演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

08/05/28 芸協若手特選会 『二ツ目勉強会』(東京芸術劇場 小ホール2)

2008-05-28 | 芸協見ブんログ
春風亭昇吉…『雑俳』

笑福亭和光…『手水廻し』

神田きらり…『寛政力士伝 谷風情相撲』

三遊亭遊雀(ゲスト)…『堪忍袋』

《お仲入り》

鏡味八千代・初音…「太神楽曲芸」

橘ノ圓満…『試し酒』


池袋にある「東京芸術劇場」で行われた『二ツ目勉強会』
開場前の入口にはご婦人方の姿が多く見受けられました。
誰のファンなんだ???

昇吉さんが登場するや、そのご婦人方が色めき立ちました
そして口々に「カワイイ」を連発!母性本能をくすぐるのでしょうか?
昇吉さんの『雑俳』は軽妙で明るいのですが、これに“間”が加わって欲しい所。
最後の「つなぐてとてとててとてとてと」が上手く言えない場面は、ちょっと間延びした感じです。
それでも高座後は花束まで贈られて、昇吉さんも嬉しそうでした!

和光さんは関東ではあまり耳慣れない『手水廻し』の一席。
最初は「手水を廻す」の意味が理解できずに重めの客席でしたが、大阪・日本橋の宿屋で丹波の宿屋の主人と板前が「手水」に四苦八苦する所は沸きました

大相撲夏場所が終わり、琴欧洲の初優勝も霞んでしまうような、両横綱の千秋楽の失態。連日マスコミを賑わせていますが、きらりさんはそんな喧騒とは無関係の「寛政力士伝」をかけてきました。
大横綱の谷風が十両最下位の佐野山と対戦すると決まり、江戸の好角家は大騒ぎ!
対戦理由の噂に
「谷風が惚れていた柳橋芸者の小福(こふく)が、実は佐野山と昵懇だったので、怒った谷風が土俵上で佐野山を投げ殺すため」
という件(くだり)があるのですが、
「芸者の小福」という言葉を聞いて、小蝠さんの芸者姿を想像してしまいました
途中、佐野山が御贔屓筋に中日の挨拶に行った際、御贔屓の旦那が、
「今日は谷風とだったろう?どうだった?」
と聞いてしまいました。
本来なら谷風と対戦するのは明日で、今日は「筑羽根(つくばね)」との対戦だったはず。
内容に大きな影響はなかったものの、きらりさんにしては珍しいミスでしたが、いつもながらの歯切れの良い“男前講釈”を堪能しました。

ゲスト出演の遊雀師匠はきらりさんを評して、
『女にしておくのがもったいないほど、気風のいい講釈』
とベタ褒め。
『高座はガーッと行くのに、楽屋に戻ると急にしおらしくなるギャップが魅力』
と語っていました。
さて遊雀師匠の『堪忍袋』は、今日も八五郎とおさきさんの大喧嘩が高座で炸裂。日曜の末廣亭同様、ご婦人方にバカウケでした。
察する所、ご婦人方は自らの夫婦喧嘩を『堪忍袋』とオーバーラップさせているんでしょうな

初音・八千代のお二人は“傘の立て分け”から。
顎に乗せた傘をスーッと肩に落とす芸は見事です!
さらに“御殿鞠”や“金輪”“枡”を回し、続いて初音さんの“五階茶碗”から2人の“撥の取り合い”まで見せてくれました。
“撥の取り合い”ではボンボン先生でもおなじみの「砧(きぬた)」がかかり、最後は仲良く6本の撥を投げ合いました

お酒が飲めないという圓満さんですが、高座での飲みっぷりは貫禄があります
2杯目がちょっと冗長気味だったかなとは思いますが、4杯目は相手の主人の目線で語り、5杯目を飲み終わった時の口調は本当に酒を飲んだかのようでした。

出演者の個性溢れる高座を満喫しましたが、終わってみるとやはり“真打”の底力が勝っていたかな?と感じた夜でした!
コメント
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