散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


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年末年始の川めぐり-2 ―カワセミA,B,C―

2014-01-04 | その他探訪記
前回『年末の川めぐり-1』としてログを書いたのだが、それを『年末年始の川めぐり』とあらためさせてもらうことにする。僕の家の周りの川の説明をするのに、写真があった方が良いと思い、年始にその写真を撮りに出かけてみたのだが、年末の続きの情報が沢山得られたため、一連にログとして紹介することにした。

忘れてました、明けましておめでとうございます。今年もがんばってログを付けることにします。
それから、今年から、このログの文体を変えることにします。基本的には、自分のメモの延長線だから…。と思って、常体で書き始めたのですが、読み返してみると、ちょっと偉そうですね。というわけで、年があらたまったところで、敬体にさせていただくことにします。

それでは、冒頭の続きを…。
1月3日。散歩道の途中にある川の写真を撮りに出かけた。まずは、カワセミをよく見かけた谷戸川と丸子川ですが、この川は、どちらも川幅2.5m~5mほどの小河川…。岡本静嘉堂緑地を挟み込むように流れています。樹林と小河川が組み合わ去れば、生き物がいないはずはありません。鳥も、虫も沢山見られます。

 
丸子川:右手より谷戸川が合流(右写真) 静嘉堂緑地の樹林と丸子川 2014-01-03 世田谷

しばらく行くと、年末にヒヨドリがイイギリの実をついばんでいたポイントなのですが…。イイギリが見当たりません。確かここだったはずだがと見上げるのですが、赤い実が見つかりません。

 
赤い実がすっかりなくなったイイギリ 2013-01-03 世田谷
 
イイギリ 12月31日の様子(左) 足元に残る痕跡(右) 2014-01-03 世田谷

年末31日から今日までの4日間で、綺麗に無くなってしまったのです。最初は、場所を間違えたのかと思ったのですが、足下を見ると、赤い実がが散乱していました。ここで間違えありません。ということは、この4日間で、ヒヨドリが全部食べちゃったのでしょうか? まあ、3が日に大宴会が開かれたということにしておきましょう

さらに行くと、静嘉堂緑地を通り過ぎ、やや開けた景観に変わります。そこに番いと思われるカルガモが…。なかなか美しい光景です。一枚頂きました。 その先には、コサギも! なんとか一緒のフレームに入れられました。


カルガモの採餌 2014-01-03 丸子川(世田谷)

カルガモ&コサギ 2014-01-03 丸子川(世田谷)

美しい写真に満足し、先に進むことにしました。
とっ、その時、右手の桜の枝の中に、青い姿を見つけたのです。いつものカワセミでした。樹の枝の被らない位置に苦労してカメラをセットし、シャッターを切ろうとした時に、年賀状を配達する郵便バイクがすぐ脇に入ってきて、カワセミは飛んでいってしまたのです。「なんと…。でもご苦労さん」
カワセミは、さらに上流側へ、ここまで来ると丸子川は、両側とも住宅地となり開けた環境になります。

 丸子川:周囲は住宅地となる 2014-01-03 世田谷

カワセミを刺激しないように慎重に歩を進めると、ちゃんと居てくれました。それも写真に収めやすい位置に! 

 カワセミ 2014-01-03 丸子川(世田谷)

雌ですが、下嘴のオレンジがとても小さい個体。気お付けないと雄と間違えそうです。12月31日に確認した個体で間違えないでしょう。今回は、しっかり観察もでき、秋の間よく見てきた個体とは違うと確信できました。とりあえず、この秋、何度も確認してきた個体をA。今回のオレンジが小さい個体をBとしておきましょう。
さらに、この後に紹介する野川にもカワセミが居るのですが、それをCとしておきましょう。この個体もメスなのですが、Bとは明らかに違います。今の段階ではAと同じ個体か否か、判断はつきません。
ただし、これまでの観察地点から、別個体ではないかと思っています。整理のために、これまでの観察地点を記した地図を添付しておくことにします。


丸子川周辺カワセミ観察位置図 2014-01-03 

これからしばらくの間は、AとCの個体が、同一個体か否かを確認すのに費やすことになりそうです。 




 

