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ウクライナ危機PARTⅡ いよいよ黙示録の扉が開いたか チェルノブイリ原発、電源喪失!

2022-03-09 22:22:59 | 軍事
●戦争どころではなくなるかも! チェルノブリ原発、電源喪失!

2022年3月9日、14:12。監視システムのデータ送信停止。メールでやりとり。AFP



復旧は不可能か




●終末小説「終わりの始まり」

<ロシア軍 チェルノブイリ占領部隊HQ(司令部)>


「キエフへの電力封鎖が必要だ!あのコメディアン上がりの大統領のSNS発信を止めるよう、クレムリンから直接命令が来た。セルゲイ!今すぐ送電網を切ってこい!」
独立特殊任務支隊のタラノフ司令官がピリピリと緊張した顔で、工兵小隊長のセルゲイ・ゾロトフ少尉に怒鳴るように下命した。
「わかりました!」両足で軍靴をカツと鳴らすと同時に敬礼して、回れ右をすると逃げ出すようにゾロトフ少尉はHQを飛び出した。
「えらくご機嫌斜めでしたね」部下で上級軍曹のゴロノフ上級軍曹が少尉に同情するように話しかけた。
「直轄の西部軍管区を飛び越して、連邦軍参謀総長から直に命令がきたのだろう。司令官も思わずクレムリンからと言っていただろう。うまく進軍が行ってないのでプーチンがいら立っているのじゃないか」
「でも送電網を切れといっても稼働中の原子炉はゼロですよ。無事だった1-3号機は既に停止、今の送電網は事故った石棺の4号炉用や補修・維持用に必要な送電網じゃないんですかね。素人なのでわかりませんが」
「上級軍曹、今すぐ切れと命令されたんだ。プーチン命令だぞ。グズグズしていたら銃殺だ。なんでもいいから切断してしまうんだ。今日中に!」


<チェルノブイリ発電所内>

「なんてことをしてくれたんだ!」血相を変えて所長がやってきた。警戒した部下の一人が所長に対しカラシニコフAK-12ライフルを向けた。2020年から歩兵装備近代化計画で西部軍管区に配備が始まったアサルトライフルだ。ゾロトフ少尉は銃を下ろせと手で部下に合図した。
「落ち着け、所長。何の用だ?」
「所内の電源が止まってしまった。あんたたちがやったんだろ!」
「上からの命令だ」
「気でも狂ったのか!放射能が舞い上がるぞ。ここにいる全員が汚染されるんだぞ」
「原発は全部、だいぶ前から停止しているだろう。問題があるのか?」
「問題だらけだ!停止していてもここには約2万本の使用済み核燃料が冷却され保管されているんだ。電源停止で冷却ができなくなり、冷却水が崩壊熱で蒸発し始める。放射能を帯びたミストが充満するんだ!石棺の4号機でも放射性ダストのエア・クリーニングができなくなる。そこら中から放射能が漏れだすぞ!」
「もう事故から36年経っている。十分冷却できているだろ。我々の専門家もそう言っていたぞ」
「そいつはプーチンの言いなりになる専門家だろう」吐き捨てるようにいった。
「口に気をつけろ、所長。今の立場を分かっていないのじゃないか」ゴロノフ上級軍曹が強い口調で恫喝した。
「1号機は1996年、2号機は1991年、3号機は2000年に停止した。それぞれ26年、31年、22年の冷却だ。一律に36年間冷却したものではないんだ。熱いのも冷たいのもあるんだ」怒りを抑えながら無知なロシア兵に我慢強く説得をした。
「とにかく破壊した送電網を復旧してくれ。そっちができないなら復旧チームを呼ぶから許可をくれ」
「送電網の復旧は許可できない。今言ったとおり上からの命令だから。あきらめろ」
所長はゾロトフ少尉の目を見て、そこに動かしがたい決意があるのを見て取った。バカで石頭のロシア兵め!と怒鳴りつけようかと思ったが口には出さなかった。両手を挙げて天を仰いだ所長は踵を返し憤然として帰っていった。

その後姿をみながらゴロノフ上級軍曹がつぶやいた。「どうします、報告しますか?今の話」
「そうだな。・・報告しておこう。所長の話が本当で、報告せずに事が重大になったら、お前たちが報告しなかったからだと責任を転嫁されるだろう」


<ディープステート・クラウド>

南側壁全面が透明はめ殺しのガラス張りの書斎から広い庭園が見渡せた。大きなマホガニーデスク上に置いていたスマートフォンが鳴った。「旦那様、ウィーンのIAEA、ヴィクター・ラモント様からお電話です」「つないでくれ」

