25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

The Listen Project

2019年07月06日 | 映画
 Marufukuさんからコメントをいただいた。感謝します。早速検索をした。すると山口智子の活動がよくわかる。「 Listen Project」。羨ましい力だ。

 ぼくも Episode として知っている情報を彼女に提供したいものだ。彼女は情報を求めていた。これは彼女のライフワークだ。
 
 バリ島に、「空で奏でる音楽」がある。ある村で代々この音楽をいわば指揮する男性がいる。何十羽という鳩に笛をつけて、空に飛ばすのである。鳩たちは大空に笛の音を奏でながら舞うのである。まるでフォーメーションダンスのようだ。最後は先祖代々の家の屋根にとまる。

 次に「神の楽器」と呼ばれる「ガンバン」という楽器の三重奏がある。観光旅行では聴けない。特別な日しか聴けないのである。乾いた音のする木琴であるが、確か一つの鍵盤で音階が微妙にズレ、三人の音によって音が融合するときに不思議な和音が空間で生まれる。

 次に口琴の合奏である。口琴はアイヌにも、アジアの各地にもあるようであるが、合奏をし、バリダンスを踊る。ビーン、ビーンと口に小さな楽器をあてて指で奏でるのである。

 最後は「ギナダ」。バリ島の中部にある湖で漁をする女性がゆっくりと網を投げて引き上げる。舟の上でその女性が歌う歌は労働歌である。歌声は湖面に響き、やがて天に吸収されるような声だ。日本列島では聞かない声である。伴奏もない。その情緒ある、切ない歌唱力にジンとくるのである。

 世界にはまさに山口智子がライフワークにするほどの民族の、そのまた村の音楽が、楽器があることだろう。民族音楽の研究家小泉文夫がやったことを現代の動画カメラと録音技術で収録する。山口智子はそのプロデューサーであり、脚本家でもある。たいした人だ。

 

宮本信子、山口智子

2019年07月06日 | テレビ
 伊丹十三の「たんぽぽ」がアメリカで上映されていて、アメリカ人男性のファンの一人が25回観た、と聞いて驚いた。細い糸のようにナイーブな神経をしてかつ完璧性格監督である。映画をつくるまでは鼻持ちならないインテリ俳優だと思っていたが、映画を作れば面白いものを作った。のく全部観たし、次回作も楽しみだった。「マルサの女」もよかった。特に本多俊之のテーマ音楽がよかった。彼を選んだのは伊丹十三であろうが、そのジャズっぽさが映像にシャレ気と展開の迫力を与えた。
「さわこの朝」でのインタビューで知ったのだが、宮本信子は一回り伊丹十三より年が下らしい。伊丹は先生のような存在であったようだ。賢い人なのだろう。伊丹十三を尊敬し、敬愛し、愛し、従い、否定もせず、彼の脆い性格よく知っていたのだろう。宮本信子は「伊丹十三記念館」の販売コーナーのグッズ作りをやっているらしい。
朝ドラの「あまちゃん」でも「ひよっこ」でも明るく賢い女性を演じている。

 朝ドラの「なつぞら」山口智子が出ている。山口智子へのインタビューも違う番組で観た。結婚後、ドラマが大ヒットして、その後急にテレビから消えた。新聞で山口智子の紀行文が優れている、という記事を読んだことがある。
 世界の民族音楽やそれに、関わる人々や地域を取材するドキュメンタリーのプロデュースをやているのだそうだ。今も続いてやっているらしい。フラメンコも再び習っているらしい。踊りたくなる曲が流れると素直に踊れる人になりたい、みたいなことを言っていた。そう言えば、日本列島人の多くは沖縄を除いて、型にない限り踊ることを恥ずかしがる。
 現在のところ、「なつぞら」では元ムーランルージュの踊り子で、今はおでんやのおっかさんをやっていて、とっても脇役である。そのうち一週は彼女に焦点が当たるストーリーになるのではないか。自分の趣味も徹底した専門家になろうとしている。貴重な映像のアルバムになることだろう。昔、ぼくも世界の隠れている音楽を発見し、録音しようと動き出したことがあったが、あわや、ニューヨークと、バリ島、とリスボンで終わってしまった。次はアイルランドだったが、これは陽の目を見なかった。ニューオリンズ、モロッコと予定を立てていたができなかった。
 山口智子はえらい。りっぱだ。で、彼女がプロデュースしている世界の音楽の旅はどこで見えるもだろう。知りたい。