔の話ではなくて、今の話で挙げております。
もう紹介すれば切りがないわけですが、例えば建国記念日は戦争と天皇制をたたえる日、これ大分の組合がやっていること。
それから、西宮では違法なストライキを画策しております。
北海道では違法なストライキしている。
さらに、昨年の選挙で、これ甲府市の先生、手書きで、いつもお世話になっております、山梨教育を届けに参りました、お読みいただければ幸いですなんという紙をポスティングもしております。
教頭推薦は私たちの仲間からやりましょうというような文書も内部で出しています。
 という様々な活動をしていますが、さらに、三年前、教育正常化、自虐史観からの脱却ということを目指して横浜市で自由社という教科書が採択されたわけですけれども、そのときも日教組加盟の横浜市教組、すごい動きを展開いたしました。その動きが資料の二であります。
資料の二、新編、新しい歴史教科書でどう教えるのかという分厚いマニュアルを作りまして、民主的手続で採択された教科書に対して教職員組合が一致団結して裏授業マニュアルを作って、そしてそのマニュアルを、組合の金ではなくて、学校間の公的な文書のやり取りをするために当時五千三百万の予算で設置されていた学校ポストという公的なポストを利用して全教員に配布したんですよ、この書類。
 この内容、多くは言いませんが、象徴的なのをすれば、二宮金次郎、二宮尊徳は神奈川が生んだ名士、偉人ですけれども、二宮尊徳について、極貧の中にあって家を立て直した模範人物として国民教化に利用した存在であると。
あるいは赤穂浪士の討ち入りについて、忠義を美談としたもので、国民が公という国家のために進んで命をささげるよう繰り返された話であり、敵討ちの基準にさえ合わない集団報復事件であると。
という内容を、こういう授業をしてくださいという裏教科書を作って先生方に配布しているわけですよ。
これもらった先生、私に寄せてくれましたが、こんな教科書一体どう使えばいいんですか、あきれて物も言えませんという話をしていましたが。
 さらに、資料の三です。
 これは今年の横浜の中学校の入学式の校門の前で配られていたビラです。
中学校入学おめでとうございます、中学校での授業、部活、行事、新しい友達と胸が膨らんでいることでしょう、この晴れやかな心を大切に、子供たちが健やかに成長することを願っていますと。
そんな中で、横浜の教科書採択が危ないと。
今回、夏の採択では、自虐史観から脱却したまともな歴史教育をしようという形で、育鵬社と自由社から出ていますけれども、そうじゃない教科書を採択しよう、つまりユワンシーカイとチャンチェシーと教える教科書を採択しようというような動きが学校現場で公然と行われているわけです。
 更に言えば、資料三ですね、資料三として付けたこの本は……(発言する者あり)あっ、資料四ですね、神奈川県の高校の先生方、日教組加盟の高校の先生方が過去に作った副読本、高校生のための日朝関係史入門、これ、よく表紙見てください。独島、竹島のことが独島と書いてあるわけです。
 まさに、北教組の問題のときにも指摘しましたけれども、北教組の幹部が、韓国の言い分の方が竹島の問題に関しては正しいなどというとんでもない公式見解を向こうの新聞でも答えていますが、まさに日教組自身がこういう形で教科書を作り、副読本を作り、そして自虐史観の教育をやっていたら、教科書会社は当然、政権交代もしたし、公教育の中心にいらっしゃる方たちですから、何とかこの人たちの影響で教科書を採択しようということで、過去にも例を見ないほど左傾化してしまっているわけです。
 じゃ、それは横浜と北海道ぐらいじゃないのか、そんなことは全然ないから、もう一つ紹介しますけれども、同じく日教組の組織率が限りなく一〇〇%に近い、突出している、御党の岡田幹事長の地元の授業の内容です。
 この授業も物すごいひどいですよ。
創氏改名を教えている授業なんですけれども、内朝一体の同化政策の中で韓国語抹殺の言語政策を行ったと。
その下が、その教え方がまずいんですよ。
一番、韓国姓の上又は下に一字を加えたもの。
例えば、キム、キンは今は金田、金本になっていると。
田んぼの田、デンは福田、ヘンは渡辺、ハヤシは大林、チョウは張本、コウは高橋、高山というふうになっているという形で紹介しながら子供たちに教えているわけです。
 これ、休み時間のことを想像してみてください。
どういうことが休み時間起こるか。
おまえキムか、おまえデンか、こういう話になっていくようなものを、自分たちの独善的なイデオロギーを子供たちに押し付けて、逆に子供たちを、混乱し、もっと言えば、逆に差別を生んでしまう原因になるような教育を行っているわけです。
 さらには、外国人の犯罪率は全体の僅か一・四二であり、日本人の犯罪の方が多いと。
しかし、外国人の検挙率は何と八〇%にも上ると。
あたかも外国人だから逮捕されている、外国人を差別して検挙している国なんですよというようなことを平然と子供たちに教えているわけです。
 さあ、こういった教育内容が教えられていることについて、菅総理はどのようにお感じになりますか。

