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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[重金属]食生活について語ろう      

2019年10月19日 | 美容ダイエット
台風19号による阿武隈川の氾濫で、市内のメッキ工場から猛毒のシアン化ナトリウムSodium cyanide(青酸ソーダ:NaCN)流出を報道していました。
シアン(青酸:CN)は、配糖体として食品にも微量ながら含みバラ科青梅のアミグダリン Amygdalinで知られ、他にもマメ科など様々な植物で見らます。CNとして最大許容濃度 5 mg/m3、経口致死量は成人の場合 150~300 mg/人 と推定しています。                   (2019/10/19)
 
・重金属Heavy metals じゅうきんぞく
 殆どの食品の中には微量の金属が存在しています。銅や亜鉛のように必須元素ではあるものもありますが、限度を超して摂取すると、食中毒の原因となります。また、ヒ素や鉛、カドミウムのように微量でも毒性が強く蓄積性のあるものは、食品衛生法に規格を定めています。それらについて食品、あるいは食品原料とする場合、留意する必要があるのです。
人類の生活と金属は古くからの関わりがあります。古代ローマではブドウジュースを煮詰めるために鉛の鍋を使用し、ワインを鉛の内張りの青銅器で温めて飲んでいたため、鉛毒性発狂、痛風など鉛中毒が多発し、これがローマ帝国衰退の原因であったと言われます。
重金属は、比重4.0以上の金属のことをいいますが食品衛生法では、金属と非金属の中間的性質を持つ半金属としているメタロイドMetalloid(ホウ素・ケイ素・ヒ素・アンチモン・セレン・ゲルマニウムなど)も含めています。これらは、地殻の正常成分で動植物中に必ず検出しています。
重金属の鉄、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、モリブデン、クロムなどは、動植物に積極的に取り込まれ、必須元素として明らかになり特異的な機能があります。
しかし一方である種の金属では、環境から体内へ受動的に移行した汚染物質的な存在でヒ素、カドミウム、鉛、水銀、アンチモンなどのように生理的意義の不明なもの有害な作用のみを有するものもあります。
食品衛生法で何らかの記載のある元素は亜鉛・セレン・銅・クロム・アンチモン・カドミウム・スズ・鉛・ヒ素(半金属)・メチル水銀の10元素を記載しています。銅および亜鉛は必須元素ですが、大量に摂取することにより食中毒を起こした事例も見られています。金属の多くは重金属ですが、砒素Arsenicなど物理的性質は金属に類似していますが化学的性質は燐に類似しているので分類上は非金属、重金属のどちらにも入れられる場合があります。一般にはヒ素及び有害性重金属と表記しています。
重金属は、低濃度で生理活性、あるいは毒性を示し必須元素といえども一定濃度を超えると生体に対し、さまざまな障害を生じさせます。同一元素であっても化学系の差が毒性に大きく影響し、例えば水銀では、有機型と無機型では体内での、吸収、分布、排泄などに著しい差異が認められます。
主な中毒例としてヒ素ミルク中毒(1955年)、メチル水銀中毒(1956年:水俣・1964年:新潟)、カドミウム中毒(1955年:富山県)がよく知られています。食品中でも重金属は、必ず極々微量は検出しますので異常な汚染か否かを判断するため汚染を受けていない各種食品中の重金属含量(バックグランド値)を把握しておくことが必要です。
食品の安全性を確保するため汚染の恐れのある食品、直接食品と接触する包装容器、器具と原材料についてに対し規格基準、暫定基準値が設けられています。
清涼飲料水:ヒ素・鉛・カドミウム→検出しない
          その他の金属容器に由来するスズ→150ppm以下
米・玄米:カドミウム化合物→0.4ppm以下
農作物:ヒ素化合物→1.0~3.5ppm
    鉛化合物→0.1~5.0ppm
   カドミウム→海産物2mg/kg~その他の野菜0.05mg/kg
魚介類:総水銀→0.4ppm以下 
    メチル水銀→0.3ppm以下 
※1ppm=0.0001%、10,000ppm=1%、1mg/1L,kg=1ppmとなります。主に水でmg/L,kg =ppmとし濃度、体積、成分比を表すために用いられます。
 