『ゴックン!』 年末の川めぐり-1 カワセミ、キセキレイ、コサギ、ヒヨドリ

2013-12-31 | 僕の散歩道
いつの間にか年末になってしまった。
僕の上さんの実家はケーキ屋を営んでいるため、クリスマスは書き入れ時だ。今年も、上さんと次女が手伝いに行っている。ひとり残った僕は、年末に山を越えた仕事の整理と、家事をちょっとだけ…。
合間を縫って、いつもの散歩道を歩くことができた。ただし、今回は、チョウではなく鳥。陸鳥は、まだあまり見られないので、とりあえず川沿いの道を中心に歩きまわることにした。
自宅を出て、国分寺崖線を下ると、谷戸川、丸子川、仙川、野川が流れる。さらに足を伸ばせば、多摩川へも行ける。
今回は、このブログでも何回か紹介したカワセミやコガモを探しに、丸子川、仙川、野川を歩いてきた。

12月29日。まずはカワセミの姿を求めて、丸子川へ。この川沿い、あるいはこれに注ぐ谷戸川で再三その姿を見たのだが、いまでもまだいるだろうか…。

まず最初に目についたのがキセキレイ。谷戸川が注ぎ込む地点の小さな砂州上でじっとしていた。セキレイ類は、ちょこまか動き回るという印象が強いが、このキセキレイはじっとしている。僕の存在を認めてもくれていないのか、わずかに、振り返っただけだ。このポイント付近は、秋にカルガモが大集結していた場所だが、今は2頭しか見られない。日向ぼっこを邪魔されたとでも言うように、キビタキがやっと動き出した。


キセキレイ 2013-12-31 丸子川(世田谷)

次に姿を現したのが、ヒヨドリだ。
川の上に張り出した、イイギリの実をついばみにやってきていた。
おあつらえ向きの枝で一粒をつまみ取ると、あっという間にゴックンと飲み込み、さっと飛び去ってしまった。型落ちの僕のカメラの連写で、ほんの6枚の間の出来事だった。

  
イイギリの実を啄ばむヒヨドリ 2013-12-31 丸子川(世田谷)

見通しの悪い地点を過ぎると、突然コサギの姿が飛び込んできた。『近い!』 川の中で餌をとている。カメラを向けて、シャッターをきると、シャッター音に警戒したのか、姿勢を低く構えた。『やはり近いよなこの距離は…』と思っていると、ふわっと舞い上がったコサギが、なんと僕に向かって飛んでくるではないか。そして、僕の頭上の電線に止まってしまった。カメラを向けたが、近過ぎて全身を入れることはできない。人間で言ったらちょうどバスとショットといったところだろうか。

 
コサギ 採餌中(左)と、僕の頭上の電線に止まったところ(右) 2013-12-31 丸子川(世田谷)

さて、カワセミである…。
これまでによく見たポイントでは、見付けることができなかった。あきらめて、先へ進むと、突然鳴き声が聞こえた。これまでの確認地点より上流側に約500mほどの地点、かなり開けた場所の、サクラの小枝に止まっていた。僕が近づこうとすると、川沿いの道を、自転車が向かってくる。飛び立つのではないかと冷や冷やしたが、カワセミは我関せずといった感じだ。


桜の枝にとまるカワセミ 2013-12-29 丸子川(世田谷)

しばらく観察できたのだが、その後仙川の方まで飛んで行ってしまった。後で確認に行くと、堤防に取り付けられたコの字型の梯子に止まっているのが見えた。
仙川も行動範囲なのかと思ったのだが、後でパソコンの画面で確認すると、これは今までに見た個体とちょっと違うように見える。同じメスではあるが、下嘴のオレンジ部分が少な。さらに、胸がやや白っぽい。
これまでの確認個体をみると…。

 
カワセミ 左2013-10-08 丸子川 右2013-11-13 谷戸川

どうだろう…。ちょっと違う個体のような気がする…。
解明するのは、かなり難しそうだ。カワセミは仙川を上流に向かって飛び去ってしまった。「追跡は無理かな…。」というわけで、カワセミは一旦諦めて、今日は野川まで足を伸ばしてみることにした。

《つづく》



 

皇居桜田濠のヨシガモとオカヨシガモ 

2013-12-27 | フィールドノート(その他)
明日は、一眼のカメラを持って行こうと考えていたのだが…。天気が怪しい。
次のログで、さらに美しいヨシガモの写真を乗せられれば良いのだが…。


