デザインや機能性を重視したものなど、豊富な種類があるスマホケース。どんなものを使うかは個人の自由だが、特に若い世代を中心に「手帳型ケースはダサい」と考える人は少なくないようだ。だがもちろん、手帳型のスマホケースを使い続ける人たちにも言い分があるだろう。手帳型スマホケースの肯定派・否定派、両者の声を聞いてみた。
使うたびに「フタを開ける」のは非効率では
メーカー勤務の20代女性・Aさんは、手帳型のケースを使う人を見るたびに、「なぜ、あえて非効率なことをしているのか」と首をかしげる。 「手帳型のケースを使っているのは、おじさん・おばさんに多いというイメージ。若い人が使っていると、『うわ!』って思っちゃう。そもそもスマホを使うたびに、フタを開けるなんて非効率すぎでしょう。うちのおばあちゃんも手帳型です。何がいいのかわからないです」 都内の私立大学に通う男子学生・Bさんも、「メリットが見当たらない」と語る。母親が手帳型のケースを使用しているが、使いづらそうだと感じることがあるという。 「フタがあるせいか、通知に気づくのが遅い気がするんですよ。LINEとか、すぐ反応が欲しいのになかなか返事がこなかった時に、スマホは手元にあったけど通知に気づかなかったことが判明したんです。フタがあるせいで通知音は聞こえにくいしバイブもわかりにくくなる。ポップアップ通知も見られないから、気づきにくいんじゃないかと思います。 写真を撮る時もフタがパタパタするせいでいまいちカメラが使いにくそう。結局母はいつもフタを反対側に折って使っていますが、それでも手帳型のケースにする意味ってあるんですかね?(苦笑)」
フタで画面割れを防止、通知を見られなくて済む
では、手帳型ケースを使う人たちはどう思っているのか。金融機関勤務の50代男性・Cさんは、「子供からはダサいと言われる」と苦笑する。 「中学生と高校生の子供たちに『ダサい』『おっさん』などと言われますが、10年前くらい前は、手帳型のケースを使っている人も多かった印象があります。今のように何でもスマホで何でもできるわけではなかったので、私に限らず、カード入れが付いた手帳型ケースに交通系ICカードを入れていた人も多かったのでは。現在はスマホでできることが増えたこともあって、手帳型ケースを使う人が減ったのかもしれません」 Cさんが手帳型ケースに感じるメリットは「安心感」だという。 「なにより画面割れのリスクを減らせることが大きい。今、スマホは高いので、できるなら壊さず長く使いたいですからね。あとポップアップ通知が見えないのも、私にとっては逆にメリットです。子供たちは『見えないと不便じゃん』と言いますが、職場や会食なんかで、テーブル上にスマホを置きっぱなしにしているとき、相手に通知が見えないほうがいいこともあると思います」(Cさん)
外出時にこれだけ持って出ればいい
手帳型ケースにカードを収納し、持ち歩けることをメリットに感じる人もいる。不動産会社勤務の40代女性・Dさんは、「ちょっとした外出に重宝します」と語る。 「物理カードも一緒に収納できて便利です。以前はクレジットカード、交通系ICカード、ポイントカードを入れていましたが、最近は運転免許証、千円札2枚、ATMカードを入れています。外出時にとりあえずこれだけ持って出ればいいみたいなセットです。 キャッシュレスも使っていますが、やっぱり現金が必要な場面もあると思うし、もしバッテリー切れ時に現金がないと絶望してしまいそうなので」 スマホの機能は進化するが、使い方は皆が同じではない。ケース選びにも、多様な価値観が反映されている。