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[α-リノレン酸] 食生活について語ろう

2020年08月30日 | 美容ダイエット

・ α-リノレン酸Alpha-linolenic acid あるふぁりのれんさん
 α-リノレン酸は、体内でEPA,DHAに変換できる必須のn-3(ω-3)系、多価不飽和脂肪酸として注目を集めています。変換の割合は10~15%程度で合成能力の衰えてきた高齢者ではEPA,DHAを直接に摂取が進められています。
植物及び微生物中で、n-3位に二重結合を作るΔ15-脂肪酸、不飽和化酵素のデサチュラーゼDesaturaseによりリノール酸の二重結合が一個増えてα-リノレン酸を生成しています。ヒトを含めた動物ではΔ15-脂肪酸デサチュラーゼを有さないので、α-リノレン酸を自ら合成することができません。
その元となるα-リノレン酸の摂取が大切であることから、その原点に迫ってみましょう。

リノレン酸(C18H30O2)は、発見された順にα、β、γリノレン酸があります。別名でオクタデカトリエン酸Octadecatrienoic acidともいいます。

リノレン酸というと一般には、αリノレン酸のことをいいます。
α-リノレン酸の摂取が少なく、アラキドン酸(リノール酸[n-6系]より、ビタミンB6が関与しリノール酸→γ-リノレン酸[n-6系]→ジホモγ-リノレン酸→アラキドン酸)が過剰に存在するようになると細胞膜から遊離した脂肪酸のアラキドン酸が、その後シクロオキシゲナーゼCyclooxygenaseによりプロスタグランジン類やトロンボキサン類に変換します。一方、リポキシゲナーゼLipoxygenaseによりロイコトリエン Leukotriene類によって代謝を受け、これらの代謝物を総称してアラキドン酸代謝物およびエイコサノイドEicosanoid呼んでいます。アラキドン酸代謝物を経て多数の作用の強い生理活性物質を産生して動脈硬化、アレルギー、高血圧などの炎症が起こりやすくなります。


種子にはα-リノレン酸が含まれているものがあり、エゴマ、アブラナ(菜種)、ダイズ、アマ、くるみに含み特にエゴマに多く含みます。

油にすると菜種油10.2%・くるみ9.0%・大豆油7.5%・エゴマ油45%・亜麻仁油[フラックスシードオイル]は55%等、他にもソフトマーガリン2.1%、とうもろこし油1.4%、こめぬか油1.3%、糸引き納豆1.0%、オリーブ油0.8%、豚油0.7%、ごま油0.6%などです。
α-リノレン酸は広葉植物の葉の光合成に関わる葉緑体にあるチラコイドThylakoidの膜組織から得られています。実際、ほうれん草生(脂質0.2%:脂肪酸総量0.11%中リノレン酸53%[0.058g/100g中])や小松菜などの葉物野菜からα-リノレン酸を検出しています。

人では1日約2g必要といわれ、ホウレンソウに換算すると1日3.4kgに相当します。葉は草食動物の摂食可能な量です。人では必要量は、摂取エネルギーの1%程度としα-リノレン酸1日あたり2gはキャノーラ油(菜種油)なら1日20g相当です。
牧草が飼料の羊の肉では他の肉に比べてα-リノレン酸とリノール酸との比率が高く、α-リノレン酸をほとんど含まない穀物の飼料を多く与えられている鶏や豚の肉ではα-リノレン酸との比率が低くなります。牧草は草食動物のα-リノレン酸の供給源になっているのです。
n-6系脂肪酸との割合を1(n-3系):4(n-6系)とするのが望ましいとしています。

1日約2gのα-リノレン酸(n-3系)の摂取が必要であり心血管疾患のリスクが軽減するとの報告があります。
さらに健常者と比較してうつ病患者はn-3系脂肪酸の蓄積量が有意に低く、n-6とn-3の比率は有意に高かったことを指摘しています。

2011年にハーバード大学で発表した10年以上にわたる50,000人以上の女性を対象とした調査で、α-リノレン酸を豊富に摂取し、同時にリノール酸をあまり摂取しないことは、有意にうつ病の発生を減少させることが認められています。
また、この結果と対照的にこの調査では、魚油に含まれるEPA(IPA)やDHAの摂取は、うつ病の発生を減少させることについては現時点では不明としています。花粉症やアレルギー性鼻炎などに有効といわれます。

脂肪酸100g当たりで食品成分によるとオリーブ油(n-3系α-リノレン酸)0.6g:(n-6系リノール酸)7.0g、ごま油0.3g:43.6g、米糠油1.3g:35.0g、サフラワー高オレイン酸油(紅花油)0.2g:14.2g、サフラワー高リノール酸油(紅花油)0.2g:75.7g、大豆油6.6g:53.5g、とうもろこし油0.8g:54.9g、なたね油8.1g:19.9g

n-6系脂肪酸との割合を1(n-3系):4(n-6系)とするのが望ましいとしていることから大豆油30%(n-3系1.98g:n-6系16.05g):菜種油70%(n-3系5.67g:n-6系13.93g)=7.65g:29.98g≒1:3.06となります。参考としてください。

 

 

 
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