前回のログの最後の一節だ。学生と一緒に、「皇居一周カモカウント」と言う実習をやる前日のものだ。そして、その結果は…。
残念ながら、最悪の状況になってしまった。カウントを開始した頃はまだ曇り空だったが、ほどなく雨が降り始め、それが霰(あられ)へと変わったのだ。
気温は4℃。しかも風速は10mはあっただろう。強風にあおられ、傘を1本ダメにした。体感温度はかなり低い。
僕はある程度気温が下がることを予測していたが、学生の中には薄着のものもいた。「フィールドをなめるんじゃない。寒いぐらいで、調査はやめられない。」と叱咤したが、内心『だいじょうぶかな…。』と不安が過ぎる。

なんとかカウントは終了させたものの、個体数はずいぶん少ない結果となった。カウントは、いずれ再チャレンジしてみたいと思う。そんな訳で、ヨシガモの写真など取れる状況ではなかった。しかし、なんとか撮りたい…。

その機会はすぐに訪れた。12月25日。日比谷公園まで行く用事が出来たのだ。いや、無理やり作ったというのが真実かもしれない。少し早めに出れば、十分見てこられる位置だ。僕は2時間ほど早く家を出て、前回たくさんのカモが確認できた桜田濠りへと向かった。
水底が見られるところも出出た週間。「やったー」と思った。かなりたくさんのカモが居たのだ。ざっと200頭ほどが集まっていた。
桜田濠は濠が深いため、カモまでの距離は遠いいのだが、長いレンズを付けた一眼カメラでなんとか捕らえることができた。まずはお目当てのヨシガモを狙う。


ヨシガモ♂ 2013-12-25 皇居桜田濠

ヨシガモ以外にも、ハシビロガモ、ヒドリガモ、オオバン、カイツブリ、そしてオカヨシガモがいた。実は僕は、このオカヨシガモが好きなのだ。一見地味なのだが、何というかエレガンスな印象を受ける。僕は、チョウなども、南方系のキラキラのチョウより、北方系のしっとりしたチョウが好きなのだ。基本的に北方指向なのだと思っている。


オカヨシガモ♂ 2013-12-25 皇居桜田濠 次の写真も同所

オカヨシガモ♂(右上)、♀(右下)、オオバン(左上)、ヒドリガモ♀(左下)

写真を撮っていて気が付いた。ヨシガモの頭にピントを合わせようとすると、オートフォーカスがうまく作動していない感じがする。
微妙にフォーカスが動き、なんとなくピンが外れるようなのだ。30年前のマニュアルレンズに、オートフォーカスのアダプターを付け、中古で買ったすでに製造停止になったボディーを使って撮っているためかもしれないのだが…。
ハシビロガモでも同じようなことが起こる。これはひょっとすると、あのキンキラの色が原因ではないかと思うのだ。実際、ヨシガモの頭の色は、光の当たり具合で色合いが変わる。その反射が、オートフォーカスを惑わすのだろうか…?


ヨシガモ 光の当たり具合でい輝きが変わる(構造色) 2013-12-25 皇居桜田濠

思い出したことがある。若かりし頃、ある観察会で、カモぬり絵と言う企画を実施したことがある。その時に、コガモの目の周りを黒く塗っている子どもがいたのだ。「あれーなんで黒く塗っちゃたんだ…。」と僕。「だって、黒いよ!」と子ども。
僕は衝撃を受けた。


コガモ 2013-05-04 世田谷

コガモの頭の色は、茶色と緑と思っていた。おそらく日本で最も普及しているであろう野鳥の図鑑「フィールドガイド日本の野鳥」(日本野鳥の会)のコガモの項にも《雄の頭部は栗色と緑。体は灰色で…》と記されている。しかし、コガモの緑色と表現される部分も、光の当たり具合で色彩が変化する。実際、上に示した写真も、緑と言うよりは青に近い。
観察会の時、子どもの目には確かに黒く見えていたのだろう。もし僕が同じ教材を手にしていたら、中途半端な知識がフィルターを掛け、黒に見えても緑に塗ってしまっただろう。いや、ひょっとすると、黒そのものが見えなかったかもしれない。

皇居のお濠は結構楽しい。2~3時間あれば、カモを見ながらでも十分一周できる。途中で天気が悪くなれば、近隣の飲食店や、地下鉄の構内など、逃げ込める場所も沢山ある。もちろん、カウント中でなければの話だが…。








皇居一周カモウォッチング

2013-12-19 | フィールドノート(その他)
更新の無い間も、多くの方にフォローしていただき。ありがとうございます。まずはお礼申し上げます。
予想以上のフォローの多さが、嬉しくもあり、更新しなくてはというプレッシャーでもあり、複雑な2週間半を送りました。僕の仕事は、納期が年度末と言う役所の仕事がほとんどのため、今後も、忙しくなり、更新があまりできなくなる事があるかもしれませんが、ご容赦ください。


