25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

口喧嘩

2015年10月23日 | 日記

 オレはどこそこの会長しとる、オレは県や市でも重職をになっていた。弟は(僕の同級生ですこぶる将棋が強かった)オレら3兄弟で一番頭がようなかった。酒の席で、自慢んょうな、それだけが存在価値のようなつまらぬ男と、とうとうさいごに、口論となった。「オレは祭りの会長しとる、まあ、あと任期も1年やけどな」というところからムッとしはじめ、「オレは社会に貢献しとるんじゃ」で、言い返すことにした。「あんたのいう社会とは何だ?」彼は勢い「50%以上の人のことや」「ばかな、人間というのはそもそも社会的な存在だ。たった一人ではいきられん。社会というのは、善も悪もグレイも包み込んだものだ」というと、今度は「年上に向かって何をいう」とのたまう。あきれて、認識に年上もくそもあるか、そんなこともわからんのか」と言ってします。相手は「イナとはこれから話せん。これで縁をきる」という。僕は、「そんなこと言うない」となだめにかかった。笑いながら、「人それぞれ、考えというものは違うもんじゃい」となだめる。「いいや、違う。ワシとオマエとでは考えが違う。だから今後一切話さん」とくる。それで、しかたないわい、と思い、「勘定」と言い、席を立った。帰り際、僕は「あんたの牙は権威だの地位だのというオブラートに包まれて、何の威力もないわ」と捨て台詞を残して帰ってきた。まあ、つまらん男である。第一えらそうであり、権威とか地位や学歴で人間の価値は決まると思い込んでいる。「あんたは県やめ、市やめ、ただの人やないか。それでええやないか。なにを今さら祭りの会長しとる、と自慢することがある。祭りに参加しなくても、人間は社会的なのは当然だ」とも僕は言った。

   こんな日もあるものか、と思い、誰も仲裁に入らなかったことを思い、僕はケロッとして帰宅したのだった。すると段々腹が立ってきた。興奮してきた。つまらん男と話すのは毒のように思える。チヤホヤされるだけで、やってられないよ、と声を大にして言いたい。