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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

「縄文文化は東アジア全体のもの」というご都合主義

2019-03-05 20:57:59 | 古代
2018年2月8日ヤフーブログに投稿した記事を元に内容を一部変更

10年ほど前から中韓の考古学界、朝日新聞、日本国内のリベラル派(?)が唱え出した「縄文文化は東アジア全体の文化」なる主張。

なぜ、このような主張が出始めたかといえば、青森県大山平山元Ⅰ遺跡から出土した縄文土器が世界最古の1万6500年前のものだと日米の研究者の測定で判明したのがきっかけだったと思う。

確かに、極東地域のロシアのアムール川中・下流域の遺跡から1万年以上前のものとみられる土器が出土しており、日本の考古学者達もその研究に参加しているようなのだ。「ウリチ(日本版アイヌ)」でご紹介したように、極東地域には東北・北海道のアイヌ人に近い人々が(現在も)住んでいおり、1万年以上前の地球の気温は今よりも低かった、海面の高さや地形が今と異なっていたなどから、日本海や東シナ海、オホーツク海の交通が容易であったことは想像できるし、「交易」らしき痕跡が出てきているのも事実。

しかし、「縄文文化」に、これらの地域をカテゴライズすべきかどうかは別問題である。

「縄文土器」は「縄文人が製作した土器」を意味するのか単に「押圧」あるいは「隆起線文」のある土器、を意味するのかで「縄文文化圏」をどこまでとするかが全く異なってくる。


先頃、国立遺伝学研究所の斎藤成也教授らのグループは「日本人のルーツとしての特異性」を縄文人の核DNA解析で調べた報告をされており、この中では他の東アジア・東南アジアの人々には見られない縄文人と日本人にのみ共通するゲノムを解析して示されたことに注目すべきだ。


また、ロシアや中国の遺跡や土器のについては更に、遺伝学やゲノミクス、考古学の研究を通して、科学的かつ客観的に検証されるべきものであり、情緒的にとらえて、先に結論ありきの主張をするべきではない。


「考古学」や「歴史」などは「(先人も含めた)国の成り立ち」にも関わることだけに、取り扱いは慎重の上にも慎重であるべきです。


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