久しぶりにログを書く。
突然小笠原に行くことになり、その直前に更新したのが12月1日。それから2週間半も開いてしまった…。今週の頭で、大きな山を越え、仕事が一息つける状況になった。これで、やっとブログにも手を付けることができた。
実は、小笠原に行っている間に更新をしようと思っていたのだが、なんと、パソコンの電源ケーブルを忘れてしまった。しかも、本体内のバッテリーは50%ほどしかないという状況になり、ログの更新は諦めた。その後向こうの友人を通じて、ケーブルを借りることはできたのだが、時すでに遅し、心のバッテリーが空になってしまったようだ。

さて、言い訳はこれくらいにして、今日の話題は、皇居のカモ。
実は、明日、学生の実習で、皇居一周カモカウントを実施する。皇居の周りを約3時間かけて一周し、出現したカモやその他の水鳥をカウントするというものだ。学生を数人ずつ6チームに分け、それぞれ設定された6ヶ所のスタートポイントから出発する。つまり、同じ場所を、約30置きに6回カウントすることになる。

それに先立ち、下見を、一昨日(12月17日)してきた。13種275個体が確認できた。
このデータは、整理して、いずれ紹介しようと思っている。概要としては、オオバン、ヨシガモ、ハシビロガモ、ヨシガモが多く、13種275個体が確認できた。さらに出現場所にかなりの偏りがあることが分かった。また、おもしろかったのは、コガモ、マガモ、オナガガモが一個体も見つからなかったことだ。

皇居の堀は、東側環す面が近く、西側、北川は、堀が深く水面までが遠い。この東側の堀端の道を歩いていると、鳥たちが寄ってくる。ちょっと立ち止まると、鳥もこちらを見ている。、目が合うと、餌をもらえると思って、鳥たちがすぐに近づいてくる。カモだけでなく、コブハクチョウもいて、その大きな姿がスーッと近付いてくると、ちょっとドキドキする。すぐ足もとまで来たので覗きこんでみると、そこには、堀の縁からロープがぶら下がっていた。その先には木の箱が付いていた。コブハクチョウは、その箱の縁やロープを咥えて、引っ張り出したのだ。

 
ロープを引っ張るコブハクチョウ 2013-12-17 皇居(大手壕)

この箱はハクチョウの餌を入れるためのものなのだろう。たまたま僕がロープの前に立ち止まったので、餌をくれるのだろうと思い、近付いてきたようだ。しかし、一向に餌を入れてくれないので、早くよこせと、ロープを引っ張って、請求しているということなのだろう。
ついでにキンクロハジロも、おこぼれの餌をもらているようで、同じように近づいてきた。

もっと図々しいのがユリカモメ、こちらは、僕が立ち止まると、すぐ脇の手すりに舞い降りてきた。手を伸ばせば届くような位置だ。そして、すぐさま2頭目、3頭目が…。

  
手の届くような位置に舞い降りてきたユリカモメ 2013-12-17 皇居(馬場先壕)

桜田壕には、オオバン、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモがいた。こちらは、堀脇の道から水面場で20m位の高低差があり、さらに堀幅も広いことから、しっかりした光学機器が無いと楽しめない。この日は、下見のため、コンパクトカメラしかもっていなかったので、あまりきれいには撮れなかったが、なんとかヨシガモの美しい姿を収めることができた。ハクチョウやカモメのように、近くでしっかり見ることはできないのだが、やはりヨシガモの方が美しく感じてしまうのは、僕のひいき目なのだろうか、それとも、物理的、心理的距離がそうさせているのか…。


ヨシガモ 光の当たり具合で頭部の輝きが変わる 2013-12-17 皇居(桜田壕)

明日は、一眼のカメラを持って行こうと考えていたのだが…。天気が怪しい。
次のログで、さらに美しいヨシガモの写真を乗せられれば良いのだが…。


荒川河口にネッタイチョウ現る?

