夕立晴 救急棟の 人やさし
指を切った。
数針縫ってもらったが、優しさが身にしみた。
汗ばんで まとわる猫を そといなす
帰ってくると猫が何処からともなく出てくる。
甘えた声で擦り寄ってくるが、夏は抱き上げるのを躊躇する。
知り合いのヨンちゃんは、何があろうが抱きついてくるという。
除湿機の 滴る音に 寝そびれて
水滴は季語ではない。除湿機も季語ではない。
滴るは夏の季語だそうだ。山の滴りと使うのが、正式らしい。
この写真のような情景だろう。
熱帯夜 未明の地震 うつつかな
今年はじめての熱帯夜だった。
夜半に雨が激しく、開けていた窓を閉めた。
暑苦しく悶々としていた未明に地震。
かなり長い時間揺れていたが、家人も猫も起き出すことはなかった。