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えんどうえこばなし

フラメンコ。レッスン動画とえこばなし。

ネズミ顛末記

2022-02-15 22:11:00 | えこばなし
築35年ほどの「4軒並びで同じ工務店が建てました」みたいな家に住んでいる。

去年隣の畑が住宅になったタイミングでネズミが出るようになった。
畑で楽しく暮らしていたネズミたちが住処を失ってうちに引っ越してきたのである。
ネズミを「野生動物」の箱に入れると、「人間の都合で住処を失った可哀想な動物」であるからして、酷いことは出来ぬ。
ネズミを「害獣」の箱に入れると「殺ってしまえ」ということになるわけだが、なかなかそう思い切った割り切りは出来ない。ゴキブリとは違って哺乳類。
しかもイエネズミというのはよく見れば可愛いのである。
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それではじめに「出ていっていただく」という戦法を取ることにした。

超音波のなんかネズミが嫌いな音を発するものとか、
ミントのスプレーとか、
唐辛子とか。

そういうものを壁の中とか天井裏に撒いたりした。
考えてみれば当たり前なのだが、そんなものではネズミ様は出ていっては下さらなかった。
ネズミは毎夜台所に出没しては食べ物を食べ散らかしていく。
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それで次は「食べるものをなくす」という戦法を取った。

家中の食べ物を全て瓶やタッパーなどで防御。
また、台所の入り口や、壁が抜けているところも塞いでいった。

「壁が抜けているところってなに?」って感じだと思うが、うちは割と気軽に壁に穴を開けたりする家なので、あちこちに穴があいたり、そこにテキトーな感じでニッチ的な棚がしつらえたり、小窓がはめてあったり、なかったりしているのである。

それを一個一個隙間を塞いでいくには1年くらい時間がかかった。棚の裏とか冷蔵庫の裏の穴とかは空いていることも気づいてなかったりもしたし。

食品の保存は現在は「なんでもかんでも瓶に入って棚に並んでいる」という状態である。まるで「婦人の友」に出てくるような台所である。私の趣味のゼロウェイスト運動とも相性が良くて一石二鳥。こちらもこの状態になるまで1年かかった。

さて台所は整い、台所には出没しなくなったものの、ネズミ様は家からは出て行かない。
この頃、ネズミは風呂の石鹸などを食べたりしていた。石鹸まで食べるんだ、という事実は「すごい生命力だなあ」という畏怖の念まで湧かせるものであった。
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よーく観察すると、ミミズコンポストの中にも入ってコンポストの中の野菜を食べている様子。野菜はともかくミミちゃんまで減っている(食べている?)様子だったので、こちらも徹底防御。
箱を作り直し、システムを作り直し。これもまた結構時間がかかった。

しかしこれはどのみち屋外なので、家の中にネズミがいるか否かには直接関係ない。
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そうこうしているうちにネズミ様はどんどん増えていらっしゃって、屋根裏でドタンバタンと運動会をするようになった。

うちのネコさまときたら、はじめのうちは何匹か捕まえたけど、だんだんとカサカサいう音にも慣れてきて、終いにはまるで反応しなくなってしまった。どーゆーこっちゃ。
ただし、立派な野良のオス猫だったうちのネコさまが、去勢されて家でぐうたらと常駐するようになってからは部屋には出てこなくなった。

部屋にも台所にも風呂場にも出てこなくなったが、屋根裏と壁にはいる。
食べ物がなくても、安全に眠れるところがあればいいということか。
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それで今年、ようやく重い腰を上げて(ようやく我慢ならなくなって)、ついに「入口を塞ぐ」という戦法に移った。

入口は実はある程度わかっていた。
一つは下水管が出ているところのクラック。
もう一つは私がウッドデッキに単管パイプで小屋を作ったときに事情があってぶちあけた庇(ひさし)の裏。

こっちの「庇の裏の穴」が悩みのタネで、穴を開けたところに小屋を組んでしまったので、一度全部撤去して穴を塞ぐか、または家の中から穴を塞ぐかの二択しかなかったのだ。どちらにしても大ごとである。
それでぐずぐずと延ばしていたのだが、ついに家の中から穴を塞ぐことを決意。
居間の壁を一部抜いて、グラスウールをよけ、家の中から金属の網とパテと木材を駆使して穴を埋めた。
築35年のうちは幸いなことに(?)透湿防水シートなどは貼っていない。
グラスウールは戻したが、壁はまだ再構築していない。(そのうち、多分、やると思う。)

残りのパテと家にあったセメントで、下水管のクラックを埋める。
これは引っ越してきた時にやってもらった「耐震判断」というやつで指摘されていた部分だったが、ほったらかしたまま15年を過ぎたら「クラック」という表現ではそぐわない、ドブネズミだって通り抜けそうな大きな立派な「穴」に成長していた。多分耐震的には最悪の部類に入る基礎だと思う。
それを考えればもっと本格的な補修が必要な気もしたが、とりあえず現在の課題はネズミさまなので「穴さえ埋まればいい」という補修をほどこす。

それでもまだ壁でカサカサいうので、もう一度家の周りを見たら、もう一つのなんらかの管の入り口にも隙間を発見。これもスチール網を突っ込みパテで埋める。

これで、完璧か!!
と思ったら、まだ壁の中でパタパタ言っている。

うわあ・・・
他にも入り口があるということか。

2階の屋根の軒天とかに穴が空いていたりしたらちょっとDIYでは出来ないなあ。
困ったなあ。
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毎日家の周囲をぐるぐると見て、どこかからネズミが出入りしているのが見えないか観察する。
または屋根裏や壁の音に耳を澄ませ、どこから入っているか推理する。

そんなある日夫が叫んだ。
「換気扇だ!!」

台所の換気扇はシャッター付きの換気扇なのだが、夫の作業場に取り付けた換気扇はシャッターなしのものだったのだ。
夫がふと顔を上げると換気扇から出入りしているネズミと目があったらしい。

その換気扇は主に屋根裏の熱気を排出する目的で取り付けたため、屋根裏へ空気の通路を作ってある。つまりネズミにとっては最短ルートで屋根裏へと行ける好都合な入り口となっていたようである。

これには夫が張り切って(珍しくも)すごい勢いで換気扇に蓋をした。うちの夫がこのように瞬間的に何かの行動を移すことなどめったにあるものではない。夫にとってもネズミは嫌なものだったようである。

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それが4日前くらいの話である。
現在、屋根裏にも壁の中にもカサカサいう気配はない。

戦いは、終わったのだろうか。

ロシアがウクライナに侵攻するか?って出来事があってさ・・・と未来に語られる時には、私は間違いなく我が家のネズミ問題について思い出すだろうと思う。

どっちもここで終わってほしいと切に願う。


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