2013-12-01 | フィールドノート(その他)
「荒川河口でネッタイチョウを発見しちゃた!」友人に話した一言。
カメラのモニターを見せると、最近老眼の進んだ友人が、体を反らせて「うーん・・・。」
まあ、単なるジョーク。正しく言うと、ネッタイチョウのような長い尾をもった鳥を見つけたということなのだ。
その写真がこれ。


ネッタイチョウのような長い尾を付けた謎の鳥 2013-11-14 葛西橋(江東区)

このところ忙しかったため、データや写真の整理を怠っていた。今日は、朝一番でその整理をして、その後あと一歩というところまで来た仕事の続きをして、合間を縫って、関東大学対抗戦グループの早明戦を見ると決めている。実は僕は、大のラグビー、サッカーファン。もうアラ環の年なのだが、昨日もフットサルに参加してきた。

話をもどそう。この写真の話題、ちょっと古い話なのだが、写真を整理していると、11月14日 葛西橋というフォルダーがあった。中には、ただ一枚の写真。見た途端に、「そうだブログにアップしておこう」と思い。急きょ書き始めた。それがこのログなのだ。

その日、週に一度講義に通っている、葛西にある専門学校の帰り道だった。仕事をお願いしている友人に会うため、隣りの南砂町まで歩いて移動していた。荒川を跨ぐ葛西橋を渡り終える直前、河原から鳥の群れが飛び出したのだ。多少でも鳥のことを知っている人ならば、即座にこれがドバトであることはわかるだろう。ただ、その中の1頭が、何やら長い紐のようなものをはためかせながら飛んでいる。僕は即座に、図鑑の上でしか知らない[ネッタイチョウ]を連想した。
慌ててザックからコンパクトカメラを取り出し、なんとか一枚撮ったのがこの写真だ。
低倍率のズームで、さらに白い雲がバックのため、鳥の姿がよく分からない。無理の無い程度に明るさを調整し、トリミングしたのがこの写真だ。


脚に長い紐を付けたドバト 2013-11-14 葛西橋(江東区)

どうやら、長い扁平なひもを、脚に絡ませてしまったようだ。
いろいろな意味で、人間の罪深さを感じさせられた。
勝手に日本に持ち込まれ、ある時は平和の象徴に祭り上げられ、公園や、神社で餌をもらう。またある時は、糞が汚いからと止まりやすそうな場所に針状のハト避け器具やネットが張られ追いやられる。そして、いつの間にか、紐を引きずりながらの生活を強いられる。
人間の都合の良い時だけでハトと付き合っている人々が、こんなハトの境遇をどこまで知っているのだろう…。

久しぶりの散歩で見た初冬の色

2013-11-27 | 僕の散歩道
10日以上も休んでしまった。公私共に忙しく、散歩に出る機会を作ることができなかった。
今日久しぶりに、野暮用を兼ねて、散歩をしてきた。報告したいことがいろいろあったのだが、いくつかに絞って紹介しよう。

藤 初冬のアサガオ
まずは、チョウの調査で訪れる公園へ…。「いるんだな~。」陽だまりで翅を広げるチョウがいるのだ。ツマグロヒョウモン、キチョウ、そしてヤマトシジミ。「遅くまでご苦労さん」と言った感じだ。そうしている間に、モンシロチョウも現れた。
もうデータは取っていないのだが、種のチェックだけはして先へ進む。これから、昼食をとって、銀行に行かなくてはならない。
住宅街を進んでゆくと、道端のフェンスに光が透けたフジ色の花が見える。まさかと思ったのだが、そのまさかだった。なんと、まだアサガオが咲いていたのだ。11月も終わろうとしているのに…。
逆光のまま、花の裏側からカメラに収めた。


初冬のアサガオ 2013-11-27 世田谷

コンパクトカメラの小さなファインダーをのぞいていると、スクリーンのようなアサガオの花弁に、影絵のような小さな模様が映し出された。アサガオに虫が来てるのだ。スクリーンからはみ出したその姿は、アブのようだ。
回り込んでみると、どうやらナミヒラタアブかエゾコヒラタアブのようだ。後で調べてみたら、フタホシヒラタアブということになった。が、何のことはない、エゾコヒラタアブの別称で、最近は、こちらが標準和名らしい。

 花びらのスクリーンに映し出されたフタホシヒラタアブ 2013-11-27 世田谷

橙 なぜこんなところに…。
たまに使う緑道に入ってみた。僕にとっては、普通の道を行くよりは楽しい。そこにオレンジ色の効用を見つけた。しかし…。しかし、これは…。 どう見ても、ヤマハゼのようだ。今まで、ここに生えているのに気が付かなかった。この色の季節だからこそわかったというところだ。


ヤマハゼの紅葉と実 2013-11-27 世田谷

肌の弱い人はかぶれる恐れがある。これが自治体の管理する緑道にあるとは…。もともと計画して植えたとは思えない。鳥が運んだのか?

