ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

発達障害 親は懸念するが教師は問題ありませんという異次元の会話

2015年11月10日 | 児童精神医学
ASD的な子ども、かつて さんまのカラクリTV に幼稚園児が出て 予想外の話し方が受けてしまって・・・・というシーンがよく見られた.

ちょっと違う説明だと、誰もが関西弁を話している地域で 一人NHK東京の言葉を使う子がいるとしよう。
その子の日本語は正しい。正しいが,一緒に生活している地域のメンバーとしての語法ではない。
小学校も3年4年になると、仲間から引かれてしまう。

会話の問題だけでなく トラブルがあった場合,自分の考えた事や、行動の理由を上手に説明することが出来ない。
宿題の感想文なども、自分の言葉で意見を述べていくことが難しい。

このままだと、友達関係が破綻しかねない。
母親は心配する。

しかし、教師は、大丈夫ですよ.問題ないですよ.
と、答える。
教師が問題だと言うケースは トラブル ケンカ 頻発する子だったり 授業中うるさくて授業の邪魔になるような子のことらしい。
ちょっとしたズレが広がり扇が出来るように、下手すると180度ずれて拡大してしまう。

小学校低学年で、母親が心配したことが、残念ながら高学年になり、心配したような事態になることがある。
毎日,一緒に生活している母親が,恥ずかしながら,子どものマイナスの点を教師に相談しているのである。
問題ありませんと,官房長官のような答え方は、どうなんだろう。

もしかして、母親の真剣な問いかけの大切さに耳を傾ける姿勢だけでも,母親は期待しているものだ。

一方で 明らかに問題行動で学校生活において困る子がいる。
しかし、逆に親は家庭生活では問題を感じない場合もある。
教師はとにかく病院で薬を出してもらったら 良くなった子もいるからと勧める。
または薬の話は出さないが,この子にどうやって対応したら良いか病院の医者に聞いてきて下さい.
そんな丸投げ風な教師もいる。

学校の中で行われるのは教育である。
教師が忙しいのは分かる。
しかし学級運営の仕方を考えるときに特別支援教育対象児童がだいたい1割いることを考えて計画して欲しい。
これは学校の中で医療を行いなさいと言う事ではない。
あくまでも from clinic to class が原則だ。

対応について医者に聞いてきて下さい.
というよりも教師間で情報交換し,私のクラスの◎◎君には、こんな風に対応して集中することが出来るようになりましたよ・・・
そんなダイアローグの習慣を作っていくことが学校文化に必要だと思う。

クリニックで気になるのは、発達障害の子が能力はあるのだが、それを活かすことが出来ずに
学習がついていけない子が多数いることだ。
とても単純に言うと 学校は勉強を教えるのがメインだ.
発達障害云々の前に、この子は勉強ちゃんと出来てますか?
と基本的問題に立ち返るべきだと思う。

そこには必ず この子達が持つ LDとは的な側面と,ASD的なコミュニケーションが出てくる.仮に医者の診断がADHDだとしても。
この特徴は学習がきちんと成り立つような指導が出来ていると、かなりの部分が生活レベルが向上するような形で働いてくることだろう。

きっと母親の不安と教師の特別支援教育的対応が同じ方向に進めていく原動力となるに違いない。

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