Welcome! Mr.Enrico Steger その2

2011-04-03 23:31:41 | ジルコニア
さて、講演会です。

Steger氏、若い頃はカーリーヘアの美青年という感じで、Art Garfunkelに似ていたように記憶しています。28年という年月の長さをあらためて実感。

ひとたび語りだすと、さすがはイタリアンだなぁ、と思いました。
とにかく明るく無邪気なお人柄です。
技工への情熱が伝わってくるような内容で、プロジェクターで映し出される作品の映像には圧倒されました。
作者の才能や情熱、そして解剖学とロジックが一体となって初めて技工物は芸術へと昇華するのだとあらためて考えさせられました。

講演会は二部構成でSteger氏の講演の後、お弟子さんのWilli Tratter氏によるCAD/CAMの実演講習が行われましたが、Steger氏は客席(私の隣の席)から厳しく鋭い視線を注ぎ、時にはTratter氏に注文をつけたりしていたのが印象的です。
Zirkonzahn社のCAD/CAMは日本でこそマイナーですが、世界的にはかなりなシェアを持っているとのことで、その充実振りは大したものです。素晴らしいアイデアマンでもあるSteger氏のノウハウと歯牙形態が取り入れられており、対応はジルコニアとレジン。



Zirkonzahn社のCAD/CAMによるフルジルコニア・ブリッジ。
Steger氏の歯牙形態が反映されています。
陶材の築成はごく僅かで、かなりな審美性を獲得していました。こういう作品を実際に手にとってみると、やはり刺激になります。
でも自分はあくまで和魂洋才の精神でやるぞ、とも思いますが。



サンプルの中に茶色のブリッジを見つけ、休憩時間にSteger氏に質問したところ、
「木から削りだしたんだよ、日本の木を。」との事。
触れてみると確かに木製、これがまたかなり高精度なんですよ。
「さすがは希代の天才Enrico Steger、予想もつかない事をやるなぁ。」と変に感心してしまいました。
そして、私が京都から来たこと、氏の発表に影響を受けたことなどを話したところ「私が始めて来日したとき、京都で講演したんだよ。」と。「1983年ですか?」と聞き返すと「そう、その通り。」と感慨深げな表情をされたのが印象的でした。



Steger氏のサインと名刺。あのボロボロの「アナトミカル臼歯咬合面形成法」に揮毫して頂きました。
ハタチの頃にかえったようで、嬉しかったなぁ。



左は日本人で初めてドイツ・技工マイスター資格を取得され、数々の執筆活動をされている大畠一成氏。今回は通訳の労をとっておられました(マイクがお顔にかかってしまい申し訳ありません。)。
そしてSteger氏、私。

この講習会が開かれたのが3月10日、翌11日に東日本大震災が起こり、Steger氏らも交通機関の乱れから予定より一晩遅れで次の訪問地の韓国へ飛び立ったとのことでした。
またいつか、日本の状況が一段落したら来日してほしいと思います。


Grazie!
Spero di vedere e affrontare la giornata.



EVANSPRO Dental Laboratory








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