朱 砧公園で
昼食と用事を済ませ砧公園まで戻ると、落ち葉が美しい。クヌギ、ムクノキの黄色、サクラの臙脂、そして青空の下、見事な朱色のイイギリの実が鈴なりだった。

 
サクラ、ムクノキなどの落ち葉のパッチワーク(左)とクヌギの黄葉 2013-11-27 世田谷

 
イイギリの実 2013-11-27 世田谷

おまけはやっぱりドングリ
一つ忘れていた。砧公園に4本あるイチイガシのドングリが、今年は実を付けていた。
砧公園には、9種類のドングリの成る木がある。このうちの一種は、ブナなので、気候を考えると、おそらく実を成らせない。それ以外の8種類のドングリが見られるが、イチイガシは最も成る量が少ない。今年は、いくらかでも実を成らせているので、しっかり拾っておこう。

 
イチイガシのドングリ(左)と葉(奥は幹) 2013-11-27 世田谷

途中で、やけに丸いアラカシのドングリも見つけていた。これで、お土産は2種類のどんぐりということになった。
我が家では、今年拾ったドングリを出窓の前に干してあるのだが、「だんだん増えてきた!」と上さんに目を付けられ始めた。今日また2種類分増えると…。うーん、あんまり考えないようにしよう!


今年の秋に拾ったドングリなど 2013-11-27 自宅


今日のお土産 左:やけに丸い形状のアラカシ 右:イチイガシのドングリ 2013-11-27 世田谷 







チョウの散歩から鳥の散歩へ 

2013-11-15 | 僕の散歩道
木枯らし1号の力は甚大だった。
11月13日。今年のチョウの調査は、これで終わりだなと感じた。
最初のポイントの公園は、今が冬であることを造形したような景色だった。フラワーランドの名にふさわしく、確かに花は咲いている。しかし、動き回るものの姿が、全くなかった。チョウも、人も…。空の青さが、より一層の寒さを感じさせた。


花は有るのだが、冬を感じさせる公園 2013-11-13 世田谷

 モンシロチョウ(左)と、ウラナミシジミ 2013-11-13 世田谷

あちこち探し回って見つけたのがこの2匹。前回のログで、「次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。」と書いてしまったのに、このありさま。生き物たちは、見事にこちらの思惑を裏切ってくれる。滑稽だ。まったく…。

個体数をカウントしている区間では、チョウは、ムラサキツバメが1頭だけ。光浴するアキアカネの姿が寂しさを誘った。
晩秋の日差しは低く。カウント区間の7割方は日蔭となってしまった。チョウたちが、飛び回る条件ではない。
いきなり暗い日陰の部分で何かが動き、流れの上にかぶさるカエデの下に入り込んだ。しゃがみ込んで、そっと眺めると、そこにはカワセミの姿があった。しばらく見なかったので、どこかに移動してしまったのだろうと思っていたのだが、ちゃんと、留まっていてくれたのだ。この冬は、ここをねぐらにしてもらえそうだ。手持ちのコンパクトカメラでは失礼な気がした。今度は、一眼のカメラで、その凛々しい姿を納めさせてもらおう。

 
チョウのカウント地点 左:2013-11-08 右:2013-07-30 世田谷

 
光浴するアキアカネ 2013-11-13 世田谷       カワセミ 2013-11-13 世田谷

このところカルガモが集結している、丸子川沿いの道へ出た。今日も沢山集合している。1,2,3と指さしながら数を数えたのだが、途中で指が止まった。色の違うのが居るのだ。双眼鏡で眺めると、マガモのオスが混じっていた。

 カルガモに混じるマガモ 2013-11-13 世田谷    マガモ♂ 2013-11-13 世田谷

丸子川沿いをさかのぼり、何カ所かのポイントでチョウを探したが、見られたのは、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、キチョウ、ツマグロヒョウモンがほんのわずか。よくルリタテハや、ウラギンシジミが現れる、熟した柿の木を眺めたが、やはり、なにも見つけられなかった。


