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えんどうえこばなし

フラメンコ。レッスン動画とえこばなし。

かわいい子に旅をさせてみてる

2010-08-06 21:08:31 | えこばなし
縁あって北海道滝上町の「森のこどもの村」(「森」は木と水と土を組み合わせた字)に行く事になった子(上)。
始めの計画では「千歳空港まで飛行機、札幌から高速バスに乗って行く。空港からバスの乗り継ぎは札幌のじいちゃんが面倒見てくれる」だったのだが、肝心のじいちゃんが仏さんになってしまったので計画変更を余儀なくされた。

札幌での空港ーバスの乗り継ぎは絶対に無理なので、「オホーツク紋別空港」まで飛行機で行き、そこからシャトルバスで紋別バスターミナル、バスを乗り継いで滝上まで。という計画にした。
紋別空港はANAしか入っていないし、小さな空港だし、バスターミナルといってもたかがしれているからなんとかなろう。
更に「こどもの村」にルート変更の話をしたら、同じ便に乗るこどもがいるから一緒に行動してはどうか、と話をいただいた。
早速そのMさん宅に電話をしてみると小学5年生と小学3年生の兄妹で、紋別ルートで子どもだけで行くのは始めてだが「こどもの村」の経験はあるという子たち。なんと心強いこと!!
座席番号を聞いて、飛行機の中で声をかけて紋別からは一緒に行動しようということになる。

そして本日出発。
羽田空港まで送って、荷物を預けて、お弁当買って、荷物検査場でバイバイと手を振る。拍子抜けするくらいあっという間にいなくなる子。展望台まで行って飛行機が滑走路に入るのを見届けて、空港でごはんを食べて帰った。

ごはんを食べるまでは携帯電話をにぎりしめていたが、ごはんを食べ終わっても携帯は鳴らなかったので、これは無事乗ったな、と思い携帯をしまっちゃったら、家に帰ったら家の留守録が3件(メッセージなし)、携帯にも1件電話がきていた。
胸騒ぎを覚えつつ携帯にきた着信番号(知らない番号)にコールバックする。これが詐欺電話だったりしたらキレるだろうなあ。
「はい。紋別空港です。」
と相手は言った。ががーん。空港から電話だったのか!何をしたんだ何を?生きてんのか?大丈夫か?なんで私は電車の中で携帯を手にもっていなかったのだ?!
事情を説明して、ちょっとお待ち下さいと言われ、しばらくしたら事情を知っている人が出てくれた。
うちのはシャトルバスに乗ると言っていたが、M兄妹にはお迎えが来ると言っていて、一体どうなっているのか知りたかったのだが、もう3人とも一緒にうちの職員が送りましたから大丈夫です。というような話。
まったく詳細は意味不明だったが、何か意見の食い違いがあって、そうこうしているうちにシャトルバスが出てしまって、困って空港のお姉さんに助けを求めたら、しょうがないからバスターミナルまで送ってくれた、、ということだろうか?分かったことは「こどもらは無事」それから「空港の人が車を出してくれた」ということだったので、よくわからないながらもお礼を言って電話を切った。

夜、M兄妹のお母さんから電話があった。
以下Mさんから聞いた詳しい経緯(+わたしの憶測)。

M兄妹を空港まで送ったのはおじいちゃんだった。
おじいちゃんは、チェックインするときに「キッズらくのり」の手続きをしてしまった。
「キッズらくのり」とは一人旅をするこども用のサービスで、搭乗口まで大人が付き添えるし、飛行機の中ではちやほやしてもらえるし、向こうの空港でお迎えの人に受け渡しするところまでお姉さんが付いていてくれる、という便利なものである。子どもは一人旅気分を味わえるのだが、実はめちゃくちゃ安心なのである。
ただ、そういう「安心」を売りにしているサービスなので、着いた空港にお迎えの人がいないといつまでたっても子どもは出られない。保育園のお迎えと一緒で、書類に書いた引き取り人本人でなかったら子どもを引き渡さないし、印鑑まで必要だったりする(たしか)。
で、当たり前のことなのだが、M兄妹にお迎えの人などは来ず、キャビンアテンダントのお姉さんと子どもたちは、来るはずのないお迎えの人を待ち、そこで足止めを喰ったらしいのだった。
そりゃいつまで待っても来ませんて。
おそらく子ども達は必死で「迎えなど来ないからシャトルバスに乗せてくれ」等と交渉したのだろうが(ひょっとしたら一緒にぼんやり待ってたかもしれないけど)、まあ子どもの言うことなんかは話半分でしか聞いてもらえないので、とっくにシャトルバスの時間は過ぎ、バスターミナルで乗り換えるはずだったバスの時間にも間に合わないくらいになってから「どうやら本当に迎えは来ない」ということになって、電話が来たらしいのだ。
Mさんは電話を受けて「じいちゃんたら!!!」と思いつつ、じゃあタクシーに乗せて下さいますか、とお願いしたのだが、空港の人は「滝上まで送りますから大丈夫です」と仰って送ってくれたそうだ。
空港からこどもの村までは50kmくらいあって、それを「空港の人に送ってもらった」という事件は、子どもの村の人に聞いても25年以上やっていて前代未聞的出来事だったそうである。

Mさんのおじいちゃんが、らくのりキッズの書類の「到着空港の出迎えの人」という欄に何と書いたのかはナゾのまま(たしか住所や電話番号とかも必要だったはず)で、ひょっとすると書類や説明に不備があったのに、「らくのり」で引き受けてしまったということなのかもしれないが、そういうことがあったとしても、50kmを送ってくれるなんて、なんて親切なんだANA!!というか紋別空港!!

早速お礼の手紙を書きますか、と言ってMさんとの電話を終える。

とりあえず、一番心配だった「子どもの村まで辿り着く」というミッションは、「大人の”よかれと思ってやったこと”によって引き起こされた事件を、別の大人が処理をする」という結末で無事幕を閉じた。イキナリ波瀾万丈な展開であったが、うちのがその間どんな気持ちでいたのか。また子どもの目で話すとこの話がどう変わるのか、早速土産話が楽しみである。

無事帰って来いよ~。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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失礼ながら (jem)
2010-08-07 02:26:01
すっごいおもしろい!
子供のもとにはアクシデントの神様
(笑いの神様?)が降りるといいますが・・・
いきなり計画通りにいかなかったところが
今後を期待させますね。
楽しみにしています~。
あ、うちのこだぬき2才は
今日は乳母の家にお泊りにいきまして
夜に写メ付きメールをもらったのですが
そこん家のパパと花火とかしちゃって
すっかりどこの子?でしたよ。
楽しそうらしい。なによりなにより。
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なんとかなりました (えこ)
2010-08-08 09:18:55
jemちゃん
なんとかなるもんですねー。
しかし早速ホームシックになっちゃってます。
撤退するのも良い経験ですが、ふんばれるといいなあー。
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すごいな~ (なつこ)
2010-08-08 21:37:27
いやあ、尊敬します。
私にはなかなか勇気がでないな。
でも、北海道がえこさんの地だから、できるんだよね。きっと。
親子ともぶらぼ~!

踏ん張れたら面白さが広がるんだろうけれども、撤退したって、別に悔いはないよね~。んなビッグチャレンジだもの!!
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うん (えこ)
2010-08-09 11:31:34
なつこさん
そう。とりあえず「行った」がすごい。
「待つ時間」はわたしにも彼女にもいままであんまりなかったから、少なくとも私は堪えて待ちます。
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