美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

家庭学習について思うこと

2008年03月20日 | 学校・教師考
最近学校で家庭学習の時間の少なさが話題となっています。
家庭で机に向かう時間0分という高校生が実際にいます。

教師も親も、子どもが机に向かっている時間が長いとと安心します。だから一般的に、宿題なり課題をもっと出してくださいとか、出そう・・・というところに落ち着いていく傾向にあります。
本校でも同様な議論がおこりました。

しかし、その議論に何かしっくりしないものを感じました。
私なりに家庭学習ということで抑えておきたいポイントを整理してみます。

家庭学習とはそもそも何なのかということです。ここをあやふやにしたままどうこうしようということは考えられません。

家庭での時間というのは生徒にとっても、一番自由にできるプライベートな時間です。自分でどう使おうと他人に全く干渉されることはありません。
そんな「自分で自由にできる自分の時間を、自分の将来の自己実現のために使う」ということが高校生にとって最も大切な家庭学習といえるのではないでしょうか。
この大学にいきたいから合格するために受験勉強をする。というのが最も一般的な高校生の家庭学習スタイルだと思います。しかし、本校の場合は受験ということ無しに関西学院大学に進学していきますから、受験勉強という動機付けは起こりません。(ここが本校のいいところでもあり、難しいところでもあります。)

受験指導ではない進路指導のあり方、自分自身の将来を真剣に考える機会を与える進路指導(ホームルーム)が不可欠となります。
現在、卒業生を招いて、社会の様々な局面や、生き様などをお話していただくというプログラムが展開されています。生徒にとっては大いに刺激になり、自分自身のこれからの生き方を真剣に見つめてみるきっかけになっています。そのことがきっかけで、どうしてもある分野の本を読んでみたくなった…という時間の使い方も立派な家庭学習のあり方だと私は考えます。
年間を通してそんな自発的な気持ちが持続できるような学校が理想です。
もちろん教科指導の流れの中で理解を深めるために、宿題や課題を並行して課していくことがあってもいいのですが、それだけでは学校の学びの範疇にだけ納まってしまい、本来の意味での家庭学習とは言えないのではないでしょうか・・・
私のイメージする生徒像は、自覚~自信~自活へと循環していく学びを展開していく高校生です。

生徒が机に向かっていれば安心・・・というレベルの話ではなく、生徒が自分の生き方を見つめているかどうかを親も教師も見極めていく姿勢を持つということです。

自分の生き方を見つめ、そのために自分の大切な時間を費やす生徒が増えるような進路指導のあり方、学校のあり方を大局的に構築していく方向が望ましいと考えます。


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