熟した柿 鳥がつついたり、チョウが吸汁するのだが、今日はいない。2013-11-13 世田谷

ほとんどノートに記す事が無いまま、仙川に出てしまった。
いつも通り、橋の上から、中州(?)辺りを眺める。今日もいる、大きいのと小さいのが…。
近くまで行き覗き込んでみると、2羽の大きいの(カルガモ)が寄ってきた。御多分にもれず、このあたりから餌を撒く人がいるようで、人が覗き込むと、カモたちが寄ってくるのだ。寝込んでいた小さいの(コガモ)の中の3頭が気が付いて、よちよち歩いてきた。中州を離れ寄ってきた姿を見ると、きたない顔をしている。まるで、日焼けの後に皮膚が剥けるように、夏羽が抜け始めていたのだ。


換羽中のコガモ 2013-11-13 世田谷

最後の砧公園で、念のために今年にぎやかだった樹液を見に行った。さすがい、もう閉店かと思っていたのだが、細々とではあるが、まだ浸み出していた。ただしお客さんは、ちょっと変りもののベッコウバエが3頭だけ。顔を近付けると、確かに樹液の甘酸っぱいにおいが漂っていた。

 まだ浸み出ていた樹液(クヌギ:左)とベッコウバエ 2013-11-13 世田谷

今回で、チョウの調査は終了にしたい。この後は、小春日和に、ムラサキシジミや、ウラギンシジミなどの成虫越冬する蝶たちが、光浴をする姿が見られる程度だろう。

次回からは、長めのレンズを付けた一眼レフカメラを担いで、鳥の姿を探す散歩になりそうだ。


スズメの食事

2013-11-12 | ガーデン博物記
昨日、木枯らし1号が吹いた。これで、チョウたちは姿を消し、今シーズンの調査を終了にしようと考えていた。
だが、残念なことに、天気がすっきりしない。基本的に日差しのある状態で調査をしているので、この天気では…。
そう思いながら、外を眺めていると、数羽のスズメが、庭にやってきていた。
毎年、冬になると、庭に下りて、イネ科の実をついばむ姿が見られる。今日の散歩はあきらめて、スズメの食事を眺めることにした。



昼過ぎに見ると、今度は、我が物顔で庭を闊歩するノラ猫が、草の上に居座っていた。これではスズメは降りてこられないな。

 庭に居座るノラ猫

窓ガラスをコツコツと叩いたが、振り返るだけで、逃げようともしない。まあ、いいか、スズメの食事はまだまだ続くのだから…。

チョウの調査に思う…。 こうはちょっとシビアな話。

2013-11-09 | 僕の散歩道
確実に少なくなっていた。
昨日のチョウの話だ…。

ノゲシで吸蜜するモンシロチョウ このシーンだけなら春のよう 2013-11-08 世田谷

11月8日。予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。チョウの姿が、最後の、最後は、どんな風に見られなくなるのかと思たのだ。
4日前は、最初のポイントである、花が咲き乱れる公園に行った瞬間、あまりの数に驚いた。ところが、昨日は…。いないのだ。公園内に入ったが、チョウが飛ぶ姿が見られないのだ。
花壇の間を歩き回っていると、陽を遮った僕の動きに驚き、ヤマトシジミが飛びだした。その動きに触発されセセリチョウが飛び出す。まだチョウはいたのだ。ただ、その数は少なく、その動きは極端に小さい。「僕が陽を遮っても、飛び立つものが無くなった時が、本格的な冬というところかな…。」などと小さな独り言を発した。

歩きまわると、それなりの種類は見ることができた。5日は、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、チャバネセセリ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモンの8種だったが。この日はその中のベニシジミを除いた7種がみられた。ただし、5日は、10頭以上見られたウラナミシジミは、翅がボロボロの個体を1頭のみ。ヒメアカタテハも前回複数頭見たが1頭だけであった。
調査区間全域でも、5日の15種類から、今回の12種と減らしている。
来週は冷え込むという天気予報も出ている。次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。こうして、いろいろな種が姿を消していくのであろう。
と言いたいところだが、蝶たちは、一筋縄では行かない。
実は、冒頭に、《予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。》と書いたが、実は、書かなかった事実がもう一つある。
この朝、リビングの前のタタキに、ヒメジャノメがきていたのだ。

今シーズは終了と思っていたヒメジャノメ 2013-11-08 世田谷

ジャノメチョウ類は、10月30日に1頭だけ見ることができたヒメジャノメを最後に、僕の心の中では今シーズンの終了マークが付けられていたのだ。
それが、この日現れてしまう。でもそれが生き物なのだと思う。