◇砒素Arsenic ひそ 
  天然に単体として存在することは少なく、硫化鉱物として存在します。海藻類に有機体(メチルアルセン酸)の砒素を含みますが毒性はありません。多くの食品にヒ酸、亜ヒ酸の塩類とし食品に含みます。
無機体の砒素は、農薬、殺虫剤、防腐剤に使用して食品に付着し中毒を起こす例が見られます。
ヒ素は皮膚からも容易に吸収し髪の毛、爪などのケラチン質にも血液を介して高濃度で蓄積します。一般的にその毒性は、無機ヒ素(3価)>無機ヒ素(5価)>有機ヒ素となラットの動物実験で、経口投与LD50は、無機(3価)化合物の亜ヒ酸;14.6mg/kg、無機(5価)化合物のヒ酸;48mg/kg、有機ヒ素化合物のジメチルアルシン酸;644mg/kgです。
急性ヒ素中毒は無機ヒ素による場合が多く、重篤な腹痛、嘔吐と頻脈を伴います。慢性ヒ素中毒は、皮膚の色素沈着症、角化症、多発性神経炎、気管支肺疾患、末梢循環障害などの症状が多発しました。 最悪の場合は皮膚ガン、肺がんの発生率が高くなり死に至ります。ニンニク臭気が吐く息と排泄物からみられています。体内でタンパク質と結合しやすく、タンパク質である酵素を阻害、タンパク質の合成に悪影響を及ぼします。体内のヒ素量は14~21mgといわれ、摂取量は1日約200μgです。
 
◇カドミウム[Cd] Cadmium かどみうむ
  天然に遊離状態で産出することはなく、ほとんど亜鉛に伴って産出します。急性中毒としては、吸入数時間後から生じる咽頭痛、咳、悪寒、息切れ、呼吸困難、筋肉痛、発熱、肺水腫、間質性肺炎があります。慢性中毒では、閉塞性肺疾患、肺気腫および腎機能障害が主な症状です。
カドミウム汚染地域に住む閉経後女性に「イタイイタイ病」といい、骨軟化症、骨粗しょう症といった骨疾患が多発しました。このような骨疾患は、カドミウムがカルシウム代謝に影響しているためと考えられています。 環境汚染が原因で重金属などの有害なミネラルが魚介類、穀類、野菜、果物などに含み多量に摂取する事により中毒症状を起こしていました。水、土壌汚染により、小麦に蓄積し肝臓、腎臓障害を起こします。経口急性中毒量15mg程度で日本人の日常食からのカドミウムは、29.3μg/1日、平均米摂取量を250g/1日程度とすると摂取量は15μgぐらいです。
 
◇ 鉛(Pb)Lead なまり
 古代から採鉱、精錬、成型が簡単で用いられてきた。ローマ時代には、水道管、化粧品、鍋などに多用、鉛中毒が多発し、ローマ文明は衰退したとも言われます。日本では1935年に含鉛白粉(がんえんおしろい)が禁止しその後の中毒発生はありません。現在、金属鉛は自動車用蓄電池の極板に最も多く用いられています。急性中毒は、まれで初期症状として口腔内の収斂、口渇、悪心、腹痛、嘔吐があります。さらに感覚異常、疼痛、筋力低下します。大量曝露後には、1~2日後に急死することもあります。成人では血中基準値80μg/dL以下としており鉛の排泄は一般に遅く、ヒトにおける鉛の生物学的半減期は約10年といわれており、主に腎と消化管から排泄します。食物や水から経口的に1日平均300μg摂取し日本人の体内に78~131mg(骨に90%)存在します。
特に食品用容器に接触する部分の製造又は修理に用いる鉛0.1%以下としています。 
◇水銀Mercury,Hydrargyrum:Hg すいぎん 
  生物に対する毒性が工場からの排水として処理していた水俣病を例として知られます。有機水銀が蓄積した魚介類を食べたことにより発生した中毒です。メチル水銀(有機水銀)は脂溶性で腸管よりほぼ90%ほどを吸収し中枢神経に感覚、言語、運動障害を起こします。無機水銀は、腸管吸収率は少なく大量摂取では腹痛、下痢、吐血の症状が見られます。両方とも最悪の場合死に至ることもあり日本で魚介類に対する基準値が設けられました。食品安全委員会からの耐用量2.0μg/kg体重/週(15μg/体重50kg/1日)程度と定めています。
セレニウムが水銀との結合性が高く毒性軽減作用があり排泄することが知られメチル水銀、無機水銀の臓器内の両金属濃度は逆に増加しています。
 
