美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

『満水子』高城のぶ子著

2011年07月03日 | 私の本棚

水ばかりを描く画家として注目を浴びている38歳の湯浅満水子(マミコ)という女流画家と、彼女について書く仕事を引き受け、取材を始める49歳のノンフィクション作家の坂本重治・・・  

取材を進めていく中で不思議な雰囲気を持つ満水子にどんどん惹かれていく坂本・・・。

満水子のことを調べて行くうちに、やがて彼女が住んでいたダムに沈んだ村の過去のことを知り、満水子が背負っている過去も浮かび上がってくる。

後戻りできない恋愛の結末に向かって物語は一気に進んでいく・・・

京都・嵐山、越後湯沢、郡上八幡、函館という土地で描かれる、満水子と“水”との関わりの描写が、幻想的な雰囲気を演出している。

心に残る小説!

 

満水子〈上〉 (講談社文庫)
高樹 のぶ子
講談社

 

満水子〈下〉 (講談社文庫)
高樹 のぶ子
講談社

 

 

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