山-木-人@育てる.川本/

西部農林振興センター 県央事務所 林業普及第一課・第二課 からの情報提供

vol.51 川本町でイズモコバイモが咲き始めました

2010年03月03日 | 森とのふれあい
 イズモコバイモはユリ目ユリ科バイモ属の多年草で、2月下旬から3月にかけての数週間に地上に出て花を咲かせます。
 このような「春先、他の植物が芽吹き葉を広げる前までに開花結実し、地上部を枯らして一年のサイクルを終える」生態をもつ植物を「早春植物」と呼びます。セツブンソウやカタクリ等がよく知られています。

 バイモ属のコバイモの仲間は日本に7種類ほどありますが、島根県内には「ホソバナコバイモ」と「イズモコバイモ」が生息しています。
 かっては「ホソバナコバイモ」のみとされていましたが、「花が釣鐘型ではなくお椀型になる」「蜜線が花びらの内面基部ではなく中央下部にある」などの特徴をもつものが別種とされ、1979年に「イズモコバイモ」と記載されました。
 ちなみにバイモとは「貝母」と書きます。地下の球根の「貝」に似た2枚の鱗片が小さな芯を包んでいる様子を、「母」が子供を抱いている姿にたとえたことが名の由来であるとされています。

 今年は雪が少なかったためか、平成22年3月2日現在で早くも数十本が花を咲かせていました。
 川本町ではイズモコバイモの花が咲くこの時期に観察会や地元特産品などの販売を行っています。
 詳細はこちら



 イズモコバイモの自生地です。



 自生地にはこのような看板が立てられ、保護されています。



 咲き始めの花はホソバナコバイモに似た釣鐘型をしています。



 その後広がってお椀型になります。花びらには直線のすじ(条線)があります。



 葉は花の付け根に3枚、その下に2枚つきます。



 花の内部。蜜線(丸い黄緑色の部分)は花びらの中央下部に付きます。
 雄しべの葯は白色を帯びます。



 イズモコバイモの右隣に見える「地面から生えた1枚の葉っぱ」が3~4年生と思われる幼植物です。
 イズモコバイモは発芽した後、数年は1枚の葉だけを出して光合成を行い、地下の球根に栄養を蓄え、5~6年目ぐらいに左の姿となって花を咲かせ種をつけます。

 同じユリ科で早春植物であるカタクリの幼植物も1枚葉の形となりますが、花が大きいためか種から育てると咲かせるのに10年ほどかかります。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。