『江島氏物語』 

歴史推理ブログ「筑後江島氏とその庶流」
    通史に無い歴史物語

Vol 2  九州の江島さん、全国の江島さん

2018年02月08日 | 江島氏




●九州の江島さん、全国の江島さん

江島姓の方というのは全国でどの位いらっしゃるのでしょうか。

『日本姓氏語源辞典』宮本 洋一(著)のweb版によれば
https://name-power.net/

人口    約9,700人
全国順位   1,614 位 
人口比率  0.00789%
レベル 5

だそうです。
このデータは下記の方法で調査したものです。

●2002年の電子電話帳にもとづく推定人口から七つに分類。2002年としたのは1993年は登録数が多いのに対して抜けている地域や誤字が多いことによる。

●レベル1は9人以下、レベル2は10人から49人、レベル3は50人から499人、レベル4は500人から1,999人、レベル5は2,000人から19,999人、レベル6は20,000人から199,999人、レベル7は200,000人以上。1から3がレア、4が普通、5から7がポピュラー。

レベル5はポピュラーの範疇に入るようですが、ポピュラーとはいえ少数派に属します。江島姓を名乗る方は約1万2000人に一人という事になります。

『日本姓氏語源辞典』の調査によると。

■全国 都道府県順位と推定人数

1 福岡県(約2,300人)
2 佐賀県(約1,500人)
3 長崎県(約900人)
4 熊本県(約700人)
5 東京都(約400人)
6 大阪府(約400人)
7 神奈川県(約400人)
8 埼玉県(約300人)
9 愛知県(約300人)
10 千葉県(約200人)

私は関東に居住してから50年程になりますが、その間に江島姓の方に出会った事は一度もありません。首都圏で約1,300人、首都圏の総人口を考えれば無理もないかと思われます。

■市区町村順位

1 佐賀県 佐賀市(約800人)
2 福岡県 久留米市(約600人)
3 熊本県 熊本市(約400人)
4 長崎県 長崎市(約200人)
5 長崎県 諫早市(約200人)
6 佐賀県 三養基郡みやき町(約200人)
7 佐賀県 小城市(約200人)
8 福岡県 北九州市八幡西区(約150人)
9 長崎県 南島原市(約140人)
10 長崎県 佐世保市(約140人)


■小地域順位

1 佐賀県 佐賀市 犬井道(約300人)
2 福岡県 久留米市 浮島(約200人)
3 佐賀県 三養基郡みやき町 坂口(約130人)
4 福岡県 久留米市 田川(約80人)
5 熊本県 熊本市 画図町所島(約70人)
6 長崎県 南島原市 丙(約60人)
7 福岡県 久留米市 上青木(約60人)
8 大分県 中津市 中摩(約50人)
9 佐賀県 佐賀市 嘉瀬町十五(約40人)
10 長崎県 諫早市 小川町(約40人)


■顕著に見られる市区町村

佐賀県 三養基郡みやき町 , 佐賀県 佐賀市 , 佐賀県 小城市
福岡県 大川市 , 福岡県 久留米市 ,
長崎県 南島原市
北海道 空知郡上富良野町
宮崎県 児湯郡木城町
山口県 熊毛郡田布施町 , 山口県 玖珂郡和木町
広島県 竹原市 ,
佐賀県 三養基郡上峰町
神奈川県 足柄下郡箱根町 ,
福岡県 うきは市 , 福岡県 遠賀郡芦屋町
長崎県 松浦市 , 長崎県 諫早市
鳥取県 八頭郡若桜町 ,
鹿児島県 熊毛郡中種子町
北海道 紋別郡湧別町 , 北海道 苫前郡苫前町 , 北海道 虻田郡豊浦町 , 北海道 斜里郡小清水町
大分県 中津市

■名字の由来

エジマ 【江島】     

福岡県、佐賀県、長崎県。

①福岡県久留米市城島町江島発祥。鎌倉時代に記録のある地名。

②大分県宇佐市江須賀の小字の江島から発祥。平安時代に「江嶋」の表記で記録のある地名。

③地形。江と島状の土地から。鳥取県八頭郡若桜町糸白見では伊東姓から改姓したと伝える。伝承からの推定では江戸時代初期。伊東参照。愛媛県今治市通町が藩庁の今治藩士に江戸時代にあった。


■異体字、類似の苗字
 ※数字はレベル値

エシマ 【永島】6 , エシマ 【江嶋】4 , エシマ 【栄嶋】3 , エジマ 【江嶋】4 ,
エジマ 【家島】4 , エジマ 【江洲】3 , エジマ 【恵島】3 , エジマ 【工島】3 ,
エジマ 【江嶌】3 , エジマ 【柄島】3 , エジマ 【恵嶋】2 , エジマ 【惠島】2 ,
エジマ 【絵島】1 , エジマ 【繪島】1 , エジマ 【惠嶋】1 , エノシマ 【榎島】3 ,
エノシマ 【榎嶋】3 , エノシマ 【江野島】2 , エノシマ 【江ノ島】2 ,
エノシマ 【江野嶋】2