ここからちょっと堅い話。興味の無い方は無視してください。
調査をする人の間では、チョウのラインセンサスなどが行われている。一定ののルートを歩きながら、そこに出現する蝶をすべてカウントして集計するというものである。
きちんとした数字で出すことが客観的、科学的データだというのだ。
実は、僕は、この様な調査法に疑問を抱いている。今年続けているチョウの調査は、そんな調査法が。あまり有効ではないということを証明しようという意図もあるのだ。

たとえば、渋谷の駅前と、僕の棲む用賀の駅前と、どちらがたくさん人がいるかと言ったら、誰もが渋谷駅前だと答えるであろう。しかし、では双方何人いたかと聞かれたら、どのような答えを出せばいいのだろうか。
ハチ公前交差点を、ビルの上から写真を撮る。がんばって、それらを写真上で数える。でもこれだけでは済まない。同じ時間に、スタバに入っていた客は、従業員は…。同様に、他のお店やオフィスにいた人は…。とても、まともな数字は出せない。さらに、時々刻々と変化するのだ。人間でさ、こんな状況なのだ。人間には発見さえ難しい様々な生き物の数など、どうして数えられよう…。それでも、渋谷は、用賀より多い。そして、ぱっと見た感じ若者が多いとか、女性が多いとか、外国人が多いとか、ある程度のことは言える。さらに用賀との中間点にある三軒茶屋は、用賀よりは多いが、渋谷にはとても及ばないという程度のことは判断できる。
ならば、チョウの調査も、そのレベルでいいのではないかと思っている。ある程度の経験を積んだ調査者の経験値で対応すればよいと思うのだ。
「それは個人の主観での判断で、科学的ではない」という。
しかし、ちゃんとフィールドをやっている人なら、曇り空のもと、チョウの姿がほとんど見られなかったのに、陽が射し始めると、わずか数分で「今まで、どこに隠れていたの!」と言いたくなるほどのチョウが出現するということを知っている。その他にも、風、気温、などさまざまな条件で、今日はたくさん見られる、今日は見られないという判断もしている。つまり、見られるということと、そこに居るということには大きな差があるということを理解し、その上で判断しているのだ。だが、数字で示されたデータはちがう。いくら調査表(元データ)に「曇り」という文字があっても、集計された数字だけが、何月何日、何種何頭のチョウが確認されたというデータだけが独り歩きしてしまうのだ。僕は、このデータの方が、が調査者の主観よりも大きな間違えを含んでいると思っている。

さて、脇道の逸れ過ぎてしまった。
いずれ、今年の調査データをまとめ、今回、書き綴ったような自説を展開するつもりだ。
年に何回かのシビアなログをお許し願いたい。




カルガモの合コン? 新参者のコガモ? 集まる話

2013-11-07 | 僕の散歩道
チョウのデータを取りながらの散歩も、ついに11月を迎えた。さすがに、チョウの数は減り始め、今回(11月5日)は12種類となった。チョウのデータはあと2,3回とるつもりでいる。

さて今回は、鳥の話をしよう。
9月~10月にかけて、カワセミが居座っていた丸子川だが。小笠原出張から帰って以降その姿を見ていない。それに代わって、カワセミをよく見た辺りには、カルガモが集結していた。
集結。という言葉がふさわしいほどの数だ。

カルガモの集結(25頭が集まっていた) 2013-10-30 世田谷

10月30日には27頭、11月5日も16頭が、20~30mほどの区間に集まっているのだ。理由は分からない。すぐ上に実をびっしり付けたスダジイがあることから、その実を食べに来ているのか、あるいは、カルガモの合コンなのか…。いずれにしても、丸子川沿いのカルガモが全部集まったような状態だ。

それから仙川。10月8日に渡来した10頭のコガモの小集団を確認したが、その後もずっと10頭のままだった。ところが、11月5日には13頭になっていたのだ。これまでの観察で見落としていたのか、あるいは3頭の新参者が加わったのか? こちらもわからない。でも、わからないことが沢山あるからオモシロイ!

  コガモ 集団で休息 2013-11-05 世田谷

最後に、集まりの話しのおまけ。
鳥の話ではないが、砧公園のクヌギの樹液は、細々とではあるが、まだ出ていた。
11月5日には、さすがにチョウもスズメバチも見られなかったが、代わりにヨコズナサシガメの幼虫が10頭集まっていた。

  11月の樹液の周りに集まるヨコズナサシガメ 2013-11-05 世田谷

冬が近づくと、生き物たちは集まる傾向がある。3年前の冬。砧公園に、数百頭のアトリの群れが3集団居座った。もう一度眺めてみたいものだ。