ファミリー メンタル クリニック

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IQの問題を中学生になって考えないといけないのはどこかに問題があるはずだ

2015年04月02日 | 児童精神医学
先週からIQ検査(WISC III)でIQが70以下の中学生が続く。

主訴は 学校で問題行動、勉強についていけない、など。
IQが60だと、これは精神遅滞と診断される。
昭和の頃なら、特殊学級。
今なら特別支援学級だろう。

当然 小学校低学年から勉強は苦手だっただろう。
親御さんも どうしてこの子は出来ないのだろう?と疑問を覚えるはずだ。

教師は毎日学校で教えていて勉強についていけないのは、IQに問題があるのでは?と考えるのが当然だろう.

小学校高学年になると、テストでなく授業自体が苦痛になってくるだろう。
しかし通知票では「がんばろう」と評価される。

IQ60の子に教師は何をがんばろうと評価しているのだろう?
それは、これを読んでいる貴方に頑張って100mを10秒切るように走れ,ガンバレ! 
と言っているようなものだ。

親も教師に、ちゃんと説明もされてないまま焦ってしまう。
子どもにスパルタ式で、虐待に近い形で宿題をさせることになる。
学校は辛い。でも家では落ち着いて包み込んでくれるところなら、まだなんとかなる。
が、学校は辛い,家でも鬼のような親が・・・子ども達は抑うつ的となる。
もちろん、親もだ。

抑うつ的となり自尊心が低下し、反発を産み、家にいることが苦痛となる。
そんな子が非行に走っても全然おかしな話じゃない。

学校での問題行動を指摘し,クリニックで薬を出してもらいなさいと,「教育的」指導を行う前に
この子がIQが低く学校生活・家庭生活が破綻しているなんてことは一考もないのだろうか?

そんな、児童福祉上の最低限のことさえクリア出来てない中学生の診察が続く。
俺のこの怒りをどこにぶつけたら良いのだろうか?
この怒りは、子どもと親御さんの抑うつが反射されたものだってことも判っているのだが。

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