【君へ4】2006・10・16
【ラングストン・ヒューズの詩より】
『母から息子へ』
“いいかい、おまえ、まぁお聞き
母さんの人生の階段は、決して水晶なんかでできちゃいないよ
くぎが出て
ささくれだった
板っきれの階段だよ
敷物も擦り切れて
床がむきだしになった階段だよ
母さんはそれでも絶えず
登り続けてきたんだよ
踊場についたかと思うと
また角をいくつもまがって
時にはあかりもない
暗闇にも迷い込んだよ
だからって、おまえ、後戻りしちゃいけないよ
途中で座り込んでもいけないよ
どんなに登るのがつらくてもね
ここであきらめちゃいけないんだよ
だって、可愛いおまえ、母さんも前だけを見て
今もひたすら登り続けているんだからね
母さんの階段は水晶なんでできちゃいないけど”