◇アンチモン(Sb)Antimony あんちもん
  天然では酸化物や硫化物として産出、単体、化合物とともに毒性が強く、活字金や合金材料、ゴム硬化剤とし用いています。人体では細胞内の酵素や補助因子と反応することで毒性を発現します。急性アンチモン中毒の毒性は、胃の疝痛、下痢、皮膚炎、気管支炎など著しい体重の減少、脱毛、皮膚の乾燥、鱗片状の皮膚が、また、血液学的所見では好酸球の増加が、病理的所見では心臓、肝臓、腎臓に急性のうっ血が認められます。
慢性中毒では鉱山や溶鉱炉でアンチモン化合物を取り扱っている作業員に膿庖からなる発疹です。長引くと、肝と腎障害を起こします。
食品衛生上、ポリエチレンテレフタレート(PET:耐熱60℃)、4%酢酸で60℃、30分で溶出は0.05μg/mL以下の規格があります。 食品に接触する部分の製造又は修理に用いる金属で鉛0.1%以下、アンチモン5% 未満、 ヒ トにおける推定経口致死量200mg~2gです。
 
◇錫(Sn)Tin/Stanum  すず 
  土壌中に4.5±5.0ppm、海水ではおよそ3ppb検出しています。主な用途は、無機スズでは活字用合金、錫箔、鋳造用ブリタニアメタル、歯科用アマルガム、触媒、タイルやセラミック製品の顔料としても使われます。有機スズは、触媒、殺生物剤などです。
無機スズ化合物の急性中毒は、缶ジュースや缶詰フルーツに高濃度のスズが含まれていたことによる症例が世界各地にあります。主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛などです。何らかの理由で缶のメッキが腐食されたことによるものです。
有機スズ化合物の毒性は無機スズ化合物よりは強くなります。中毒症状は四肢の脱力・麻痺、全身の振戦などです。経皮、吸入曝露ともに重症例では激しい心窩部痛(しんかぶつう:みぞおち)を訴え失神状態に至ることもあります。有機スズ化合物の慢性中毒では、スズ化合物製造従事者が、味覚の減退を訴え、その他の症状は後頭部の頭痛、鼻血、倦怠感、肩こりなどです。錫(すず)を扱う工場で2mg/立方メートル、ジュース類の清涼飲料水で150ppm以下の規格を定めています。食品中の汚染物質規格〈国際基準〉として、海産物2mg/kg~その他の野菜0.05mg/kgを設けています。
スズによるメッキを施したものは白缶といわれ果実缶詰などに主として使用しますが、その還元力により、褐変を防ぐ、特にビタミンCの分解を防ぐなどの理由です。
 
◇亜鉛(Zn)Zinc 
人体にとって必須の金属ですが食品中の亜鉛含量は動植物が生育する環境の水・土壌・大気の影響を受けやすく急性中毒では、金属製煙霧にさらされてから3~10時間以内に風邪に似た症状が現れますが通常24~48時間で回復しています。
慢性経口摂取では、鉄芽球性貧血が知られます。過剰な亜鉛による、腸管からの銅吸収障害で銅欠乏が生じ、オキシダーゼ活性を有するセルロプラスミンCeruloplasminの低下や銅酵素であるチトクロムオキシダーゼの活性低下による鉄再利用の阻害と考えられています。人体に1.5~2.5gを保持しており、推奨量は成人で7~9mg/日、成長期や妊娠時の要求量が40mg/日です。
牡蠣かき100g-13.2mg かに100g-3.2mg  かれい100g-0.8mg いわし100g-2.3mg   和牛100g-5.1mg 牛レバー50g-1.9mg 鶏肉100g-0.7mg  牛乳200g-0.8mg程度を含みます。
 
