
土日は久々のテント泊でした!
選んだ場所は、テント泊デビューの地として名高い
東京都の最高峰、雲・取・山!!
テント泊はまだ2回目で、前回から10ヶ月も過ぎているし今回がデビューみたいなもんです。
テントの張り方は、もうすっかり記憶から消えている上に、
前日まで仕事が忙しく予習をする暇も無く、まさにぶっつけ本番。まっ、なんとかなるっしょ。
2016年4月16日(土)・17日(日)
コースは一番人気と思われる、鴨沢からの往復です。
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5:00準備を整え、さぁ~出発!10ヶ月ぶりのテント装備が「ウッッ」と唸る程に重いです。
5:06登山口。ここから、しばらくはダラダラとした緩い上りを歩いてゆきます。
景色は薄暗い植林で面白みもなく、ザックの重さで足取りも重く、
軽装の日帰りハイカーにガンガン抜かされまくり。
今回の山行ではエンジン始動前のこの一時間が一番キツカッタ・・・。
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この水場で元気復活。以降足取りも少し軽くなったような・・ならないような。

7:23七ツ石小屋に寄ってみました。
小屋には感じの良い女性と男性の管理人さんがいらっしゃいました。
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トイレはペーパー付きで、小便器、和式、洋式の三つがあります。

眺めも良く富士山とナントカアルプスの山々が見えます。
ここにはテントも張れるようで、眺めと穏やかな雰囲気が気に入り
「今日はここでテントを張って、雲取山まで往復しよう!」と思ったものの、
「土日など日帰りのお客さんが多い日は、皆さんが休憩するスペースが必要なので
テントを張るのは15時からになります」との事。あ~ガックリ・・。
でも、そーだよね。こぢんまりした休憩スペースをテントで早々に陣取ったら、
多くのお客さんが休憩できないもんね。
結果的には、実際に利用した奥多摩小屋のテント場がとても良かったのでオーライです。
7:53朝ゴハンの小休止をした後、次の七ツ石山へ向かいます。
途中、七ツ石山の由来?七つの大きな岩がありました。

8:20七ツ石山。

これから歩く雲取山までの登山道が見渡せ、とても雰囲気のいい山頂でした。
ここを通らない楽な巻き道もありますが、七ツ石山を通らないなんて勿体無いですよ!

8:45奥多摩小屋へ近づくと明るい広々とした道になりました。
ネットでよく見かけるクネッと曲がった木も登場。
この辺りで目の前を何度もルリビタキが飛び交い、綺麗なさえずりも聞かせてくれました。

9:00ヘリポートを過ぎると奥多摩小屋はスグそこです。

9:05奥多摩小屋。本日はここでテントを張る予定ですが、今はそのまま通過します。
ちなみに、この時点ではまだ一張りもテントはありません。

奥多摩小屋から先が、ちょこまかとした登り続きで
重いザックを背負った身には、かなりツラカッタナーーー。

10:00雲取山山頂!!
山頂は避難小屋裏手を右に進んだ場所にありました。
山頂には、東京都・埼玉県・そして避難小屋の向こうに山梨県の山頂標識がありました。
日々東京への憧れと羨望、そして隠れた妬み嫉みをジットリと持ち続ける埼玉県民なので、

記念撮影は勿論、東京都!これで気分は東京都民だっ!

これに逢いたかった!
現在では日本に三箇所のみ現存する貴重な、貴重な、原三角測点!
後ろの小さなものは補助点です。

現在の三角点と共に。ちなみに堂々の一等三角点です。
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トイレは離れた場所にボットンの大便器と小便器がありましたが、
まだ新しい印象で、匂いを除けば個人的には問題なし。

山頂は風もなく、穏やかな日差しが心地よく、
ここまで歩いて来た登山道を眺めながら、のんびりとランチタイムです。
時間はタップリあるので、めずらしく食後のコーヒーまでいただきました。
あまりに時間がありすぎて、オジサンが「雲取山荘まで行って、どんなとこか見て来よう」
などと、のたまう始末。それは当然、却下です。

11:38さぁ、本日の宿泊地、奥多摩小屋へ向かいましょう。
途中で何人も軽装組と擦違いましたが、おそらくは既にテントを張って
荷を軽くしてから山頂へ向かってきている様子。
案の定、奥多摩小屋へ戻った頃には既に10張り以上が張られていました。
無愛想な管理人さんに料金を払い、どこからどこまでテントを張っていいか聞きます。
「小屋からヘリポート手前まで」って事です。小屋ではビールと山バッチだけが売られていました。
さぁ、どこにテントを張ろうかな?しばらく小屋とヘリポート間をうろうろ。

水場への小道脇に一張りぶんの平らなスペースがあったのでココに決めました。
ここは登山道から少し下がった立地からして、雨が多く降ると水没する危険があるものの、
翌朝の撤収時刻までは雨が降らない(例え降っても少ない)予報だったので
「雨は絶対に降らない!」と信じ、度胸一発ココに決定!
ちなみに、もうひとつの候補はココから登山道を挟んだ真後ろの樹林帯で、
一張りぶんのスペースがあり、地面も平らで、そちらもいい感じでした。

