ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

13歳の哲学

2007年10月22日 | 児童精神医学
9月に勉強会で、最近の精神科医はserotonin云々で薬を出して、はいおしまい、これじゃ脳内科だ。といつもならボクが言っているような発言を聞いて、いかん・いかん、と反省の日々。

中学生のパニック障害と診断された子が紹介されてきた。安心してもらうために、脳内科のパラダイムで説明をした。何かピンと来ない感じ。
自分で悩んでいる。親に自分は純真でよい子だけでもないのだ・・・と。
こんな事でオレはいいのだろうか・・・

identiryの問題で・・・と診察し説明をはじめた。その子は何とその単語を知っていた。
ビデオを借りたのだそうだ。

無意識とはそんなものだ。なにか分からないけどキーワードに惹かれてしまった瞬間。
脳内科のパラダイムよりも思春期の悩み、決して「異常」ではないこと、・・・と話が展開していった。
そして 生きている意味について考えている自分っておかしいと思っていることが語られる。
同級生はそんな哲学的なことを考えないので、余計に自分がおかしいのでは・・・と考えてしまう。

ヒントとして図書館で「14歳の哲学」でも借りて読んでみたらいいよ・・・って、
全く医者っぽくないけど、この辺が子どもの治療で大切な感覚なんだけどなあ・・・

児童精神医学の専門であるとか無いとそんなのカンケーない!
大人は忘れているが、自分もかつて子どもだった。誰かそんなことを言っていた。
せめて精神科医(最近は心療内科と開業していることが多いけど)は、identityの問題はかんがえてもらわないとね・・・

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