◇クロム(Cr)Chromium くろむ
   1959年に必須の微量元素(Cr)として認められインシュリンの活性化、糖代謝・脂質代謝に関与し脂肪酸・コレステロールの合成を助け不足すると 耐糖能低下を来たします。 精製していない穀類、肉類、卵、じゃが芋に多く含みますが収穫地の環境によって影響を受けます。
体内の分布量が極めて少なく人体に、およそ2~6mg程度で肝・腎・ヒ臓・血液、毛髪、皮膚に存在し糞便、皮膚及び尿中から排泄します。100g中で黒砂糖13μg、油揚げ4μg、コーンフレーク3μg、そば3μg、マサバ6μg、牡蠣4μg、鶏モモ3μgに含みます。
クロムの吸収率は0.5~3%で、成人の1日の推奨量 10μg 、許容上限摂取量は特に定めていません。不足することが少ない栄養素ですが加工食品の多用によって摂取量の減少を懸念しています。クロム自体は無害ですが自然界に存在するクロムは酸化した三価で毒性は、さほど高くはなく、人工的に生成する六価クロムになると人体にとって有害物質となり皮膚炎、貧血、肺がん、肝・腎障害を起こしやすく、土壌汚染でしばしば社会問題が発生しています。
 
◇セレン(Se)Seelen せれん
  天然には重金属の硫化鉱中に存在します。セレンは、さまざまな生理活性を有する必須微量元素です。水銀、カドニウム、ヒ素の多くの金属の毒性の軽減を亜鉛、銅とともに関与することが知られています。セレン中毒は、家畜類で土壌中に高濃度のセレンが存在する地域では、セレン蓄積植物が100~10,000ppmも含み飼料とし呼吸困難、歩行異常、下痢を呈し数時間で死亡することもあったようです。肝壊死、腎炎等を伴い最後には死に至ります。
ヒトのセレン中毒については、多量のセレン摂取に起因する可能性として呼気のニンニク臭、毛や爪の脆弱化、脱毛、爪の変形と脱落、慢性皮膚炎などはセレンの中毒症状であろうと考えられています。魚介類をよく摂取する日本人では不足することは殆どなく100μg程度摂取しており1日の推奨量 25~35μg、上限量450μgです。
 
◇銅(Cu)Ccopper どう
  銅は地殻中に70ppm、海水に0.02~0.01ppm存在、自然銅としても産出しています。スズと銅からなる青銅は、人類が最古に使用した合金です。銅製の容器、湯沸かし器から溶出した銅が混入した飲食物を摂取した場合には、急性の銅中毒が起こることがあります。嘔吐、上腹部の痛み、下痢を伴う胃腸障害肝障害、黄疸、溶血などの症状が起こります。
脂肪の多い食事を好む人で銅を多く摂取する人は脳の老化がはやいといわれアルツハイマーでは血液中で高い値を示します。
2019/7/9にお店で専門家が焼きそばを作るのにソースが酸性で銅鍋を使ったことで銅中毒が起きたと指摘しています。
急激に大量の銅を摂取した場合は胃や小腸で吸収する際に粘膜を荒らし腹痛やおう吐を引き起こします。厚生労働省によると、現在 銅鍋などの銅を使った調理器具や食器などは原則、食品と接する部分は全面メッキしなければならないとしていますが、金たわしなどでこすりすぎるとメッキが剥げて銅が露出してしまう可能性があります。
銅製の調理器具を使用する際は調理後、料理はなるべく早く取り出すのがよく、特に酸性の食品を使用する場合は注意が必要です。銅中毒が疑わしい時は十分に吐かせた後、速やかに医師に相談するのが望ましいとしています。成人の推奨量0.5~0.8mg、上限量10mg/1日、成人体内に100mg~150mg存在します。
100g中で牛レバー0.5mg、牡蠣0.35mg、えび、蟹類、枝豆0.41mgに多く含みます。
 
 
中毒をきたす重金属の主な例として、水銀、無機鉛、砒素、銅、クロムの類に多発しています。主な症状としては消化器系、血液系、呼吸器系(肺、気管支)、神経系の症状、腎機能障害などです。近年では健康食品として特に、錠剤、カプセルにしたものの過剰摂取が聞かれますので、利用する時には、服用・摂取容量を確認・注意するようにしましょう。
 
 
 
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。
 
 
 
 
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