県産材を99%以上使用しており、遊戯室等広い空間を確保するためトラス工法を効果的に利用し、県外の集成材に頼らず地元の木材をうまく使う工夫をしました。
遊戯室のトラス工法部分は梁の構造をあらわしとし、木材を剥き出しにすることで「木造」のインパクトを来園者に与えています。
フローリングは裸足の園児にとって最も木の温もりを感じる部分であるため、ヒノキの無垢材を惜しみなく使用しました(660㎡)。
窓枠やロッカーなどの建具、各部屋の表示板、家具にも木材を積極的に使用し、内装の木質化にも配慮しました。
屋根には石州瓦を使用しています。
外壁にスギ板を張ることで外観からも「木造」であることをさりげなく主張しています。
「おおち保育園」は、平成22年度森林整備加速化・林業再生事業を活用して美郷町が整備した木造公共施設です。
開園時(平成23年5月)の入所園児数は111名で、子育て支援センター利用者は1日に10人程度を計画しています。
当保育園建築に当たり、できるだけ地元の木材を利用するため、原木の調達から建築まで関係者(設計者、施工者、製材者、素材生産者)が連携して事業を進めてきました。
特に製材は時間的にタイトなスケジュールのなかで、邑東地域木材協同組合を窓口に地域の製材所が連携して作業しました。
施設規模
建築面積1079㎡
木造平屋建て
木材使用量
総木材使用量212㎥(国産材100%、うち県産材99.6%、うち郡産材75.2%)
郡産材樹種別使用量(スギ75㎥、ヒノキ22㎥、マツ63㎥)
事業費(敷地造成費除く)
3億5,500万円(うち園舎2億5,400万円)