まずは新資料データのご紹介のみといたしますが、これらの資料を基にした分析は追ってご紹介したいと思います。

さて、私が筑後江島氏の歴史を調べ始めた時、史料の少なさに大変苦労しました。そこで、ふとひらめいたのが江島(中世の記録では江嶋と表記される事が多い)という名字の人名が記録されている書籍や文献、古文書を探し出せば良いのではという考えでした。

つまり江島という名字の希少性を逆手にとった方法です。佐藤さんや田中さんでは多すぎて大変な事になってしまいます。W

名前が見つかれば、その資料の書かれた時代、場所、背景から推測して、その人物の出自が筑後江島氏であることを特定出来れば良いのです。この方法で圧倒的に調査効率が良くなりました。こうして思いもかけなかったような貴重な資料をいくつも見つけることが出来ました。


●九州の江島さんのルーツ

九州の江島さんのルーツは基本的に筑後江島氏、豊前宇佐姓江島氏(栗田流江島氏)、肥後財津流江島氏の3氏です。この3氏は名字が同じでも、血縁的な繋がりはありません。

佐賀県、長崎県の在住の江島さんについては、ほぼ筑後江島氏の系譜と思って差し支えないでしょう。鎌倉、室町、戦国期を通じ、少弐氏、宗氏、龍造寺氏、江戸期に鍋島氏に仕えた武士団が、佐賀、対馬と広がって行ったようです。
また廻船を得意とした筑後江島氏の活動に従って、拠点を広げ、佐賀や長崎の沿岸部に定着していったとも推察できます。また長崎県の島原がルーツの方は江戸時代初期に現在の大川市あたりから移住した筑後江島氏のご子孫です。

福岡県(筑前、筑後、豊前)については多数の方が筑後江島氏の後裔と思われますが、北九州や筑豊の方には豊前宇佐姓江島氏の後裔もいらっしゃるのではないかと思います。

豊前国宇佐神宮の社領であった「江島別符(現:宇佐市江須賀、住江、沖須)」発祥の江島氏は鎌倉期に宇佐神宮官人、栗田氏が江島姓を名のったのが始まりです。戦国期には宇佐神宮大宮司家より養子を迎え、以後宇佐姓江島氏を名のっています。

大分県(豊後国)については家紋調査から筑後江島氏の分布も見られます。筑後江島氏は大友氏の直参として仕えた時期が有り、豊後との交流があった事が認められます。

熊本県の場合は、ご先祖が熊本藩士であるならば日田氏の庶流、財津氏から出た江島氏です。そうでなければ筑後江島氏の子孫の可能性があると思います。

宇佐姓江島氏と財津流江島氏については
Vol 53  肥後・江島氏とそのルーツ
Vol 52  豊前・江島氏 (宇佐姓江島氏)とそのルーツ
をご覧ください。両江島氏の成立時期とそのルーツを紹介しています。


●ブログの構成

ブログの構成としてはまずは筑後江島氏の発祥から、文献等で判明している内容を順にご紹介していきます。残念ながら鎌倉、室町期は見るべき史料がなく室町後期、戦国期から江戸初期までの歴史となります。鎌倉、室町前期は現在調査中です。また将来的には先祖ゆかりの地を訪ね、写真やレポートなども紹介出来たらと考えております。

皆さんのお家に伝わるご先祖の話や古文書、また私の知らぬ史料等がございましたら、是非ともご教授ください。差し支えなければ当ブログにてご紹介させて頂きます。時代に関係なくどのような内容でも結構です。


当ブログは基本的に、江島氏に関した記録や話を中心に展開していきますので、その当時の時代背景や九州の歴史については必要最低限の記述となります。但し、分かり得る範囲で、年代や年については必ず記述しておきますので、興味ある方は、他の史料やサイトでご当時の様子を確認ください。



●ご先祖探しの参考に

佐賀県立図書館では蔵書、資料に掲載された人名の検索が可能です。特に佐賀県立図書館の人名データベースは充実しています。最近収録資料のパブリックドメイン化が行われ、データベースシステムのリニューアルがありました。但し、改正前より使い勝手が悪くなっているような気がします。しかし、現存する鍋島藩士名簿が公開されていますので、直系のご先祖様の名前を見つけることができるかもしれません。一度お試しになっては如何でしょうか。
福岡県立図書館の人名検索データベースは無くなってしまったようです。

※藩士名簿は「分限帳」と言われますが、鍋島藩は「着到状」と呼んでいたようです。通常、着到状は参陣の際の上申書を意味しますのでお間違え無く。

★佐賀県立図書館 人名データベース
https://www.sagalibdb.jp/jinmei/index.php?mode=search&page=5&key=%E6%B1%9F%E5%B3%B6&s4=jinmei&sa=and&num=50&s1=all&s2=all

★佐賀県立図書館 分限帳(着到)索引データベース
https://www.sagalibdb.jp/bugenchou/

★新・肥後細川藩侍帳
http://www.shinshindoh.com/00-samurai.htm


★江戸時代の藩士を調べる | 調べ方案内 | 国立国会図書館
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-797.php

★名字の由来、語源、分布『日本姓氏語源辞典』
https://name-power.net/


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