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教育

2005年08月04日 | Around the world 2005-2007
ちょうど私が旅に出る2ヶ月ほど前に、
中国国内における反日運動が激化し、
旅に出てくると友人、知人に報告する度に心配されたものだ。
現在、中国を旅して、約20日、立ち寄っただけのところも含めれば8ヶ所回った。
この間の個人的感想だが、そこまでの反日的な態度をとられてはいない。
むしろ、中国人は親しみ易い、悪く言えば子供っぽいのだが、
人柄の人間が多いと私は思う。
ただし、それも一部の人間を除いて。

以前、私はある知人から今回の反日運動の暴動化について
どのように考えるかを問われたことがあり、
その当時、大筋ではこのように考えた。
今回の件は都市部で発生した問題だ。
さらに、学生を中心にした運動のようである。
要するに、これは中国における高度教育を受けた者達によって発生した暴動であるだろう。
彼らは天安門事件後の反日教育をダイレクトに受けた層であり、
また、経済的にも恵まれた層であるだろう。
つまり、これは彼らの生存にかかわるような深刻な問題から発生したものではない、
長年にわたり刷り込まれてきた、思想教育によって生じたものであり、
これが中国国民の総意と見るのは危険だ。
むしろ、中国が真に抱えているデモ、暴動などの市民運動は、
代表的にはウイグルやチベットであり、
あまり報道はされていないが、農村各地で起きているという、
農民による対政府デモ、暴動であろう。
そのため、むしろ中共政府としては今回の暴動はいい隠れ蓑になったのではないだろうか。
しかしながら、政府は今回の暴動に対し、ジレンマに陥っているのではないか。
つまり、これ以上の過激化は国際社会からの非難を買ってしまう。
しかし、これらの運動に対し、やめろといってしまえば、
それは愛国心に燃え、行動を起こしている者達の怒りを買う可能性があり、
その矛先は中共一党支配に向かい、天安門の再来を起こしかねない。
(その後、上海で出会った留学生によると、
 中国における出世コースである共産党入党を狙ったパフォーマンスだ、という話も。
 彼が実際に見に行ったところ、記録部隊おり、
 それに使われていたのはソニーやパナソニック製のカメラだったそうです。
 うん、信念ねえな、こいつら。)
それがあの謝罪しているようで謝罪していない、
なんとも曖昧な態度となった理由ではないか。

後半部分は蛇足だが、
そうなのだ、まさに日本人である私に侮蔑的な態度をとるのは
高度な教育を受けた者達なのだ。
あるときスターバックスに行ってみた。
ここでバイトをしているからといって高度教育を受けているとは限らないが、
英語を話す店員は中国においては知的エリートである可能性は高いと思う。
そこの店員は私が日本人とわかると見下したような態度とってきた。
「Are you Japanese?」と妙に間延びした発音で問いかけてきて、
私がそうだと答えると、鼻で笑い、
これはどこでもそうだが、ぽいと釣りを投げてよこしてきた。
正直、殴りたい。
北京で滞在していたユースのスタッフもそうだ。
彼女も英語を操る。
そして私に対する態度と欧米人に対する態度が明らかに違う。
欧米人と話すときは愛敬を振りまいているのに、
(これは東洋人の欧米人に対するコンプレックスも作用しているかもしれないが)
私と話すときはむすっとしている。
正直、ひっぱたきたい。
もちろんこれらのことも私の主観的な感情、また感想に過ぎない。

しかし、教育というものは恐ろしい。
人間が先天的に思想などというものは持っているわけはなく、
それらはすべて後天的に与えられたものに過ぎない。
だからこそ、反日教育を刷り込まれた層が実際に国の中枢に入り、
日本と関わり合っていくかと思うと空恐ろしい。
意外に日本国内で自虐史観、反日教育、報道を受けている日本人と馬が合うかも。

 
 人でにぎわう、夜の天安門広場。
 天安門事件後に中国で行われている教育が、
 今の事態に発展しているとしたら、
 とんだ火の粉がふりかかったものだ。
 後世に憂いを残さぬためにも毅然とした態度をとりましょう。