エコを楽しむ

「エコピープル」として、
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様々な愛のカタチを楽しめました

2009-09-30 | 気になるもの
 9月25日の「こんな時もあったかな?」で予告(?)しました、アクターズマップ公演「ラブ★ガチャ」の感想を書きます。

 今回のテーマは「ピュアラブ」ということでしたが、愛のカタチには、年齢、立場、地域、時代等々から色々な形があるということで、今回の公演ではその中から6つの形がオムニバスで取り上げられていました。若い愛、熟成した愛、くたびれた愛、オタクな愛と様々な話しが楽しめる、大変お得な(笑)公演だったというのが、全体の感想です。

 オムニバスということでしたが、それぞれの話しがバラバラに展開されるというわけではなく、公園のベンチや花火大会、また、屋上のシーンなどで、さりげなくつながっていたという点は流石にうまいなあと思いました。
 また、舞台は数個の椅子やテーブル、階段という簡単なものですっきり構成され(実は私はスッキリタイプの舞台の方がごてごてしているより好きです)、さらに背景は公園・屋上・道路等の画像をさっと切り替えていくという作り方をされている点が面白いと思いました(素人なので良くわかりませんが、結構使われている方法なのでしょうか)

 6つの話それぞれへの感想は後ほどと思いますが、おばあちゃん、的屋さんをはじめ、愛の形にあわせて適材適所という感じです。この劇団は色々な個性をそろえているものですね。テレビドラマなど他のお仕事をされている方もおられるようなので、また、そのような機会にでも「会える」といいなと思いました。

 とっても面白く、また、感動させてもらえたのですが、あえて欲を言うと、6話あるということで時間配分がかなり厳しかっただろうと理解しつつ、特に第6話のようにもう少しエピソードを盛り込むと更に面白い展開になるかな、ちょっともったいないなあと思う面もありましたので、また再度取り上げる機会がありましたら、話をしぼるor単独でロングバージョンとなった作品を見てみたい気がしました。

 チケットはインターネット予約で入手していたのですが、そのページに書かれていた通り、4列目で真ん中の通路沿い、しかも前の席と椅子が互い違いにということで、私の前はまさに通路で邪魔なものなしということで、しっかり見ることができました。インターネット予約をお奨めしたいと思います。

 それでは、それぞれの話について。

■ 恋の守り犬 ■
「男2人(A、B)、女1人(C)の仲良し3人組。しかし一人の男(A)には好きな女性ができて、そのグループを去っていく」という、ちょっとパターン的かなとも思ったのですが、2人の間に挟まれた男(B)がオロオロしながら賢明に仲を取り持とうとする姿が切なかったです。この2人(B、C)はその後どうなったのでしょうか?「真剣につきあい始める」「再び3人での生活が復活するが、やがてBがはじき飛ばされてしまう」「Bとつきあうのは安易だと、Cがどこかへ去ってしまう」。続きが見てみたい気がします。ちょっと一つ目のパターンだと安易なお付き合いという感じがしますが。

■ シャボン魂 ■
 隣接するビルの屋上の男女。男性から話しかけてくることに、最初は鬱陶しそうに投げやりに応じていた女性が、やがて「飲みに行きたい!」と変わっていくその会話が面白かったです。でも何故シャボン玉が降って来たんでしょう?このあたり、夢のあるorユニークな説明が加わるといいなと思いました(実はシャボン玉用品を作っている会社の屋上だった?)

■ 木奥 ■
 熱い思いで結婚したはずなのに、何時しかお互いにほとんど会話を交わさないような冷たい関係になってしまった夫婦。夫(サラリーマン)が、公園で会った女子学生との会話から、少しずつ相手を思いやる行動をとり、やがて昔の気持ちを取り戻していく、その過程が楽しめました。
 あの女子学生は昔の妻が時間を超えて現れた?昔見た「さびしんぼう」(大林宣彦監督)という映画で、いつも息子(尾美としのり)を叱ってばかりいる母親(藤田弓子)の前に、ピエロのような白塗りメイクとオーバーオールの奇妙な少女(富田靖子)が現れ、「たくさんの夢を持ってたあの頃を忘れたの!」的なセリフを言ったシーンを思い出しました。その奇妙な少女の姿は、母親が女子学生の頃熱心に関わっていた演劇での役の姿そのままで、その時撮った写真から飛び出してきたという設定だったのです。

■ 花×火 ■
 幼なじみの2人。なかなか気持ちが伝えられないもどかしさが伝わってきました。特に、女性が本ばかり読んでいるので、男性が本に対して嫉妬を感じているような演技が印象に残りました。ピエロ的な役の2人の女性は恋心が報われず、ちょっとかわいそうでしたが。

■ 茶のみばあちゃん ■
 老夫婦と娘夫婦。とっても穏やかで心温まる会話が進んでいくのですが、実はとんでもない展開が!なんと、おじいちゃんは幽霊だったのです。すっかり騙されてしまいましたー。そういえば「木奥」のサラリーマンが公園のベンチでおばあちゃんの隣に座っていたときに、おじいさんとのやりとりを少し怪訝な表情で見ていたような。それがヒントだったのでしょうか。
 娘夫婦にはおじいちゃんの姿が見えず、おばあちゃんがボケたと思っていたんですね。娘夫婦、考え方は違うものの、どちらもとっても優しくおばあちゃんを思いやっていることがヒシヒシと伝わってきて、思わずホロッという感じでした。
 それにしても、おばあちゃんの演技がホントに可愛らしいかったです。

■ 恋愛管理人 ■
「オタクが的屋から買わされた貯金箱には、女性(ロボット?)が付いてきた。その女性は、貯金の額により微笑んだり、手をつないできたり...」って、この手の話、好きなのでワクワクしながら観ました。欲を言えば、もう少し時間があれば、貯金をしていく際のエピソードをもういくつか挟み、それにより育まれた女性への想いと、目標額が達成され目的を果たすことができることへの葛藤が描かれると更に面白いかなと考えました。
 また、私はちょっと違う展開を予想していて、目標額がたまると、ホントに機能停止してしまう(女性が動かなくなる・壊れる)ということで、貯金をして女性の笑顔を見たい気持ちと、機能停止してしまうことへの恐れとで、心の中が激しくゆり動く状況になるのかなとも思ってました。


次回作は、4月上旬 代々木 山野ホールにて、『奇人、怪人 サンジェルマン』だとか。タイトルからも、ユニークな作品が期待できます。

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