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えんどうえこばなし

フラメンコ。レッスン動画とえこばなし。

10センチのものは10センチであるか

2008-03-08 11:18:51 | えこばなし
Aさんが10センチの板をもってきました。
Bさんが右から4センチのところに印をつけます。
印から板の左端までは6センチです。

ということを信用出来るか?
という話をします。
一昨日発見したことです。
ーーーーーーーーーー
建築関係の人同士が話してるのを
横でじーっと聞いていて
「なにかが決定的に違う」
とずっと思っていた。

一昨日、以下の会話を聞いた。
地下屋さんと建築士の会話。

地「上屋の土台はどこにまわりますか」
建「ここと、ここ。それから、こう、ですね」
地「じゃあここにアンカーボルト出しておきますね」
建「おねがいします」

まあ、ずいぶんと略してるんだけど、おおむねこんな。
で。これを聞いたわたしは「がびーん」となった。
すごい衝撃を受けた。
その衝撃を分析したのが、冒頭の。

Aさんが10センチの板をもってきました。
Bさんが右から4センチのところに印をつけます。
印から板の左端までは6センチです。
ということを信用出来るか?
ということ。

その1。
私は今までこれをまるっきり信用していなかったという「がびーん」。
とりあえず「Aさんの10センチ」を信用しない。
「Bさんの4センチ」も信用しない。
だから「残りの6センチ」にいたっては
「んなもん分るかよ!!」
これは他人を信用しないんじゃなくて、
「自分の10センチ」も「自分の6センチ」
も信用してないということ。
「だって気が変わるかもしれないじゃん」とか
「定規が違うかもしれないじゃん」とかそういう類の信用のなさだ。

舞台(特にタブラオ)というやつは
「気が変わったり」
「定規がちょっとずつ違ったり」することが普通なので、
全ての事柄が「気が変わったり」するもんだと思っていた。
板も。
本当に板が気が変わって「俺さっき10センチだったけど、いまは30センチさ」となるとは思ってないですよ?念のため。(これを融資担当の人が読んだら、お金を貸してくれないんじゃないかと不安になり念をおす)
でも、かなりそれに近い実感があるのだ。

だから実際にわたしが10センチの板を作る役になったら
「どうせ切ってるうちに13センチくらいになるじゃん」
とどこかで思って測っている。
そもそも確信がない作業というのは乱暴になるものなので、
本当に次測ると13センチになっていて
「ほーらね」
と「どうせだめじゃんスパイラル」に陥る。

そしてわたしの作る棚やら箱やらは微妙に歪んいる。
しかし、それがアドリブ感満載で愛らしいと思う。
これぞDIYの醍醐味!とか本気で思っている(救いようがない)。
「10センチが13センチになったって良いのが出来るじゃん」
という理屈で「だめだって全然おっけースパイラル」に入る。
「いえーい。舞台(タブラオ)サイコー。スパイラル」と言い換えても良し。

で、一昨日までそれに全く無自覚だった。
「がびーん」

その2、
10センチのものは10センチであることの「がびーん」
10センチと言ったら10センチという世界がちゃんとあって、
ちゃんとそれで成り立っている業界というのが立派にある。

そうは言っても「現場あわせ」というのは必ずあって、
10センチが10,5センチくらいにはなるんだろうけれど、
10センチが「気が変わって」20センチになったりはしないよね、
という大前提が、ちゃんと機能している世界がある。
あなたと私の定規は同じです。
板の気はかわりません。
という大前提が機能してる!!
機能するんだ!!!ちゃんと!!!すげえ!!
それでもちょっとずつ定規が違ったりとかするんだと思うけど
「とりあえず信用する」
ということでちゃんと成り立っている。それって、すごい。

で、このことにもまるで無自覚だった。
「がびーん」

ーーーーー

あんまり上手い説明じゃないけど伝わりますかねえ?
「時間の感覚」や「お金(帳簿とか)の感覚」も
「まるきしダメな人」というのがいるけれど、
これって同じような感覚で「信用してない」んじゃないかなあとか思っています。
ちなみに私は時間とお金には何故か信用があって、ちゃんと計算出来るし、(間違いはあっても)計算を合わせようという努力を惜しまない。(そういうわけなので私にお金かしても大丈夫ですよ、とアピールしておく)
人というものはおもしろいものですね。

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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あはは! (なつこ)
2008-03-08 21:40:10
昨日はいいと思ったけど,今日みてみたら反吐が出そうに嫌いとか、
思いがけず,こんなもんが出てきました、とか。

ああ、こういうのって、自分を,○○と決めたくないからかね。
どこかで身体の奥の洞穴の方を信じてて。
返信する
作りましょう! (イズミ)
2008-03-09 02:20:26
えこさんのつくるアドリブ模型、見たいな~

アドリブフラメンコは見に行きますよ!
今度のファミリア!!!
返信する
アドリブだけってわけでもないところが (えこ)
2008-03-10 11:58:11
なつこさん
うん。でも、全てのものにってわけでもないな、、とだんだん思っていて、それが不思議。とりあえず板に関しては洞穴派だ。

イズミちゃん
模型つくる~!!自分では精一杯定規を信用して作ってみようと思ってます。計画的に!!
ファミリアおまちしてまする~、ありがとう!!
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Unknown (ぼに)
2008-03-12 15:56:38
10cmの板が10cmである。というのは、フラメンコやってる人にとっては、コンパスなんじゃないでしょか?

ある業界では「10cmの板は10cm」という事が、コンパスのように確固たる前提の事もあり、
違う業界においては、「10cmの板は10cmかも?」と、レマーテは1つかも?みたいな扱いだったりするのではないかと思いますデス。


端からみたら、フラメンコの打合せの方が、もっとクエスチョンマークに溢れてると思いますデスなのですです(^-^)
返信する
だとは思うんだ (えこ)
2008-03-14 00:41:02
>端からみたら、フラメンコの打合せの方が、もっとクエスチョンマークに溢れてると思いますデスなのですです(^-^)

ですよね。
で、その「ナゾ溢れる打合せ」こそが「真理だ」と思っていたわけなんですよね、わたしは。そしてそれにまるで無自覚だったわけなんです。なんでもかんでも「呼吸あわせりゃいーじゃん」という。
だから「呼吸を合わせない人」がいたりするとあっけなく破綻するし、「呼吸なんか合わせなくたって10センチは10センチだから」という世界にびっくり仰天なわけです。
ちょ、ちょっと頭悪すぎというか世間知らなさすぎな気がします、自分でも。トホホ。
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