全体的には、この日のテントは20数張りでしょーか。客層は圧倒的に若い人が多いです。
単独や二人組が多く、宴会と称して騒ぐ人、学生さんの団体もなく、実に静かなテント場でした。
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トイレは屋外にあり、当然のようにボットンで、紙は無く、電気もありません。
七ツ石小屋や山頂避難小屋のトイレが新しい印象なのに、ここだけは随分年季が入っています。
ド田舎育ちの身なので、このクラスのトイレはあまり問題なしですが、
訪問時はとにかく目にしみるアンモニア臭が強烈で、
暑い夏場なんかは、もっと凄い事になりそう・・・と、想像。
主な登山客層の都会っ子達にとっては、このトイレ(というか便所)をクリアできるか否かで
奥多摩小屋の快適度はかわってくるかもねー。
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この水場までの往復が何気にしんどくて「この山行の中で一番キツイ」と思ってしまった。
ちなみに水には土や苔などの粒が結構混入します。
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暖かで風も無く、とても心地よい陽気で、昼間はテント内が暑いくらいです。
気が付けばグーグーと寝入っていました。

薄ボンヤリとした春の夕暮れ。
夕食はシンプル。初めて食べたアルファ米。
「味はいまいち」との前情報でしたが、個人的には全然問題なし。

やがてテント場はガスに包まれ、
時折聞こえる鹿の鳴き声を聞きながら早々に就寝。
静かに夜はふけて・・
のハズだったのですが・・
それは日付がかわる頃。
ドコッ!ドコ!ドコドコドコ!!
と、突然テントを外から乱れ太鼓のように叩かれまくり!
ウワーーッと目を覚ますと、
テントに向かって強風が吹きつけているじゃありませんか!
うわっっ、まいったなぁー。
風は強めに吹くと天気予報では知っていたもののコレほどとは。
まさか、一番の懸念だった「雨」は降らないだろうなぁ、と空気穴から外を見ると
これほどの強風の中に不釣合いな程、浩々と月が輝いていました。
お酒をタップリと飲んだオジサンは、こんな中でも目を覚まさず。
しかも風が吹いて寒いのに、寝袋にも入らず転がっている。怖いわぁ酔っ払いって。
早く風が収まりますように・・・と念じて再び眠るも、
ドンドンッ!ドドドドドドッッッ!!!
乱れ太鼓は激しさを増すばかり。
風は強風から台風なみの爆風に変わり、テントが右に後ろに大きくしなりまくっています。
もはや山岳テントの強度テストかっっ!?と思えるような状況。
この頃に、さすがの酔っ払いも「寒い、寒い、低体温で死ぬ」と言いながら
モソモソと寝袋に入り込もうとしています。しかし寝ぼけているので上手く入れず。
脱皮途中の蛾のような姿で再び爆睡。
風はうるさいし怖いしで、とても眠れる状態ではなかったのですが、
疲れって怖いですね・・そんな中でも再び爆睡。
次に目を覚ましたのは夜明け頃。
脱皮中の蛾も、いつの間にかスッポリ寝袋に収まっていました。
ちなみに、明け方
各所テントの暴風の当たり具合を見て回ったのですが(←暇人)
この日の風向きによるのか、樹林帯・開けた斜面側問わず、
ほぼどちらのテントにも、まんべんなく強風が吹きつけていました。
樹林帯エリアはあまりに暴風過ぎて大小の枝が多数落下
「テントに当たらなかったのかな?」という心配も。
相変わらず強風が吹き荒れる中、テント内で棒ラーメンの朝食を済ませ
ほんの少し風が弱まった隙をみて(といっても、相変わらず強風)テント撤収。
どちら様も同じ考えだっようで、皆一斉に撤収作業に取り掛かっていました。
撤収完了!

6:03では、下山します。一晩お世話になりました。
相変わらず風は強く、空を雲が高速で流れて行きます。
6:47トイレをお借りするために、帰りも七ツ石小屋に寄りました。
単なる通りすがりの私達にも、管理人さん(女性)が「おはようございます」と、
優しい笑顔で声を掛けてくださいます。奥多摩小屋の無愛想さとは大違いだ~。
七ツ石小屋では、ちょうど皆さんがテントの撤収をしている最中でしたが、
コチラでも奥多摩小屋同様に強風が吹きつけていました。
堂所へ向かう登山道では、地形の影響か風も当たらなくなり、以降のんびりと下山。
足元をサーッとコマドリが横切り、遠くではキツツキのドラミングが聞こえます。

鹿さんがいました。随分人馴れしていますね。全然逃げません。
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スミレ、ヒトリシズカ、ツツジなど登山道には花も咲いていました。
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8:39駐車場着。お疲れ様でした。こんな強風だからか、駐車場の車は少ないですね。
昨日は満開だった桜も、風で花びらが随分散っていました。
帰りは「もえぎの湯」でひとッ風呂。湯使いはともかく気持ち良かったなぁー。
初めて歩いた雲取山。
行く前は「東京の山って、おもしろいのかな?」などと思っていたけれど、
山頂から眺める牧歌的で穏やかな(東京とは思えぬ)景色に、すっかり魅了されました。
重いザック+ある程度の距離を歩いた後に得られる、心地よい疲労感もよかったです。
また行きたい。今度は三峰側から!?