「やあ、ヴィクター。久しぶりだね。」
「御無沙汰しておりました」
「君からの電話ということは物騒な事件でもあったということかな」
「お察しの通り」ヴィクターはこの大富豪への情報提供時の心得を思い起こした。簡潔にムダ話はなし。要点だけを伝える。大富豪の1分1秒は数万ドルに値すると豪語されたことがある。口調はやわらかいが、ムダ口が長いと機嫌が悪くなる。その分、報酬が減る。減らないようにしないと。
「ウクライナで原発事故が起きそうです。それでご一報しました」
ヴィクターは、ウクライナのチェルノブイリとザポロジエ両原発からの監視システムのデータ送信が次々と停止したこと、占拠したロシア軍が意図的に原発内の電源を遮断した可能性が高いこと、第二の福島原発事故になるかもしれない懸念があることなどを手短に説明した。
「なるほど。それでIAEAはどうみてる?」
「重大な影響はないとプレス・リリースしています」
「そうなのか?」
「大騒ぎになるので、まずは定石どおり安全神話の流布に徹していると思います」
「そうだろうな。で、神話が壊れるのはいつ頃?君の見積もりでいいから聞かせてくれないか」
「バックアップで何とか危機を回避していますが、コントロールしているのは原子力知識のないロシア兵です。原発作業員のローテーションなど十分な配慮をするようIAEA側から申し入れていますが、状況は悪化の一途です。重大事故は時間の問題でしょう。多分、1、2週間、持つかどうか」最後は語尾が小さくなった。
「ヴィクター。よく知らせてくれた。君のスイスの口座は前のままだね?・・わかった。ありがとう」スマートフォンがきれた。

「エリック、私だ」
「やあ、どうした?」
「今IAEAのディープスロートから情報が入った」たった今ヴィクターから聞いた話をエリックに説明した。
「1-2週間か。株式の全部を売り抜くには短いな」
「欲張らない方がいいぞ。君が持っているマスコミ・チャネルを使ってIAEAの安全神話を増幅したらどうだ。しばらくは一辺倒な市場の暴落にはならず、乱高下が繰り返されるだろう」
「もう手は打ったのか?」
「ああ、株式の方はうまく売り抜けと担当に指示済みだ。地金も上がるだろう。石油も先物に手をつけた」
「そうか。ウクライナ汚染なら小麦も手を打っていた方がいいな。ありがとう。いい情報だ」
「1つ貸しだぞ、エリック」


<秘密の地下シェルター、ロシア>

「大統領、ショイグ国防大臣からお電話です」
「つなげ」
「プーチン大統領閣下」シェルターの壁面の大きなスクリーンに、少しオドオドした表情の国防大臣の姿が映し出された。プーチンは電話ではなく、相手の表情も読めるTV会議で対面的な連絡をするよう要人・高官に要求していた。プーチンは黙ったままだ。
「先ほど入った情報ですが、ウクライナのクレバ外相がチェルノブイリ原発の送電設備の復旧のため、我が軍の攻撃停止を求めて国際社会に訴えております」
「知っている」
「いかがいたしましょう?」
「放っておけ。原発事故を煽って攻撃停止を企むウクライナ側のフェイク・プロパガンダだ。コメディアンらしい浅知恵だ。攻撃の手を緩めるな、セルゲイ」呼び捨てにして、どちらが権力上位か思い知らせる、プーチンの人心収攬術だ。
「わかりました」国防相の額と背中には汗が噴き出していた。侵攻計画の遅れの叱責がいつプーチンの口から飛び出すか、気が気でなかったからだ。
恫喝と恐怖で相手を屈服させるのは、スターリンや古今の独裁者の常套手段だ。


<プーチンの不安と恐怖>

当初の作戦目標では、数日でウクライナ占領が完了するだろうとプーチンは自慢げに話していた。ウクライナ国境の北部、東部、南部に19万人の大兵力を終結させ、軍事演習と称して示威的軍事行動で脅し、精神的にウクライナ軍の士気を萎えさせる。電撃的奇襲作戦で演習から侵攻に一気に切り替える。企図秘匿のため軍管区司令官以上にしか侵攻計画を知らせなかった。それがかえって現場兵士たちの士気の混乱を招いた。演習だと思っていた現場は兄弟国への攻撃にためらいが起きた。そしてロシア側の演習の間に、ウクライナ側は抗戦・防御の準備を十分整えていたため、士気が萎えたと思っていたウクライナ軍の強烈な反撃で、ロシア兵の士気はためらい・混乱から逆に打ち砕かれてしまった。

侵攻が計画どおり進まない。欧米やそれに賛同する国際社会の経済制裁がジワジワと影響が出てきた。せっかく富豪にしてやったのに手のひら返しを起こし始めたオリガルヒのクソども。参戦はしないと言い続けているがいつ参戦するかわからないNATOと米軍。おさまらない国内の反戦デモ。
そして一番警戒しなければならないのは、プーチンの昔の古巣KGBに戻りつつあるFSB(ロシア連邦保安庁)だ。毒殺、暗殺、状況次第では欧米情報機関とも秘密裡に手を組むことも厭わない連中だ。いつクソCIAやMI6と話し合いをして、俺の暗殺計画を画策し始めるかわからない不気味な組織だ。プーチンは自嘲気味に苦笑いした。FSBをそういう姿にしたのはプーチン自身だからだ。自業自得か。まあいい。今更後には引けない。権力を失えば、軍もFSBも喜んで俺を捕らえ、戦争犯罪人として国際司法裁判所に差し出すだろう。いや、その前に自殺に見せかけて殺される可能性の方が大きい。絶対そうはさせない。そうなる前に核のボタンを押して世界を道連れにしてやる。