ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

勉強に遅れが見られる子は児童精神科に紹介すべきか?

2015年04月03日 | 児童精神医学
このところ学校で勉強についていけない子という理由で,発達障害(おそらくLD ADHD)を疑って ファミリーメンタルクリニック に紹介されて来る子が少なくない。
ADHDの診断をするにも最低IQの検査は行う.
勘違いしている人は発達障害の検査を必要だと言う人がいるが、現時点ではADHD ASDの診断するための検査はない。
問診 診察 行動 対人関係パターン これらを総合するしかない.

発達障害かも知れないと紹介される子たちの中で IQ検査をすると70以下の子が一定数存在する。

教師達にまず考えて欲しいのは 勉強に遅れがあるこの場合

1)IQに問題はないのか?
2)教え方に問題はないのか?
3)LD(ADHD、ASD)発達障害があるのか?

その順番で考えるべきだろう.

それでいくと
1)IQについては教育委員会でIQ検査をする。
児童福祉レベルで動く。
診断書は小児科医でも、児童精神医学を専門にしてない医師でも作成できる.
ふぁみめ に紹介する必要は無い。

2)教え方に問題がないか?
これは 仮に 3)の問題でLDと診断されたとしても,教え方は教師が考えて指導していくものであり、
3)と診断されてもされてなくても、教師は考えないといけないのだ。

だから実質 3)のクリニックに紹介する理由は、私が考えるところ,皆無である。(それは言い過ぎだとしても可能性は低いのだ)

で最後に3)の発達障害を考えて クリニックを紹介する事になる。
結局 診断が何であれ、対応するのは学校である。
ムダに時間をかけて 診察費を家族が支払う時間的金銭的負担を考えると,勉強に遅れがあるというだけで クリニックに紹介する理由にならないことは
明白なのである。

教師の皆さま,生徒が勉強についていけないと言うだけで,クリニックに紹介しないでね。

もちろん 多動が目立つために生活に支障が大きい子などは 学校だけでなく,親御さんがそれでお困りならばフツーに診察します。
勉強の遅れだけ,それなら受診の必要はないでしょう。
1970年代のアメリカでの from clinic to class 単にそう言っているだけなんです.

最新の画像もっと見る