○国務大臣(高木義明君) 教科書についての御指摘でございまして、この採択につきましては様々な意見があることは承知をいたしております。
 私どもとしましては、採択権者の各教育委員会の判断に委ねておりますけれども、今年、中学校の教科書の採択の年でございます。
この教科書については、四月から採択のプロセスに入っておりまして、それはしっかり検定基準図書審議会の中で適切に学習指導要領に基づいて採択されたものと思っております。

○義家 弘介君 日本の公教育、日本の未来をつくっていく子供たちに教える教科書の内容、授業の内容について言っているわけです。

 総理、次の世代、次の世代と言うわけですから、こういう教育が行われていることについてどのような御感想をお持ちですか。
○内閣総理大臣(菅 直人君) 教科書の人名の表記、先ほど申し上げたように、私も片仮名で表記されたものだと私自身はすぐは理解ができません。
ただ、どういう形になっているんでしょうか、日本語読みと中国語読みを併記しているものが多いというふうにも聞いております。
いずれにしても、具体的にどう記述をするかはまずは教科書発行者の判断によるものと、こう考えております。
 他のいろいろなことを御指摘ありましたけれども、そこは、資料としてあるのはこの教科書のことでありましたので、それ以外のことについては、私確かめようがありませんので、答弁は控えたいと思います。
(以下略)
---- 引用以上 ----

「しょう かいせき」とか「えん せいがい」、「もう たくとう」や「そん ぶん」なんて読みが日本国外で通じるわけないだろうが・・・。
こういうスカタンな質問をする義家氏は、豆腐の頭に角をぶつけて(略


・・・で済まされない問題が上の引用部分に含まれるので、もう少し話を続ける。

一応、「マオ ツォトン」や「スン ウェン」など上で取り上げられてる読みは、ある程度中国語での発音に近づけて表記されてるんだよな。
でも、これだけだとまだ不十分だったりする。
つーのも、ピンイン(発音を記したブツ)表記がないので、どう発音するのかはイマイチわからないんだよな。
(そもそも、中国語は地域ごとに発音が大きく異なるのでピンインを使っても役に立つとは限らないけど)
それでも、Web 上で検索する際には十分役に立つが・・・。

ただ、義家氏は歴史教科書における中国の人名に関してのみ指摘していたが、同じ問題点は他の地域の人物や地名の表記にも当てはまるかと。
特に、日本語の読みにない発音が多々ある(言葉を使う)地域の人物や地名に関しては、どう日本語で表記するのか歴史教科書の編集側も頭を悩ましてるんだろうな(苦笑)
そうした地域を専門に研究してる学者の方々の苦労は尚更のことだが・・・。

じゃ、どうすれば?
って、俺が思いつくとすれば・・・。
当面の策としては・・・。
歴史教科書においては、そういう地域の人名や地名については以下のような表記をするのが妥当か?

カタカナ表記(発音に近いローマ字表記:その地域で使われてる言語での表記)
例:ホスニー・ムバーラク(Ḥusnī Mubārak:حسني مبارك)

別に、歴史教科書で日本語以外の文字を使ってはいけない、ってルールもないからこれでもいいか(何)


ただ、上の表記だと、歴史教科書の記述が冗長になりがちなんだよな。
それと、元から文字がない言語の人名や地名はどうするのか、って問題が残るし。
というかこれって、日本語圏以外の人名や地名をどのように(話し言葉の日本語と書き言葉の日本語で)表現するか、という根本的な問いに繋がるかもしれないけど・・・。


それにしても。
義家氏の日教組とかに関する発言内容って、どう考えても「わら人形」としか・・・。


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